エビル・アイズ
2010/11/17 Wed
m25
そもそも資料自体は、着替えの最中だったオズワルドに一言断りを入れて寝室に足を踏み入れた瞬間に見つけていたのだ。
その時はジェネラルも早々に寝室を後にしようと考えていた。
だが、資料を手にしたタイミングで聞こえてきた布擦れの音に何気なく視線をやってしまったのがいけなかった。
細い体躯から一枚一枚剥がれていく衣類、服装と言う防備の下から現れていく本来の彼。
当たり前の日常風景であるにもかかわらず、何故か目が離せなくなってしまった。
瞬きすら忘れたジェネラルの熱い視線はオズワルドの体躯を這いまわって視姦する。
最初は気にしていなかったオズワルドも、時間の経過と共に、薄いシャツの上からも感じるジェネラルの強い視線に気が付いた。
そして、それはジェネラルへ声を掛けた今も続いている。
「………探し物が見つかったのなら、リビングで待っていてください。直ぐに食事にいたしましょう」
意味深な視線で着替えを眺め続けられると、同性であるにも関わらずオズワルドにも躊躇いが生まれる。
裸を見られて照れるほど若くもないし、初心な関係でもないが、やはり居心地は悪い。
ジェネラルのように逞しくもあれば別だろうが、枯れ老いて久しい肉体なのだ。
全盛期の頃と比べれば確かな衰えを感じている、他の人間なら未だしもジェネラルに繁々と眺められるのは抵抗がある。
しかも、こんな風に熱っぽく真摯に見つめられると肌の色がうっすらと変わってしまいそうだった。
流石にそれは意識すぎだと自制しながらも、やはり視線が気になることに変わりはない。
遠まわしに退室を促すと、当たり前のように観賞していたジェネラルが一拍の間をおいてハッとしたように息を詰めた。
「―――…っ、すまない」
「いいえ、ただ、そんなに熱心に見ていただくほどのものではありませんよ」
ようやく我に返ったらしいジェネラルに小さく笑って、指を釦に添え直す。
苦笑を零しながら、ジェネラルに背を向け、釦を一つ外すと首の付け根を冷たい空気が撫でていく。
身を軽く震わせるが、一つ釦を外し終えてもジェネラルが退室する気配はなかった。
訝しんで首だけを回し、ジェネラルを見やれば、困惑したような表情をしている。
「閣下?」
沈黙を落とすジェネラルに、オズワルドはひと声投げかけ、露わになった首筋が伸びる。
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