こないだスルガ銀行チャンピオンシップにキトが来日したので、キト仲間の廻さんと一緒に行って参りました!わたしは知らないカップ戦だったのですが、ヤマザキナビスコカップとコパ・スダメリカーナの優勝チームの対戦だそうで、今年で3回目だそうです。優勝して再び来日してくれたキトに感謝すると共に、じゃあ毎年どっかの南米のクラブチームが来日してくれるんだ!と思うと何だか嬉しいです。
キトには2年前のクラブワールドカップで惚れたのですが、マンソ、ビエレルら前線の選手は入れ替わっているものの、GKのホセ・セバージョス、DFのN・アラウーホ、中盤の底のウルティアら守備の中心メンバーはかなり残っている模様。みんなとまた会えるかな!攻撃陣とか新しい選手達はどうなんだろう!って楽しみに観に行きました。
当日は締日で普通だったら試合に間に合う時間には上がれないのですが、事情を話したら上司が超頑張って仕事を進めてくれ、開門に間に合うと言う何とも有難いことになりました。この試合バックスタンドが広々と自由席だったのですが、バックスタンド中央にはFC東京サポーターの鳴り物が置いてあったので、ちょっとずれてバックスタンドのキト側、ゴールとハーフラインの中間くらいに陣取りました。試合始まってみたらここがすごくいい席だったんですよ!仕事を早く進めてくれた上司に心から感謝です。
スタジアムのゲート外にはスルガ銀行杯とFC東京、キトのユニフォームが展示してあり、特にキトのユニフォームには皆様のサインが入っていて、大喜びで見て来ました。陽射しがきつかったので写真はどうしても影になるところが出て上手く撮れてませんが、ホセ・セバージョスやウルティア、レアスコらのサインが見て取れて、この写真宝物です!
廻さんと一番楽しみにしてたのは、クラブワールドカップでマンUのシュートをルーニーの一本除いて止めまくったホセ・セバージョスだったのですが、もう40近いし、スタメンじゃないかもしれないねー、とは言ってました。そしたら試合前のアップで出て来たGKは違う子で、あーやっぱりスタメンじゃなかったのか、でもどんな子か楽しみだな、と思って見てたら、なんかホセが居たんですよ!なんだかやけに透けて脇もがばっと開いてるすごいタンクトップに金のネックレス、トレードマークの野球帽、1番の番号が入ったハーフパンツに靴下を下げた、もし街にこんな人が歩いてたら物凄く怪しい格好でトレーナーとGKの子が真剣にアップする様子を、自分はアップする気かけらもなくボール抱えたりしながらウロウロして見てました。そしてホセの着ているタンクトップがあまりにも透けてて気になってたら、フィールドプレーヤーのアップ見てたらなんとそれはタンクトップではなく普通ユニの上に着るビブスだと分かり、「ホセ、そんなに暑いんか…!」そうだよね、向こうは真冬だもんね…。あと練習後ボールのお片付けとかもしてて、でも袋に入れたボールがことごとく転がり出たりしてて、何とも微笑ましいと言うか…。
この試合パンフはなかったのですが、入場時にA4の冊子状のものが配られました。もっと選手のインタビューとか見たかったんで残念ですが、それでも有難い情報がいろいろと。それで見たらキトはリベルタドーレス優勝時のバウサ監督が復帰したんですねー。彼エクアドルではかなり愛されてるんじゃないかと思いました。しかしクラブワールドカップのキトについて「魅力あふれる攻撃的サッカーを披露した」と書くのはやめていただきたい。正しくは「魅力あふれる守備的サッカーを披露した」だと思います(笑)。
キックオフには廻さんも間に合い、あのホセのすごいお姿をお見せしたかったよ~とか言っていたら、ホセそのまんまの格好でベンチに入った(爆笑)!ちょっとユニくらい着ようよ!試合に出る気ゼロ(笑)!しかもすんごく行儀悪い。キーパーだから腰痛めちゃまずいだろうに(笑)。でもなんかホセのその後が分かったと言うか、今は半分コーチみたいなもんでやってるんだろうなーと思いました。引退してもそのままGKコーチで残りそう。
キトは予想以上に中心メンバーが残ってました。GKは23歳のドミンゲス君に代わっていましたけど、纏め髪アラウーホは最終ラインに残っていて、ウルティアもかわいらしく中盤の底に、他も聞いた名前がゴロゴロ。しかしパンフに書いてある年齢がすごい…軒並み30歳越え(笑)。デラクルスなんか元々アストン・ヴィラに居た選手だそうで、たぶん海外でプレーして、最後に地元でプレーしたいって言うエクアドルの選手が多いんだろうなと思います。
しかしキトの謎の攻撃力と謎の守備力は健在であった…。コイントスでピッチが入れ替わって、キトゴールが前半で向こう側になったのですが、東京がいいかんじにパスを回して攻めているのですが、何故か最終ラインのところでクリアされる。後半こっち側になって分かったのですが、もうキトの高齢ディフェンス陣はスピードじゃ全然東京の選手について来られていないんですよ。空気のようにスカスカ抜かれて行くんですが、でも経験と読みで最後のところでカットしている、そんなかんじでした。アラウーホ落ち着き払ってるよ…。東京の選手もどうして攻撃がクリアされるか良く分からかったのではないでしょうか。
攻撃の方ですが、マンソが居た頃とは全然違うのですが、センターFWのバルコスがポストプレーも出来て足元も上手い選手で、あーキトは前の3人はアルゼンチン人連れて来て好きにやらせる方針なんだろうなと思いました。クラブW杯の時、7番のルイス・ボラーニョスがウイングをやってたのですが、この試合ボラーニョスはトップ下でプレー。ルイスコンバートされたんだ!って言ってたら、ボラーニョス違いの20歳の選手だったんですな…。
キトの1点目は素晴らしかったです。2人のディフェンダーが居たんですけど、バルコスが切り返し一つでフリーになってゴール。クラブW杯の頃のキトはキトの愉快な仲間達withマンソってかんじで、マンソが正統派のファンタジスタだったので何となくノスタルジックな感じがあったのですが、今回のキトは全然そんなかんじじゃないのですが、でもちゃんと可能性を感じる前の3人でした。より力強く堅実な印象になったかな。
GKのドミンゲスは期待して観てたんですが、あまり良くなかったです。東京の1点目は彼のミスなんですが、ミスは仕方ないけど他のところでもあまり伸びしろを感じないと言うか…。なんかクラブワールドカップの頃のキトが取り敢えずホセに止めさせておけみたいなかんじだったのに比べるとずいぶん違う。エクアドルは高地で空気が薄くてボールが変化するので、名キーパーの産地だとわたしは思っているのですが、ドミンゲス君がキト自慢のGKになってくれるためには相当成長してくれないとな、と思いました。あとゴールキックがラインを割る(笑)そんなとこホセを真似しなくていいから(笑)まあでもついにディフェンダーがゴールキックしていたあの時のホセよりはまだいいのかなと…。そして前半ドミンゲス君が痛むシーンがあったのですが、ホセベンチでくつろいだまま(笑)ちょっとアップとかしないの!結局怪我は大丈夫だったんですが、でも何かあったからか、ホセは後半2年前と同じあの緑のユニを着て出て来てくれました。それが見られただけでもう…!でも前半と同じように超行儀悪くベンチでくつろいでるんですけど(笑)もちろん試合は観てたんですが、でも我々双眼鏡でホセの様子を覗くことにも夢中でした…。ホセもまさかベンチの自分をガン見している日本女子が居るとは思っていなかったろうて…。ゴールシーンとかはベンチから出て来て喜んでいて、あーキト愛には溢れてるんだなあと思いました。
そしてキト後半のセットプレーでPKを得て、それをウルティアが決めてまさかの勝ち越し。それからのキトの守備は本当に見応えがありました。向こう側に居た時は中盤が空気のようにスカスカに見えましたが、こっちに来るとウルティアとかけっこうガツガツ行ってるのね。でも何と言うか、守備は堅くてもワールドカップで見たチリとかウルグアイとはまた違う意味の堅さだなーと思いました。ウルグアイとかボールへの執着心が凄くてものすごくガツガツ行くイメージだけど、キトは読みとポジショニングで守ってた印象です。なんかディフェンスラインはテレパシーでも通じてるのか!?って思いました。監督が教え込んだにしろ、ディフェンスの選手が元々持ってる能力にしろ、凄いわ。
謎の守備力でうっかり勝てそうになっていたキトですが、ロスタイムに最後の最後で守備にミスが出て同点に追いつかれてしまいました。しかし良いことなのか悪いことなのか分かりませんが、南米のチームって1点リードしているだけで守りに入り、うっかり勝てそうになるのが凄いよなあ…。勝ち越してからは攻める気ゼロ(笑)。しかし同点に追いつかれたらまた攻め始める…韓国戦のウルグアイ思い出しましたよ。選手交代が5人くらい許されてたみたいで、後半は東京もキトもどんどん交代してました。ララとか頑張ってたなあ!
結局PK戦でキトは負けてしまったのですが、でもすごく面白かったし、東京も良かったから残念だけど納得の敗戦ではあります。大ブーイングの中カップを掲げるキトを見たかった気もしますが(笑)、東京おめでとう!
PK戦前のホセがドミンゲス君にいろいろ言ってて観察するのが面白かったです。PK戦だけでもPKストッパーホセが出てくれても良かった気もしますが。しかしPK戦が終わった後も帰り難いようでいつまでもウロウロしていたホセが何とも言えませんでした。
キトもおもろかったけど東京も良かったですよ!ウイングの石川君はなんだかマリノス時代より切れ味鋭くなっているかんじだったし!ボールを回して攻める東京、守ってカウンターのキト、って図式だったので、昔は東京守ってカウンターのチームだったけど、力関係的にそうなったのかな?ってFC東京サポの友人に訊いてみたら、3年前に城福監督になってからポゼッションのサッカーに変わったそうで。いいかんじのチームになって来てるな!って思いました。パスとかワンツーとかいいですよね。一対一にも挑んでたし。さすがに南米の選手はあまり抜けていなかったけど、でもJリーグでどんどん挑戦して強くなって欲しいと思いました。
ビエレルがエクアドルに帰化したとか、アンブロッシがキトに復帰したとか、(来日には登録が間に合わなかったそうですが)いろいろいい話もあるみたいで…!あーやっぱりエクアドルのサッカーも好きだ!本当にエクアドルとウルグアイが同時にワールドカップに出てはくれないものでしょうか…!でも本当に来てくれて嬉しかったんで、見事スダメリカーナで優勝して来日してくれたキトに感謝です。