2.宿泊部屋

 二人は無事旅館へたどり着くと、部屋へと案内された。

 そこは和室で、印刷の掛け軸と壺が飾られており、中央に置かれたテーブルにはお菓子が置かれている。

 部屋の奥にある障子を開けると、小さなテーブルを挟んで椅子が二つ置かれてあり、外の見事な紅葉をゆっくり眺められるようになっていた。

「うわぁ!キレ〜!!」

 シェラは思わず感嘆のため息を漏らした。

「見て見てイリス!!紅葉がとっても綺麗だよ!!」

「あー、そんなに騒がなくってもわかるから」

 イリスはそんなシェラを見て呆れながらため息をつく。

「ねえ、それよりもどこか出かけない?」

「どこかって?」

「観光よ観光。夕食までに時間あるし、どこかに出かけましょうよ。それとも、ここでずっとテレビでも見てるつもり?」

「それも……そうだね」

 シェラはイリスの申し出にコクンと頷く。

 実際、別所温泉はまわるところが多い。

 故に遠足や社会科見学のコースとして小中学校では定着していた。

「決まりね。ちゃんと鍵はフロントに預けとかなくちゃダメよ?後、貴重品もしっかりしまっておかないとね」

「わかってるよ」

 シェラとイリスは貴重品をしまうと、部屋を出て観光へと向かうのであった。



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