「ふふふ……」
 姉さんの手がするすると俺の股間に伸びてくる。
 そして柔らかい、すべすべとした手で、まるで包み込むように、俺の男根を握り締めた。
「ね、姉さん?」
「怖がらなくっても大丈夫よ。まぁくんもやったことあるでしょ?ここをこうやって擦ると、とっても気持ちがいいのよ」
 姉さんは温もりのある手を、上下に動かし始めた。
「あっ……ううっ……!」
 まるで初めてオナニーをした時のような、いやそれ以上の衝撃を俺は覚えた。
 今まで味わったことのない快感が、俺の躰中を駆け巡っていく。
 俺だってオナニーくらいはする。
 ある時はエロ本片手に、ある時は姉さんの写真を見ながら……
 でも姉さんにやってもらう手淫は、俺がやるそれとは全く違っていた。
 適度に力を入れ、速度に強弱をつける。
 姉さんが与える摩擦が、快感を生んでいく。
 いつまでもしていて欲しい、癖になりそうな気持ちよさであった。
「うっ……ああ……」
 俺の躰も反応し、段々とペニスが猛々しく隆起していく。
「うっ……うあ……」
 休むことなく与え続けられる快楽に、俺は声を上げた。
「すっごーい……まぁくんのここ、どんどんおっきくなっていくわよ」
「だ、だって、姉さんの手が……うあっ!」
 俺は襲いかかってくる快楽の渦に、必死で抵抗を試みようとするが、躰が反応してしまう。
「素直にならなくちゃダメよ。気持ちいいんでしょ?」
「う、うん……」
 俺は素直に頷いた。
「女の子にこうしてもらうと、自分でやるより気持ちがいいでしょ?それに興奮してる方が、もっと気持ちよくなれるから」
 姉さんは俺の耳元で囁く。
 俺の股間に、とても熱いものが躰の奥底からこみ上げてきた。
「ひょっとして、もうイキそう?」
「う、うん……」
「ダメよ。まだイッちゃ」
 しかし姉さんは俺の耳元で悪魔の囁きを呟くと、フゥッと息を吹きかけてきた。
「あっ……」
「もしイッたら、まぁくんのこと嫌いになっちゃうぞ」
 姉さんは俺の耳たぶを軽くかじる。
「うっ……」
 俺のイチモツは、いつ爆発してもおかしくないほど、限界を迎えていた。
 それでも俺は必死で達しまいと、感情を抑制する。
「まぁくん、我慢は躰に毒よ?」
 姉さんは俺の首筋に唇を押し当てると傷口を舐めるかのように舌を這わせた。
「あっ……だ、ダメだって、姉さん……」
 姉さんの舌と唇の感触、手の刺激、それに背中からドキドキと高鳴って伝わってくる心音が、俺の最後の抵抗を取り除いていく。
「だ、ダメだよ姉さん!!それ以上やられたら、俺!!」
 俺の射精感が一気に高まっていった。
「しょうがないわね……」
 すると姉さんは、絶妙なタイミングで膨張しきった俺の肉棒から手を離した。
「ふぅ……」
 絶頂に達することなく姉さんの攻めを耐え切った俺は、不満と安堵の入り混じった溜息を漏らす。
 後もう少ししごかれていたら、間違いなく絶頂に達していた。
 そのギリギリのタイミングでやめた意図が、俺には理解できなかった。
「それじゃあまぁくん、降りて」
「う、うん」
 俺は言われるまま姉さんの太股から降りる。
 すると姉さんはそのままベッドに寝そべり、頬をほんのり上気させて、俺を見つめた。
「…………」
 俺は息を呑んで、姉さんの裸体をジッと見つめた。
 すぐにでも奪いたくなるような、微笑を浮かべた唇。
 触って、嘗め回したくなるような、瑞々しく艶かしい肢体。  貪りつき、顔を埋めたくなるような、たわわに実った乳房。
 ひょっとして、これらが全部俺の思い通りになるんじゃ……そう考えると、俺の気分がますます昂揚していく。


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