Beloved Bastard
2010/11/11 Thu
m25
!注意
サイキカル→グスタフ(→ゲーニッツ)で小ネタ。
全員一方通行片思いで軽く諦め気味。
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大体、こいつを介抱するのは何度目だろう。
初めの内はそれでも嬉しくて数えていたが、此処最近は馬鹿らしくて数えていない。
「グスタフ、起きろ。家だぞ」
肩に担いだ家主に声を掛けても無反応なのは当たり前。
返事が出来ないほど酒に溺れるのも良くあること。
完璧でソツのない男を気取っているが、一枚皮を剥がせば案外脆い。
サイキカルは無遠慮にグスタフのスーツに手を突っ込んで鍵を開ける。
顔を寄せれば、それだけで倒れてしまいそうなほど濃い酒気が鼻についた。
グラスを一杯か二杯空けるだけのサイキカルと違い、グスタフの飲み方はそれこそ浴びるように、と言う方が正しい。
酔いにくい体質を無理やり回すのだ、相当な量が必要となる。
さすがに八荷とまではいかないが、グスタフが人外であると再認識させてくれるのには十分だった。
精算はグスタフが黒いカードを一枚出したので、金銭的な負荷は掛かっていないものの、最近は鼻からサイキカルが家まで運んでくれると信じて、飲み過ぎる傾向にあった。
どうして、そんな飲み方をするのか、理由を知っているサイキカルは形の良い眉を僅かに寄せる。
長身のグスタフを引っ張って寝室まで運ぶと、酒臭い男を寝台へ落とす。
小さく呻く声が聞こえたが、覚醒までは至らず、スーツもそのままに動かなくなった。
「………酒で何とか出来るとでも思っているのか、お前は」
落ちた横顔を見やりながら、溜息を洩らして、グスタフの手を取る。
指を包み込む革手袋を引っ張れば、傷の無い綺麗な素手が現れた。
それは酷く冷たく、爬虫類としての性と言うより、死体のようだった。
両手から手袋を奪うと、揃えてベッドサイドへ置いておく。
胸元からサルベージした携帯は電源ごと落とした。
「その程度でなんとかなるのだったら、私がやっているだろう。気付け、ウワバミ」
悪態を小声で囁いて瞳を細め、寝台に伸びるグスタフのネクタイに指を掛ける。
引けば簡単に崩れる水色の帯、こんな風に容易く解放出来ればどれだけ良いだろうか。
グスタフに絡みつくのは青い風だ、取り留めも無く、捕まえようも無い。
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