アッシュフォード学園のクラブハウスの自分の部屋に逃げ込んだ俺は、そのまま援軍の見込めない籠城戦に移行してしまった。
しまったと過去形で言わないとならないが、突発的に起こったこと対処ができなかったのだ。
部屋の外から俺を呼ぶ声と共に、ドアを叩く音も聞こえる。
----何故だ?!何故こんな状況になる?!----
俺は、現在の-----この状況をそう呪う。
呪う対象は、もちろん神だ。
いや、父の皇帝や兄弟達、それに従う貴族達も含めて改めて呪う。
父や一部の兄弟達を呪う理由はないが、この際勢いで呪わせていただこう。
しかし、3時間前までは生徒会の仕事をしていただけなのに。
(何故、こんな状況に追い込まれたのだ?!)
現在の俺、ルルーシュ・ランペルージ(ヴィ・ブリタニア)は今何故か、絶体絶命の危機状態に追い込まれていた。
ルルーシュくん、不幸?! @
write by 蒼來(ソウライ)
外の喧騒を余所に、俺は今日までの出来事を改めて思い返す。
まずは・・・今居る日本に来ることになった出来事からだ。
数年前俺の母マリアンヌが突然奇病にかかり、それが伝染するかもしれないと解ったからだ。
俺とナナリーは伝染させない為、一時母の側から離れなければならなくなった。
結果的には約半年後、母は完全回復したのだが。
しかし、其の時は何時母が回復するか判らず、下手をすると・・・という状況だった。
それならば、他の皇族や貴族の家に・・・やっかいになることはできなかった。
何故なら皇位継承者争いに巻き込まれることが確実で、自分たちの命の保障がないからだ。
もちろん、第二皇子や第二・第三皇女みたいにマシな人たちも居るのだが、周りが信用・信頼できない。
後は母マリアンヌの後ろ盾:アッシュフォード家ぐらいしか頼れるとこがないのだが・・・父(皇帝)がこの件で動いた。
「ルルーシュとナナリーは避難の為、一時日本に行ってもらう。表向きは親善大使としてだ。」
いきなり皇宮の謁見の間で、そう言われてしまった。
あの若○ヴォイスで。
「日本の枢木には、すでに話をつけてある。マリアンヌが回復するまでそこで難を逃れよ。」
そういうことか。
確かに父上と枢木首相は、何故か仲が良い。
前に母上から聞いた話だと、二人は何かの格闘技の兄弟弟子らしい。
父上が半年ほど日本に滞在していた時に、学んだ流派で一緒だったらしい。
・・・忙しいはずの父が、半年も日本に居たのか謎だが。
・・・其の話をしている母上は、極上とも言える穏やかな笑みを浮かべていた。
後で考えたら、其の時の母上の目は笑ってなかったが。
「解りました、私達は母マリアンヌが回復するまで日本の枢木首相のやっかいになりましょう。」
「うむ。あちらにはお前とナナリーの婚約者も居るから、親交を深めて来い。」
「はい、承・・・・はぁ?!」
・・・婚約者だと?!ナナリーに婚約者だと?!!
「どうした、ルルーシュ?」
「・・・・・父上」
「うむ、如何した?」
「今、婚約者が居るといいましたか?」
「うむ・・・いっ、言ったが?」
俺の雰囲気がおかしいと気づいたのか、どもりながら聞き返す父上。
その父上を睨みながら、俺は一気に喋りだした。
「言ったがではありません、父上!!俺はともかく、ナナリーに婚約者なんかが居るとは初耳です!!まだナナリーは幼い身で、何故もう人生の伴侶が決まっているのですか?!!納得いく答えを頂きたい!!」
「いや・・・まあ枢木と飲んだ時に、そういう話になって・・・・」
「なんでそんな話になるのですか!!」
「いやなんでとか言われると・・・その場の酔いに任せた勢いと言うか・・・」
後でミレイに聞いたとこによると、この時その場に居た皇族や貴族達は目を真ん丸にして驚いて呆然としていたという。
そんなことは全く眼中に無く、ただ父を問い詰めていた。
「その場の酔った勢い?!よくそんなことでナナリーの婚約者を決めましたね?!本人の同意も得ずに!!」
「あうあうあうあうあうあうあうあうあう」
「何、呼吸困難な患者みたいなことしてるのですか!!今すぐここで日本の枢木首相に電話して、ナナリーの婚約話を破棄してください!!さあ、さあさあさあさあさあさあ!!!」
なにか変なのが取憑いてるのではないか?という位の勢いで、父上に迫る。
「こ、これはマリアンヌも大賛成したのだ!!」
「何を言うかと思えば、でまかせを・・・・」
「嘘ではない!!何故ならマリアンヌも其の時、其の場所に居たからだ!!」
「母上も?!!」
母上が承知した婚約者・・・内心は悔しいのだがあの母上のことだ。可也の良い婚約者(良縁)に違いない。
「・・・解りました、母上が賛成なら従います。」
「う、うむでは早速準備に取り掛かれ。日本に行ったら枢木によろしくな。」
「承知しました。」
このような経緯で、日本に来ることになったのである。
ちなみに貴族や皇族の驚きを、ミレイにから聞いた時
「ルルーシュ様は、ミレイを捨てて他の婚約者をお選びになるの?
シスコンにマザコンだし・・・ミレイのことなんかどうでもいいんだ。」
と泣きながら言われ(小さく何か言った気もするが、聞こえなかった)
「お兄様!!ミレイさんに謝ってください!!」
とナナリーに怒られて、二人をなだめるのに非常に苦労した。
この時、この先更に苦労するとは全く思わなかったが。
つづく
おまけ
某皇帝と某首相の電話のやり取り
「そういうことで、ルルーシュとナナリーをそちらで預かって欲しいのだ。」
「ああ、でもいいのか?マリアンヌ殿が病気なら、ルルーシュ君達が離れるのはまずくないか?」
「構わん、なにせこれはマリアンヌの指示だからな。」
「はあ?ということはマリアンヌ殿の病気というのは・・・」
「ああ、嘘だ。仮病だよ、枢木。」
「はあ、やはりか。・・・相変わらず頭上がらずに、尻にひかれてるのか・・・・」
「う、うるさい!!というかお前もそうだろうが!」
「・・・まあな、人のこと言えんか。」
「なんで頭上がらないんだろうか・・・」
「惚れた弱みというか・・・浮気ばかりするからじゃあないか?」
「いや皇帝たるもの子供は沢山居なければ!!」
「日本じゃあ考えられないなあ・・・一夫多妻制というのは。でも浮気がばれて、マリアンヌ殿から逃げる為に日本までくるとはな・・・結局、マリアンヌ殿に捕まっておし置きうけてたが。」
「いや、頼むからそれを言わないでくれ。あの時のトラウマが甦るから・・・。しかし日本に行ったからこそ師匠や兄弟子、それにお前と会えたのだからな。悪いことばかりではない。」
「ああ、そうだな。で、今回のルルーシュ君とナナリーちゃんの来日の狙いは?」
「お前のとこのスザク君と神楽耶ちゃんとの顔見世だな、今回は。」
「そうか、まあこのまま事が上手く運ぶとは思えんが、あのときの約束の第一歩か。」
「ああ、マリアンヌとお前の奥方の夢の第一歩がな。」
「俺らの夢でもあるだろうに、ルイツ。」
「確かに。ただ、ルルーシュには他にも婚約者が居たしな・・・まあ、あの娘は側室とすればいいが。それとこれは勘なのだが、まだまだあいつを好きになりそうな娘が増えそうな気がするのだ。」
「おいおい、うちの神楽耶以外の娘を一人ルルーシュ君に嫁がせるのは知ってたが、まだ増えるのか?!」
「そんな気がするのだ。まあ神楽耶ちゃんが正妻なのは決まってるがな。」
「まったく、頼むぞ。これ以上そういうの増えたら、俺達の血筋の孫を抱く俺達の計画がおじゃんになるぞ?」
「まあ、その辺は何とかしよう。マリアンヌ達の出方次第かも知れぬが。」
「それはそれで不安だな。」
「まあ、その時対応するしかないだろう。」
「まあ、そうだな。では、いつものをやって電話を切るか。」
「ああ、そうしよう。しかし今度は直接会ってやりたいな。」
「同感だ。」
「では行くぞ!!」
「おう!!」
「流派!東方不敗は!」
「王者の風よ!」
「全新!系列!」
「天破侠乱!」
「「見よ!東方は赤く燃えているぅ!!」」
あとがき
やってもうた・・・・_| ̄|○、
あ、ちなみにおまけの師匠と兄弟子は某ガンダムのあの二人です。
・・・相変わらず乱文乱筆だなあ(−−;
