QLOOK?A?N?Z?X????

Cry Me to the Moon

2010/11/24 Wed
m25



挙句、グスタフが敬語を使う相手も限られる。というか、ユウキが知る人物の中では一人しか該当しない。
ユウキは手持ち無沙汰になりながら、隣から聞こえてくる低音を鼓膜で拾う。
仕事か使命かは分からないが、何か頼まれごとをしているのは確かだった。
余り、聞くべきことではないだろうとワイングラスをテーブルに戻し、ソファの背に手を付いて立ち上がる。
なるべく、グスタフの横顔を見ないように心がけたが、視線が勝手に動くのは止められなかった。

その瞬間、ユウキは確かに嫉妬した。

目の前に居ないはずの相手に瞳を緩めて、陶酔しきった声を出し、投げられる言葉に耳を傾けるグスタフの姿に、これ上ないほど嫉妬した。
一瞬、目の前が真っ暗になり、次いで真っ赤になった。
立ち去ろうとしていた足はくるりと方向転換し、グスタフの腿の上に手を置いてフローリングに跪いた。
少し震える指を叱咤して手早くベルトを外し、スラックスの前を寛げ、性急に顔を寄せる。
グスタフは明らかに驚いた顔をしたが、右手は携帯を支えているため、制止に駆り出せるのは左手だけだった。
ユウキがグスタフの両足に自重を掛けながら、捕まる前にグスタフの中心に手を添えて何の前触れもなく咥えこんだ。

「―――――ッ」

頭上から息を詰める声が落ちてきた。眉根がキュ、と寄って一瞬だけ表情が変わる。
流石のグスタフもユウキの唐突な行動に困惑を覚えざるを得なかった。
それでも、努めて平静を装い、電話口で淡々とした受け答えを返す。
慣れぬユウキの精一杯の強襲でさえ、声ひとつ上げさせることは出来ないのだ。
その現実に少しだけ心を痛めながらも、内心で燃える悋気が静められなかった。
きっと呆れているだろうし、怒っているだろう。
しかし、そんなことはこの際、関係なかった。
ユウキは生まれて初めての行為に意識を集中させていく。
どうすれば良いかを考えながら、ユウキは静かに瞳を伏せて、ゆっくりと口腔に含んだ性器に舌を這わせ始める。
本当に子どもの我儘のようで、こんなことをしても何の意味もないと知りながら、それでもグスタフの気を引きたくて懸命に奉仕した。
どこをどうすれば良くなるのかは良く分からなかったが、そこは同性の強みだ。
刺激に弱い場所ならなんとなく分かる。

[7] << [9] >>
-
-


<< Lesson 00
酔っ払いの作法 >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.23R]