天才は病人と踊る
2010/09/21 Tue
m25
!注意
東方不敗→←トキでトキが結構乙女。
別人、捏造、嘘口調が横行しております。
アミバが物凄く出張ってます。見ようによっては綺麗なアミバ。
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目の前の、焦点すら合わない距離にある拳に、トキの動きが凍る。
空気さえも動きことを憚るような張り詰めた空間で、おもむろに東方不敗の拳が下がった。
知らず、息を詰めていたトキは呼気を漏らした。
「慢心するな。……若造が」
「――――」
しかし、続く東方不敗の言葉は硬質的で、トキは僅かに身を強張らせた。
東方不敗が背を向けたことから今日の手合わせが終わったのだと理解したが、それでもトキは構えを解くことが出来なかった。
声を掛けて、手合わせの続きを願いたいと何処かで思いつつ、それでも突き放すような声と言葉がトキの口を重くさせる。
情けない、と、自戒を込めて眉間に皴を刻み、背を向ける東方不敗に物言いたげな視線を投げるが黙殺された。
「稽古は終わりだ。今日はもう帰れ」
そんなトキを意に介することなく道場から出て行く東方不敗は、退出を促す言葉を続けた。
酷い落胆と焦燥がトキを襲い、喉の奥に言葉を詰まらせる。
東方不敗の背が視界から完全に消えると、トキはようやく構えを解いた。
細身の白い肩を落とす様は傍目にも痛ましかったが、その姿を見る者はいなかった。
(何か、気に障ることをしてしまっただろうか)
トキはトーナメント会場の控え室で座禅を組みながら、そんなことを考えていた。
精神統一の為に始めたにも関わらず、思考はそれだけに埋め尽くされ平常心を乱してくる。
疲れたように呼気を吐き出すが、それでも胸に巣食うモヤモヤは晴れる気配を見せない。
緩々と瞼を下ろし視界を閉ざすと、より一層そのモヤモヤが助長されていくようでトキは肩を落とした。
(何か…したのだろうか…)
思考は堂々巡りを繰り返し、どうしてもそこへと行き着く。
トキの悩みの中心にいるのは、武道家として名高い東方不敗その人だった。
タッグを組んだことで縁が出来、長く良好な関係を続けていた。
それこそ暇さえあれば東方不敗が管理している道場に足を運んで、お互いの技の研磨を絶やさなぬほどに。
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