俺と百合先輩は、その足で俺の家へとやってきていた。
百合先輩曰く、数日前から両親が旅行中で、今は家に帰っても誰もいないそうだ。
だから、『俺の家に来たい』なんて言いだしたんだろう。
しかし、自分の言った言葉を今になって少し後悔しているようだ。
現に百合先輩は、辺りをキョロキョロと眺め回し、そわそわして落ち着かない様子だ。
俺は俺で、さっきからずっと心臓がバクバクと高鳴りっぱなしだ。
話したいことは沢山あるのに、言葉になって出てこない。
互いに無言の時間がしばらく続く。
何か、何か言わないと……
俺がそう考えていると、突然百合先輩が立ち上がった。
「あ、あの……や、やっぱり、私、帰りますね」
「えっ!?」
「そ、それじゃあ……」
「待ってよ!」
俺は帰ろうとする百合先輩の腕を掴む。
「どこ行くんだよ百合先輩?いつものように、側にいてくれないのか?」
「そ、それは……」
「俺は……俺は、百合先輩とひとつになりたい」
「…………」
百合先輩の動きがピタリと止まる。
「百合先輩……」
百合先輩はゆっくりと俺の方を振り向き、そして顔を上げた。
「私も……真人さんとひとつに……」
百合先輩の言葉が終わらないうちに、俺は自分の唇を百合先輩に重ね合わせていた。
「んっ……」
百合先輩が熱い吐息を漏らす。
唇が触れ合うだけの軽いキス。
それでも、俺達は互いに感じあって幸せな気分になる。
やがて唇を離すと、百合先輩が恥ずかしそうにうつむいた。
「あ、あの……真人さん。少しの間、後ろを向いてて……いただけませんか?」
「どうして?」
「そ、その……服を、脱ぎたいので……」
百合先輩は顔を真っ赤にして消え入りそうな声で呟く。
「俺は、百合先輩の服を脱ぐところ見ていたいなぁ」
「えっ!?」
「なんだったら、俺が脱がせてやろうか?」
「え、えっと……」
「冗談だって」
「…………」
百合先輩は無言のまま、ぎこちない動作で着衣を脱いでいく。
ブレザー、ブラウス、スカート、そしてブラジャーにパンティ――
一糸纏わぬ姿となった百合先輩は、そのままベッドに仰向けに寝そべる。
贅肉のない、それでいて筋肉質でもない均整の取れた肉体。
少し華奢な体型に、やや大ぶりの乳房。
淫裂にはうっすらと毛が生え揃っている。
「そんなに、見ないでください……」
俺の視線に耐えかね、百合先輩が消え入りそうな声で呟く。
かわいい……
俺は今すぐ百合先輩を抱きしめたい衝動に駆られる。
そして俺は百合先輩の見てる前で、自らも着衣を脱ぎ、裸になった。