4.温泉I
夕食を食べ、食休みも終えたシェラは露天風呂へとやってきた。楕円形のような形をした石造りで、赤く彩られた紅葉に囲まれている。
露天風呂からはもうもうと湯煙が立ち昇り、煌びやかに星が輝く夜空へと吸い込まれていく。
「それじゃあ、入ろっと」
シェラは右足を静かに湯船の中へと沈めた。
熱く痛みを伴うような刺激が右足に襲い掛かるが、すぐに慣れる。
そしてシェラは左足をいれると、足、腰、胸と、ゆっくりゆっくり身体を沈めていった。
肩まで浸かると、シェラは満足そうに空を見上げた。
満天の星空には、丸い満月がぽっかり浮かんでいる。
そのほのかな淡い月の光を受けた紅葉が、闇に儚く咲いている。
「ホント、イリスの言ってた通り綺麗だなぁ」
シェラは思わず、その光景に見入ってしまった。
以前シェラは自動販売機の光に照らされ、夜の街に咲く夜桜、というのを見たことがある。
あれは現代的な人工物と古代の天然物との調和が見事に融合した摩訶不思議な光景であったが、これもそれに負けないくらいの魅力を持っていた。
時折紅葉がハラリ、ハラリとその役目を終えて温泉の中へと落ちてくる。
「ふぅ、極楽極楽」
「随分とご満悦のようね」
「そりゃもう♪」
イリスの言葉に、シェラは軽く言葉を返す。
イリスは肩まで温泉に浸かると、シェラの隣で鼻歌を歌い始めた。
「ホント、極楽よね。ずっとこうしていたいわ」
「最近仕事ばっかだったからね」
「こうして温泉に浸かってると、疲れも取れるし、美容にもとってもいいから」
「美容、かぁ……」
シェラは自分の胸を見た。
温泉に浸かるだけで大きくなるほど都合のいいものではないが、それでも淡い期待を抱かずにはいられない。
「気になるの?」
「えっ?」
「心配いらないわよ。ぺったんこの方が好きだーって言う人だっているんだから」
「イリスはおっきいからわからないんだよ。ボクの悩みが」
「そんなにおっきくなりたいの?」
「うん」
「だったら、あたしがおっきくしてあげよっか?」
「えっ……ひゃ!!」
突然、イリスはシェラの背後から彼女の胸に手を回し、胸をもみしだき始めた。
「イ、イリス!?何するの!?」
「そんなの決まってるでしょ?あんたの胸おっきくしてあげてるの」
「ええっ!?」
「知ってる?こーやって胸を揉まれると、大きくなるのよ」
「だ、だからって、やめてよ!!」
「ふふっ……本当は気持ちいいくせに」
「そ、そんなこと!!」
「嘘言ってもだめよ?ほーら、こんなに乳首が固くなってきたじゃない」
「そ、それは……」
「乳首勃てちゃって……かわいい娘」
「あ、あん!耳に息吹きかけないでよぉ〜!!」
「それならこれは?」
「み、耳たぶもかじっちゃダメ!!」
「フフフ……」
イリスは小悪魔的な笑みを浮かべると、右手をするするとシェラの股間の方へと滑らせていき、優しく愛撫を始めた。
「ひゃん!!」
「どうしたの?」
「だ、ダメ……そこは……」
「どうして?」
「だ、だって……」
「嘘言ってもだめよ。身体は正直なんだから」
「そ、そんなこと……」
「こんなに濡らしちゃって……エッチな娘ね。シェラって」
「ち、違うもん!!それは温泉に入ってて……」
「あら?ここの温泉、こんなにねばっこかったかしら?」
「そ、それは……はぁ……」
「ようやく声が出始めたようね。いいのよ。無理しなくって」
「だ、だって、イリスの指が……」
「あたしの指が、どうかした?」
「はぁ、はぁ、お、お願い、イリス、もう、やめて……これ以上されたら……ボク……」
「言ったでしょ?無理に我慢することないのよ?」
「だ、ダメ……我慢……できない……ああっ……あああっ!!」
シェラは大きく身をのけぞらせた。
頭の中が真っ白になっていく。
(イッちゃった……女の子にこんなことされて……)
シェラの体中を、羞恥心と快感が駆け巡っていった。
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