見知らぬ天井
2010/10/19 Tue
m25
ザッと目を通してみるも、要所が頭に入らない時点でオーバーワークだと自分に言い聞かせ、資料をサイドボードに伏せた。
急ぎの資料でもなければ、機密書類でもないのだが、わざわざベッドまで持ち込んだのは明日のためだった。
「明日は早いのですか?」
更に言えば、我が身のためだった。
「早くも無いが、遅くも無い。君も明日は仕事だろう」
「有り難いことに明日は有休消化ですよ」
「…………君の手際には毎度恐れ入る」
僅かに顎を持ち上げて、裸眼の瞳で視線を合わせてくるオズワルドに小さく息を吐く。
するりと手際の良い掌が、決して紳士的ではない意味合いをもってジェネラルの腰を撫でる。
表面化させずに身を強張らせるとジェネラルが咳払いをして、オズワルドの肩に指を掛けた。
「偶にはゆっくりと休むのも良いだろう。私にも貴方を気遣わせてくれ」
「閣下が癒してくださるのなら、私の疲労など」
しれりと言い返されて、押し返したはずの肩から腕が持ち上がり、ベッドに引きずり込まれる。
既にオズワルドが暖めてくれていた布団の中は柔らかで、それ以上にオズワルドは温かかった。
ジェネラルもゆっくりとオズワルドに腕を回し、上背がある細い肉体を抱きしめる。
「無論、大人しく寝るのもやぶさかではありませんがね」
「わかったわかった、寝室に無粋なものを持ち込んですまなかったな」
「ご理解いただけたのなら嬉しいですね、そんな予防線を張らずとも無理強いなんてしませんよ」
何もかもお見通しの紳士にぐぅの音も出ず、ジェネラルは沈黙を決め込んで抱きしめなおす。
外に出ていた上半身はまだ冷たいが、徐々に体温が交じり合い、オズワルドにより温められていく。
腕に抱く、やんちゃで紳士的な恋人と同じ体温へ。
「閣下、―――…明日の朝はゆっくりしてください。取って置きのモーニングティーを淹れますよ」
「それは楽しみだな、……君の紅茶は癖になる」
「毎日、紅茶を淹れさせてください。……と、言う話かもしれませんよ」
「大歓迎だが?」
今度はオズワルドが沈黙する番だった。
ジェネラルの肩口に鼻先を沈めて顔を隠すオズワルドに無音で笑って、染まった耳へキスを落とす。
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深夜過ぎたら逢いましょう >>
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