『涼宮ハルヒの…SS(1) 』  

 放課後、相も変わらずさして用がある訳でもない俺は、心癒されるお茶を目当てに今日も部室 へと歩みを進める。部室の中を覗き込む。  お、一番乗りか…かといって何の賞品が出るわけでもないがな。  することも無くパソコンをいじっているうちに戸が開く。長門が入ってくる。  無言のままに自分の定位置につくと、カバンの中から本を出す。  ん?本じゃなくて珍しく、写真集…というより、え、エロ本!?  俺は立ち上がると、右手を長門のほうに伸ばして、上ずった声で言う。 「な、長門それ一寸見せてくれるか?」 「……はい」   受け取って表紙を見てみる。洋物だな。  金髪ロングの北欧系美人が黒の下着姿で足をMの字に開いて、俺に向かって手招きをしている。  これは……招かれるしかないだろう!  椅子に座り直すと、とりあえずパラパラパラと何気ない風を装って眺めてみる。  おぉっ無修正物だ。男との絡みまで!予想していた通りとはいえはやはり胸が高鳴る。  はたと気付き、本を指差しながら長門に尋ねる。   「これ、長門が見つけてきたのか?」 「…違う…カバンに入ってた」  悪戯で入れるにしては、高くつきすぎるような気がする。 「長門のクラス今日、持ち物検査なかったか」 「あった」  成る程、こいつが見つかりそうになった男子が咄嗟に放り込んだか。  俺はもう一度ページをめくってみる。先程よりは幾分ゆっくりめに、だが凝視は避けて。  流石にこの場であまりじっくり見ていて、長門の前で何らかの反応を起こしたら、やばすぎる からな。   パラリ、パラリ……。  うおぉ、こんなのまで…!この尻も、なかなか!  たまらず俺は本を振り上げながら長門に向かって言う。 「長門!なんなら、この本は俺が……」  そう言い掛けた俺の背後に誰かが近寄り、すっと本を奪い取ると力強く宣言する。 「これは、あたしが没収します」  鼻が利きすぎないか?……それでも俺は振り返りながら一応、忠告してみる。 「いや、それは女の子が持つものじゃないぞ」  案の定、そこには腕組みをして仁王立ちしているハルヒがいた。  俺の言葉を聞いて、ギロッ。本当にそんな音が聞こえそうな程の殺気だった視線をこちらに向 けるとハルヒは冷たく言い放った。 「こんな不健全な本をSOS団の団員が持つのは許さないわよ、処分します」  健全な男子は不健全な本を読みたいものなんだが。  抵抗しようものなら何が起きるかたやすく予想がついたので、俺は仕方なく黙っていた。 ――とは言え……くそっ、もったいねー。  確か、今日は11時にはベッドに入って……そうだ、ここは俺の夢の中のはずだ、しかし。  自分の股間を見やる。信じられないくらい、激しく自分のものが奮起している。血がそこに集 中しすぎて貧血でも起こしそうなほどだ。  そんなにゲットし損ねたエロ本が未練だったのか、俺は……いや、多分違う。  時は真夜中、場所は校舎。俺は靴音を響かせ、一人歩く。嫌が応にも思い出す、あの出来事。  嫌な予感を胸に抱きつつ、自分のクラスへと向かう。  教室の前。今度は何が起きるのやら、それを思うと気が重い。  俺は溜息をつきながら、戸を開ける。  カラカラカラ。  俺の気持ちに反比例するかのように、小気味よいぐらいの軽やかな音を響かせ、戸は開いた。  月明かり、逆光となって顔の分からない人影が教室にいた、が。 「……キョン。また、あなたなの?」  その人影は俺の予想通りの声を教室に響かせた。   「望まれて出てきたのはまだこれで2度目だ」  普段のハルヒの夢の内容は知らないがな。相変わらず俺の言葉を聞きもせずに制服姿のハルヒ は呟く。 「まさか…こんな夢にまで出て来るなんて」  ハルヒ、没収した本を家に持ち帰って見たんだろうな。そうして恐らく受けた刺激が強すぎて、 こんな世界を作っちまったんだろう。  萌えについてもっともらしく語ってた割には、こっちの方面には疎かったと見える。  ここはハルヒの知恵熱みたいなものか。  この迷宮の出口はどこになるのか…何となく予想がつく。  俺達二人が体の快楽に満足する事。つまり、イク事…なのだろう、きっと。  しかし、過激なエロ本一冊を読んだくらいで世界を作り上げてしまおうとするぐらいに、うぶ な…恐らくは処女のハルヒを俺が絶頂に導けるのだろうか。  さもなければ、ここの住人となるしかない訳か…永久にアダムとイブだけがある世界。  俺の体がもたなそうだ。  自分のアゴに手をかけ考え込む俺に、素っ気無い調子でハルヒが声を掛ける。 「キョン、あなたのそのズボンの中、きついんじゃない?」  俺は俯いたまま答える。 「あぁ、痛いぐらいだよ」 「早く…外に出したほうが、いいんじゃない?」  予想外の言葉に驚いて、顔をあげる。ハルヒはそっぽを向いている。 「あんたのそれって、欲情してるって事よね」  そうだな。恐らくはお前と同じぐらい。 「キョン、特別にわたしの身体に触れてもいいわ。自分のしたいように…しなさいよ」  許可を装って、自分のして欲しいことを俺に言う。  ハルヒは俺のほうに向きあうようにして机の上に座り、自分の手で抱え込むようにして片膝を立 てた格好をしてみせる。青の下着が俺の目に映る。『早く』とハルヒが瞳で訴える。  俺はネクタイを緩めながら近づき、ハルヒの足元に跪く。その健康的な太腿に触れるため俺は手 を伸ばす。 「さぁ…キョン…」  無意識のうちに俺はゴクンと唾を飲み込む。そうだ、今ならおおっぴらにハルヒを抱ける。  ハルヒが許可してくれたのだから……許可?  動きを止め、ハルヒの顔を窺う。  頬を上気させながら、期待に目を細めるハルヒ。いつもの「あたしの計画通り」ってわけか。  俺の手は止まったままだ。俺は何故動かないんだろう。  このまま思惑にはまればいいのに。状況に流されて。童貞をきっぱり捨てて、俺もハルヒもいい 思いをして。それで全て世はこともなし……いや、違う。    俺は無言で立ち上がり、一歩後ずさる。 「…キョン?」  つまらない話を聞いた、そんな表情をつくってみせてから言う。 「気が変わった。俺は自家発電させてもらうさ。お前も自分の指でやればいい」  俺は知っていながら言う。ハルヒのプライドがそんな真似を許さないことを。  案の定ハルヒは気色ばむ。 「嘘でしょ?」 「嘘なもんか。お前の体を使わなくても、一人でイケるさ、慣れてるからな」  いつもと違う強気な俺の態度に、ハルヒは戸惑いの表情を浮かべる。 「さて、と」  わざと無造作に制服のズボンを下げる。待ちかねたように、俺の分身が跳ね上がる勢いで 飛び出す。  俺の股間を見るハルヒの目は潤み、息は荒く、整わない。呟きを洩らす。  「すごい……赤い色で、ドクンドクンってして…おっきい…」  ハルヒは俺の脈動を目で感じ取っているようだった。  口を半開きにさせ、力が抜けたように片手を机につき、体を右に傾ける。そんなハルヒの 様子を見るだけで股間は更に昂ぶりを増す。  サディスティックな喜び。俺にその気があったとはな。いや、ハルヒのこんな姿を見たら 男なら誰だって普通じゃいられなくなるはずだ。  俺は自分のものを軽くこすってみせながら言う。  「ハルヒも興奮してるんだろ。自分でパンツを脱げばいい。俺のをおかずにして、自分のものに 指を這わせればいい」 「自分でなんて、やり方がわからないわよ!」  明らかにハルヒは動揺している。それを悟られまいと必死にまなじりを上げ、俺に言う。  俺は即座に言い返す。 「女だって変わらないはずだ。自分が擦って気持ちいいところを擦ればいいんだろ」 「そんな…」  俺は無表情に目を合わせる。ハルヒは俺の視線に耐えられず、顔を俯かせて呟く。 「そんなのって…いやよ」  牙城はもろくも崩れ去った。  か弱い女の子の姿を俺の前にさらけ出す。自分の身を自分の腕でしっかりと抱き締め、俺に必 死になって訴える。 「やぁよ……自分でなんてやだ。キョン…お願いよ」 「何を?」 「何って…わかってるでしょ」 相変わらず高飛車な態度を護ろうとはしているが、目は俺のことを窺うようにおどおどとして いる。  俺はからかうような口調で言う。 「ちゃんと口でお願いしてくれなきゃ嫌だね」 「な……」  口を開けて固まるハルヒに俺はわかりやすく言ってやる。  「言いなよ『あたしを犯してください』って」 「そんな…言い方」 「優しくいかせてもらえるとでも思っていたのか」 俺は腕を組んで首を傾げながら促す。 「さぁ」  くっと悔しげに下唇を噛むと顔を上げ、悔しげな、でも途方にくれたような泣きそうな、そん な複雑な表情を俺に向けながら、ハルヒは言った。 「キョン……あたしの事を抱いて…犯してください」  何とかそこまで言うと、ハルヒは下を向いてしまった。まあ、無理も無いだろう。   そう思いながら俺が一歩近づくと、もう一度ハルヒは顔を上げ、怒ったような眉を見せながら 言った。  「でも…あまり…痛くしない…でよ…は…初めてなんだから」  俺は唇を片端だけ上げて見せて言う。 「しょうがないな、じゃあ、下着を…さしあたってはパンツを脱いで机の上で足を広げな…あの 本の表紙みたいに」 「――!!」  ハルヒは屈辱の2字を頭の中に浮かべているに違いない。唇をわなつかせている。   全身を怒りと恥ずかしさに震わせながらも、パンツを脱ぐ。 「…さあっ脱いだわよ。これでいーいっ!?」  それから勢いよく俺に投げつけてきた。俺はそれを受け取り。 「ふーん」  にやりと笑ってみせる。 「何よっ!」  俺は内側がハルヒに良く見えるように、両手でパンツを広げて見せながら言う。 「濡れてるな。ものすごく」  「……っ!」  うろたえた表情を楽しみつつ、俺はハルヒの上に覆い被さっていく。その耳元に息をかけなが ら問い詰めていく。 「あのエロ本、すごかっただろ…どれがお気に入りだ…」 「何の…話よ」 「見たからここに来たんだろ」 「そんな事――」  ハルヒの言葉には構わずに俺はゆっくりと耳元で囁く。 「跪いて男の物をおいしそうに舐めてた奴か?…それとも男の上で腰を振って爪を立てて、喘い でたのか?…それとも、耳たぶ噛まれながらバックから無理矢理やられてた奴か……。」  俺の言葉にピクンと小さく体を震わせる。 「そうか、意外に強引にされたいんだ…なら、遠慮なく…」  ハルヒの期待に添えるように俺は乱暴さを装う。手順を無視してハルヒの制服の上をブラごと たくし上げ、その形良いおっぱいに躊躇いなくむしゃぶりつく。 「は……ぅ、ば、ばか、何してる…のよ…やめなさい…よ…」  言葉とは裏腹にハルヒは俺の頭を掻き抱く、俺に胸を押し付けるように。  両手で下から掬うようにして乳房を揉む。  生々しい重み、その柔らかさは俺の体のどこにも無いもので。限界まで勃起していたはずの俺 の下半身がズキンと疼き、ふくらみを増す。  右手でハルヒの秘所をまさぐる。熱く濡れて…陰毛まですでに愛液で湿らせて……。  堪らず俺は身体を下にずらし、乳房を刺激していた口で、今度はハルヒの秘所をなぶる。 「……あ、駄目…そんなとこ、汚い!」  身をよじろうとするのを俺は両手で太腿を鷲掴み、逃さない。舐め上げるほどにハルヒのそこ もまた、充血し、熱くなっていくようだった。  俺はクリトリスを舌先でつつくように刺激してやる。 「ん…や…だ…ぁ…駄目ぇ……」  吐息を熱くさせながらも口ではまだ抵抗しようとする。 「嫌か……じゃあ、なんでここはこんなにトロトロになってるんだ?」  そう言って俺は穴に舌をねじこませ、ハルヒの蜜をなお溢れさせる。  ハルヒは跳ね上がりそうなほどビクビクと背筋を震わせ、反応する。 「だって……だって…」   軽く逆らうようにハルヒは身じろぐと、しおらしげな声で言う。 「……こんな、襲われてるだけみたいなの、嫌よ」  顔を上げると物足りなげに、悲しげに、ハルヒが唇を開いてこちらを見ている。  さも、今、気付いたかのように俺は言う。 「あぁキスがまだだったか、仕方ないな」  ハルヒの肩を机の上に押し付ける。驚愕した表情を浮かべるのに構わず俺はハルヒの唇を 襲いかかるようにして奪う。 「んーっ!……んむ……んぐ……」  慈しみよりも、愛情よりも。更に互いの欲情を燃え立たせるために俺はハルヒの口を吸う。  舌を差し込む。 「自分のおまんこの味はどうだ」  俺自身、言い慣れていない卑猥な言葉をわざと使う。 「や…だ、そんな事…聞くなんて……」  中指を使ってハルヒの蜜壷の中を掻き回しながら言う。 「下のお口はおいしかったって言ってるぜ…ほら、こんなに涎が溢れてくる」  必死に首を横に振りながらハルヒがうめく。 「やだ…やだぁ……」  もう頃合いと判断して、いよいよ挿入を試みる。俺はハルヒに命令する。 「ハルヒ、自分で脚を開けよ。両手で太腿をしっかり抱えるんだ」 「な、何で…そんな恥ずかしい格好……」  人差し指と中指の2本の指で秘裂をなぞりあげつつ俺は言う。 「濡れすぎてて入れようとしても滑りそうなんだよ、ほら、こんなに。お前だって痛いのが 長引いたら嫌だろ?」 「……わかった、わよ」  そう言って、おずおずと足を広げる。 「自分の手で抱えてな」 「だから、わかってる!」  月の光があたり、赤く充血させた秘所が自身の愛液でてらてらと怪しく光る。  「恥ずかしい事させられるたびに余計に濡れるんだな」  顔を真っ赤にさせたまま、目尻に涙を浮かべ、ハルヒは言う。  「言わ…な…いで…」 「じゃ、入れるぞ」

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