エビル・アイズ
2010/11/17 Wed
m25
またその首筋に見惚れそうになったジェネラルは軽く頭を振って金髪を揺らした。
頭を振ったことで外れた視線はそのまま床に捨てて、戻すことはしない。
少し言葉を選ぶように言いよどんだ後、ジェネラルは口元を書類でカサリと隠しながら口を開いた。
「私は……そんなに君を見つめていただろうか?」
「………………」
今度はオズワルドが戸惑う番だった。
眼尻にほんのりとした朱色が走り、瞳を僅かに見開く。
オズワルドがジェネラルの視線に過敏すぎたのか、ジェネラルが無意識にオズワルドに魅入っていたのか。
真実は分からないが、どちらにしてもオズワルドの耳から眦を染めるくらいは容易い話だ。
本人にそのつもりはないだろうが、ジェネラルは更に追い打ちとばかりに言葉を重ねてくる。
「すまない。……つい、君から眼が離せなかった」
楽しいとは到底思えないのですが、痘痕も笑窪とはご存知でしょうか?と、さらりとかわす言葉が脳裏を過るも声にはなれず、熱はどんどんと上がっていく。
二つ目の釦を指先で弄りつつ、言い損ね続ける言葉を口腔で嬲る。
黙ってしまったオズワルドにジェネラルは資料で軽く己の頬を仰ぎ、青い瞳を細めた。
「言いたいことは沢山あるかもしれないが、私相手ではご覧の通りだぞ」
それを聞いて、オズワルドは内心の熱を誤魔化すように息を吐き出し、脱衣を再開した。
頬を染める熱はまだ引かないが、ジェネラルの言い分は理解できる。
(言いたいことは沢山ありますが、私もご覧の通りです)
ひたすら加速していく心音を持て余しながら、ただのカーネフェル使いによく利く魔眼の持ち主へ内心でこっそりと同意した。
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