空枕
2010/09/19 Sun
m25
!注意
オズワルド×ジェネラル小話。
作中には出てきませんが、グスタフさんがオズさんの弟子設定。
尖兵が乙女でちょっとセンチメンタル。
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夏が過ぎ、秋が近寄ってくると、夜の気温は一変する。
底冷えを引き連れて一気に寝室を冷やす手腕は見事なもので、ジェネラルは低い吐息を漏らした。
「―――寒い……」
憮然とした面持ちでそう呟くと、中々温まらないシーツを掻き寄せた。
筋肉質なジェネラルの体温は人より高く、秋も始まったばかりの時分では、夜といえどそこまで厳しい寒さではない。
にも関わらず、眠気を払拭するほどに寒々しく感じるのは、いつもの寝台が嫌に広く感じることと直結している。
「…………」
子どもではないのだから、と、幾度目かもしれない自戒を呟き、眠気を求めるように寝返りを打った。
けれど、動いた先の冷え切ったシーツに頬が当たり、眠気は一層遠ざかっていく。
それでも無理にでも休もうと瞼を閉じて、静かに自らの心音の数を数え始めた。
そうしながら、ジェネラルは朝の会話を思い出していた。
『今日は帰りが遅くなります』
狐色が美しいロールパンに、チーズとトマトの入ったオムレツ。
ボイルしたチキンと数種の豆のサラダと、トロリと口当たりの良いコーンポタージュ。
目にも舌にも楽しい朝食を用意してくれたオズワルドは、
仕上げとばかりに二人分の紅茶を淹れると、どこか申し訳なさそうにそう言った。
オズワルドからフォークを受け取りながらジェネラルは首を傾げた。
『試合はなかったろう?』
『少し、古馴染みに呼ばれましてね』
いつもより、どこか機嫌よさそうなその笑顔に、ジェネラルは声なく納得する。
長い間、裏社会の闇に身を投じていたオズワルドに、今なお連絡を取れる古馴染みなど数えるほどしかいない。
加えて、常のアルカイック・スマイルが微妙に深いものになっているとあれば、更に範囲は限られる。
ジェネラルの脳裏にかつての彼の弟子であり、風の腹心たる黒衣のワイヤー使いが浮かんだのに
気づいたのか気づいていないのか、オズワルドは苦笑を漏らした。
『またいつもの話だとは思うんですが…』
『いや、構わない。久しぶりなのだから、ゆっくりしてくると良い』
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