抱枕
2010/09/20 Mon
m25
そろそろとジェネラルから距離をとり、頭を抱えるようにして寝台に音無く沈んだ。
喉奥から羞恥なのか歓喜なのか衝撃なのか分からない呻き声が上がりそうになるも、力を振り絞ってそれを殺しきる。
必死に呼吸を整えて、よろり、と緩慢に身を起し、再度ジェネラルを覗き込む。
ジェネラルの腕には、先ほどと同じように枕が収まっている。
その枕が誰の物なのか、など、見慣れているオズワルドにはすぐに分かった。
込み上げてくる熱を押さえるように、オズワルドは片手で口元を押さえる。
「………貴方という人は…本当に……」
頬といわず、首筋まで上がる熱を誤魔化すように呟くも、力を帯びずに途中で失墜する。
グスタフと会うのを、ジェネラルが手放しで歓迎していないことは気づいていた。
そして、それをオズワルドに気づかせないように気を配っていることにも。
ジェネラルのそういった反応が見たくて、告げる必要のないことを口にして不満を煽った自覚はある。
けれど、こういったカウンターをされるとは想像もしていなかった。
オズワルドに対する不満も不安も何も口にせず、
ただ寂しさを埋めるように枕を抱きしめる姿に胸が苦しくなるほどの愛おしさを感じた。
何もかもが完璧すぎる恋人に、オズワルドは大きく白旗を上げると、徐にシャツの鋲を外した。
胸元まで寛げると、片手を向こう側につき、ジェネラルに覆いかぶさるように身を屈めた。
オズワルドの鎖骨に、ジェネラルの吐息がかかる。
ジェネラルの不満も不安も掻き消すように、寛げたオズワルドの肌からは酒精の香りしかしない。
「ご心配をお掛けしました。私には、貴方だけです」
耳に唇を寄せて、低い声で囁いた。
その声に、寝入っている相手を気遣う気配はない。
ただ真剣に、躊躇いもなく告げるのは本意であり本心だ。
そんな情熱的な言葉を拾っただろう耳が、オズワルドの眼下で緩々と赤く染まっていく。
「…………………はやく、寝たまえ」
抱きしめた枕に顔を埋め、シーツに潜るジェネラルの声は羞恥に揺れていた。
オズワルドは幸福そうに微笑むと、眼下の耳にキスを贈る。
鼓膜を震わすリップノイズに、ジェネラルの肩がびくりと跳ねた。
「枕がなければ寝られませんよ?」
「知らん」
「ふふ。どうあっても離して頂けませんか?」
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