2.課題演習
構成は、基本の 起・承・転・結 にのっとる事とする。
当然、結 は、文字通り 結合 である。
BL道は、 ラスト数ページに濡れ場 を入れねばならない。
最重要課題といえよう。
そしてそこまでに、盛り上げ盛り上げ、意味もなく
ヤラねばっ!! ヤラレなければっ!!
と、思わせる過程、ソレが重要。
では、実際に、順序立て、セオリーに従い、設定を守り、実技演習を進めよう。
* 起 *
始まり、導入、すべてここより始まる。
一人の少年がアレヨアレヨと、心無い友人や職業的倫理に欠けた教師、
影の薄いってかそもそも 居ないんとチガウ? な、両親などの後押しを得て、
身も心もメロメロホモに成り下がる、素敵な始まり。
ソレが『起』である。
BLにおける『起』は、得てして主人公一人語り、基本は話し言葉。
文語表記は極力避けて、義務教育で習わない漢字ってのも、
まぁ使わないのが無難。 BLにひらがなは良く似合う。
ベラベラと夢見がち自分勝手に、自己紹介・舞台説明・語る語る、
ちったァ、黙れ・・・
で
なんとなく始まり、終わる。
課題A スウィ〜トBL
『天使のホリデイ』
私立海洋高校高等部、2−A 4限目、念仏みたいな数学の授業、僕はあくびを必死でこらえる。
五月の空、快晴の蒼、天使だってスキップしそうなこんな日なのに、コンクリートのお城にとらわれ、
教科書見るのはもったいなくない? 背が高くって、大学時代はモデルしてたって噂アリの
橋野先生は、気さくで良い先生だけど、どうにも授業下手すぎだよね。 そんなんだから、
ついつい眠くて、あぁ、良い気持ち、だって、窓際・・・
『こぉらっ!! 寝るな〜!』
『わっ! あ、あれ?』
やば〜い! つい、すぅ〜っと・・・ どうして僕って、こう、眠気に弱いかな。
『三崎〜、お前の寝顔は魅力的だが、授業中は、ちと、勘弁してくれ。』
苦笑いした、橋野先生。 ごめんなさい、気を付けているんですけど。
前の席、ニヤニヤ笑いの喜多見が、振り向いて、超接近!!
『オハヨウ眠り姫、王子のキスを差し上げましょうか?』
喜多見の指がツツツと顎の下、うわっ! くすぐったい! 思わず首をすくめたら、チュッて頬を・・・
『ば、馬鹿!! よせよっ!!』
『ハイハイ、そこのカップル、 いちゃつかない!!』
『いよっ! 御両人、見せつけんなよ〜う!!』
ゴチソウサマ、って人の悪いウィンクして、喜多見がピースする
クラスのみんなも、やんのやんので、やめてよ、先生まで全くもう。
僕、三崎コウは、シャム猫の美貌なんて言われてた、元ファッションモデルの母親譲りの女顔。
女の子には悪いけど、食べても鍛えてもたいして太んないし筋肉もつかないし、
おまけに色素薄いのか、よくハーフに間違えられる薄茶の髪に、白くて小作りな顔。
ここ、小中高と、女っ気無しの男子校では、良くも悪くも目立ってしまう。
すっかり皆のオモチャにされて!
だから、180越えた長身で、文武両道、いかにもオトコな喜多見なんかにからかわれても、
しょうがないなってもう、諦めムード。
その喜多見と去年、文化祭で僕は、なんとラブシーンをやってのけた。 劇は眠り姫。
フリだけ! って言ったのに、喜多見の奴ホントにキスして来るんだもん、観客は大受けだけど、
僕は、かなりブルー。 だってそうでしょ? ファーストキスだったのに。
以来、僕は、居眠り常習犯の眠り姫 などと呼ばれてる。 すっごい迷惑!!
そんな僕の学園生活、いつか彼女が出来たらば・・なんて望みもちょっぴり、賑やかにのんびりと
過ぎてく予定だった、そう、予定だった。 だけど、アイツが現れた。
アイツ、瀬野タクヤが現れて、僕の人生大きく変わる。 運命って、あるみたい。
**ポイント
マドンナ系主人公(受け)、一人称は、今時、高二、野郎だけど、僕が有効。
文化祭の女装&ラブシーン(キス必須) もはや掟。
教師も生徒も、公認のカップル(野郎同士で・・)これも掟。
BLではヴィジュアルが重視。
クドイと言われようがナルシーと言われようが、てめぇの美貌をしょっぱな語ってもらう。
そして、ラスト、これから登場する片割れ(攻め)を匂わせ、この段は終了。
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