7月9日

 なんだか部屋の中が臭い。
 充分換気をしているはずなのになんでだろう?
 ……あっ、そっか。
 夕鈴ちゃんをお風呂に入れてあげるのを忘れていたんだった。
 でも、一階のお風呂に連れていくわけにもいかないし……
 体をふいてあげるくらいだったらできるかな?
 そうだよね。夕鈴ちゃんもきっとそうして欲しいはずだし。
 ボクは早速台所から蒸しタオルを持ってきた。
「お待たせ夕鈴ちゃん」
「……………………」
 相変わらず冷たい眼差しで夕鈴ちゃんはボクを睨む。
「ははは。つれないなぁ」
 ボクは笑いながら夕鈴ちゃんの服を脱がしにかかった。
「な、何をするんですか!?やめてください!!」
「大丈夫。ただ体を拭いてあげるだけだから」
「イヤ、イヤァァァッ!!」
 手錠でベッドに繋がれてる夕鈴ちゃんは、何故か必死に抵抗する。
「暴れるんじゃねえ!!」
 ボクはついカッとなって夕鈴ちゃんの首を絞めた。
「ううっ……」
 夕鈴ちゃんは苦しそうにうめき、そのうち動かなくなってしまった。
「ゆ、夕鈴ちゃん!?」
 ボクは慌てて、夕鈴ちゃんの胸に耳を当ててみる。
 ドクン、ドクン……
 かすかに聞える心音。
「よかったぁ……」
 僕はホッと胸をなでおろして夕鈴ちゃんを見た。
 そうだよね。やっぱりいきなり裸になるのは恥ずかしいよね。
 ボクは優しく夕鈴ちゃんの髪の毛だけを拭いてあげた。


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