7月1日

 今日から7月だ。
 ジメジメした雰囲気の6月とはおさらばできて、とってもうれしい。
 これからは暑い夏がやってくる。
 ボクと夕鈴ちゃんの仲も、きっと進展することだろう。
 最近夕鈴ちゃんなんとなく元気ないようだけど……
 そう言えばうちに来てもらってから夕鈴ちゃんに食事を与えてなかったような気がする。
 今度ボクが手作りの握り飯を持っていってあげよっと。
 きっと夕鈴ちゃん、喜んでくれるだろうなぁ……
 ボクは夕鈴ちゃんの笑顔を思い浮かべると、いてもたってもいられなくなって台所にいっておにぎりを二つ作った。
 形はへんてこだけど、きっと夕鈴ちゃん喜んでくれるはず。
 ボクは急いでそれを夕鈴ちゃんの元へ持っていった。
「夕鈴ちゃん、おはよ」
「………………」
「どうしたの?ごはんだよ?」
 夕鈴ちゃんにおにぎりをひとつ渡す。
 しかし彼女は、ボクからそれを受け取るとボクの顔に思いっきり投げつけた。
「!」
 ずしーんと重い衝撃が顔に走る。
「………………」
 夕鈴ちゃんの目は憎悪そのものだ。
「………………」
 バシッ!
 ボクは無言で彼女の頬を叩く。
「駄目だよ。食べ物粗末にしちゃ」
 ボクは悲しい目で彼女を見ながら部屋を出た。


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