6月22日

 公園に行くと、今日もあの少女がブランコに揺られていた。
 楽しい事を忘れてしまったかのようなどこか寂しげな表情、遥か遠くをみつめているような儚げな瞳、何かに脅え疲れきっているような仕種……
 何にそんなにおびえているんだろ?
 ボクでよかったら相談にのってあげたいな……
 でも、ボクには少女に声をかける勇気がなかった。
 ただ遠くから見つめるだけ。
「どうしたの?」
 その一言が言えない。
 ボクって弱虫だな……
 自己嫌悪に陥る。
 どうせボクは何もできない存在だ。
 ボクは後ろ髪引かれる思いで、そのまま家に帰った。


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