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Cry Me to the Moon

2010/11/24 Wed
m25



!注意

グスタフ(→)←ユウキで本番はないけどR18話。
ユウキが報われない話なので、片思いENDが苦手な人は注意。
あとグスタフさんが酷い人で広島弁がうそっぱち。


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銀色の二重のフィルムが掛かったワインを片手にユウキは玄関のインターフォンを押した。
ユウキの借りているアパートに響く安っぽい音色とは違い、耳に心地良い音色が来訪を知らせる。
高鳴る胸を誤魔化すように、首元のスカーフを軽く直して、前髪を指で梳く。

「やっぱ、髪切ってくりゃ良かったかな」

顎を引きながら視線を持ち上げて、指先で前髪を少し摘むと今更なことを思う。
一流エージェントを謳うユウキも忙しい身なれど、久々のデートならば格好を付けたくもある。

「グスタフさんは忙しそうだけど、何時もきちんとしてるよなぁ…」

独り言を漏らしつつ、デート相手にして訪れた部屋の主のことを思い出しながらポツリと漏らす。
忙しさで言えば、人に使われる側のユウキよりも、人を使っている側のグスタフの方が忙しい筈なのに。
隙のない佇まいを脳裏に思い描くだけで頬が熱くなる。
堪らなく格好良くて、ダンディでスタイリッシュな大人の男。
ユウキがグスタフと同じ年になったら、ああなれるかと言えば答えは否だろう。

「お前は20年経っても変わりそうにないからな」
「!?」
「いつも勝手に上がっていいと言っているだろう」
「……グスタフさんこそ、気配殺して近づかないでくださいよ」
「顔から頭の中を読むのは良いのか」

クッと口角を持ち上げてからかうグスタフの顔は酷く大人の色を放っていた。
縦長の瞳孔は茶化す時にキラリと光る。まるで捕えた獲物で遊ぶように。

「それは、まぁー…、以心伝心というか。ツーと言えばカー的な」
「相変わらず、わからん奴だ」

しれっと言い捨てるグスタフは扉を押さえつけていた指を離し、室内へと招く。
ユウキは慌てて締まりそうになる扉に手を掛け、グスタフの後を目指して扉を潜った。
落ち着いた色合いで統一されたマンションは、ユウキが知る建築物の中でも上等なもので、ラスボスって儲かるんだなぁ…と取り留めのないことを考えさせてくれる。
ちなみに連邦のエージェントといえど、母体が国家であるユウキの給料など言わずもがなだ。

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[Serene Bach 2.23R]