行くと決めたからには、一体何が起こっているのか確かめるまでは帰らないと決めた。
弁慶は腹を括って、文字通り闇雲に黒の中を歩きはじめた。


しばらく行くと、さっきまで無味無臭だった空間に、かすかににおいが混じり出す。
知ったにおいだ、でも闇の中だと刺激ばかりが強すぎて、なんのものなのか判別できない。
そのまま記憶を探りながら歩き続けると、今度は音が聞こえてきた。
それはすぐに分かった。
波の音だ。
さっきから漂っているのは潮の香りだったのか。
波の音は弁慶を呼ぶようで、沖の上をさまよっている気分になった。

けれど、今度は逆の方から鳥の声が聞こえる。
あれは山の梟。
海と山といえば、真っ先に思いついたのは熊野だったけれど……、そう思うのは安易だろうか?


弁慶は少しだけ迷った、迷った後に、

A 海の方へ向かうことにした
B 山の方へ行ってみることにした