今日も良い天気だなーっ。
なんて伸びをして、つい癖で頼久の姿を探す。
いるわけないか。昨日は怨霊騒ぎだかなんだかで、夜通し警護にあたってたらしーし‥‥本当、アイツっていつ寝てんだか。ったく、素っ気なく「心配無用だ」とか言う前に、心配させないような生活をしろってんだ。
「天、真‥‥‥‥」
そんなだから、低く聞こえた唸り声が自分の名前だとは、思ってもみなかった。
ただ何かの気配を感じて振り返る。
「頼久ぁ?」
ギョッとしたのは言うまでもない。
一昨日の晩、一緒に夜勤をやったよな?昨日は休めっても聞かないで、通常通り働いてたよな?その後で怨霊騒ぎだとか、いい加減にしろってくらいなのに。
「て‥‥ん、ま」
うわああああ。その、ゾンビみたいな歩き方やめろ〜〜っ。
ってゆーか目が尋常じゃねぇ。
突き飛ばそうにも、今の状態考えると振り払う気にもなんねぇけど、なんだ、なんなんだ、なにする気だ頼久ーっ。
身を固くして固まった俺に、頼久が覆い被さる。
そういう展開かよ‥‥っ。
一瞬、あらぬことを考えて、それはそれでもとかワケのワカンネー覚悟をした俺に、覆い被さった頼久は。
緊張の糸が切れたように、爆睡しやがった‥‥‥。
なんだコレ。何の冗談だってゆーか寝るなら布団で寝ろーっ!!
こんな重いの運べるかよっ。
語弊はあるが、すっかり押し倒された状態で、土の上に座り込む。
あ〜あ、ドロドロ。
あとで俺の着物、洗濯させてやるからな。
ブツブツと一人ごちながら、髪を梳いて疲れきった顔を見る。
こりゃ、ほとんど魂抜けてんな。
不憫なような気もしたけど、自業自得だ。
しかたねぇ。
俺の腕に辿り着いたことだけ、あとで褒めてやろ‥‥。