久しぶりに雨が降った。
雨を眺めていると憂鬱な気分になる。
なんとなく、寂しい感覚に捕らわれるからだ。
そう言えばあの少女はどうしてるんだろう……
ボクはいつも公園のブランコで佇んでいる少女のことを思い出した。
やっぱりこんな雨の中、いつものようにいるのかな……
日に日に少女への思いは募っていく。
気になったボクは、傘をさしてその公園に向かった。
そして……
少女はいた。
ただひたすら一点を見ている。
いや、視点が定まっていないと表現するべきかな?
それに……泣いてるの?
雨かどうかはわからないけど、確かにボクには少女が泣いているように見えた。
風邪、引かないでね……
ボクは見ていられなく、黙ってその場を立ち去った。