公園に行くと、今日もあの少女がブランコに揺られていた。
楽しい事を忘れてしまったかのようなどこか寂しげな表情、遥か遠くをみつめているような儚げな瞳、何かに脅え疲れきっているような仕種……
何にそんなにおびえているんだろ?
ボクでよかったら相談にのってあげたいな……
でも、ボクには少女に声をかける勇気がなかった。
ただ遠くから見つめるだけ。
「どうしたの?」
その一言が言えない。
ボクって弱虫だな……
自己嫌悪に陥る。
どうせボクは何もできない存在だ。
ボクは後ろ髪引かれる思いで、そのまま家に帰った。