ハイランド軍野営地の中で一番大きな天幕へとニーナに案内され、は少し緊張しながら天幕の入り口をくぐる。
天幕の中には中央にウェインが鎮座し、それを囲むように老神官ノルン、騎士ソマリオン、従者リンクが立ち、少し離れてはいるが彼らと向かい合うようにヒックスが居た。
天幕の奥へと進むニーナに続き、は促されるままウェインの前へと進み出る。
「ウェイン様、さんをお連れしました」
からは背を向けられているため判らないが、きっと極上の微笑みを浮かべているのであろうニーナに答え、ウェインは視線をへと向けた。
「お疲れ様。
君のおかげで、随分早く兵達の治癒が終わったそうだね」
「いえ、わたしはそんなに……。
素人が横から手をだして、かえって邪魔をしてしまったのではないかと……」
緋色の目を細めて穏やかな微笑みを浮かべたウェインに、は言葉を濁す。
『プレイヤー』としては『影が薄い』だとか、『いかにも主人公で面白みがない』だとか、『無個性が個性』等とつい軽んじてしまう『ウェイン』ではあったが。
こうして『王』と『民』として対峙してみると、やはり違う。
何か特別な力があるようには見えないのだが、確かに感じる迫力に思わず緊張する。
これが『王』の器を持つ者と、持たざる者の差かと、内心でため息をはいた。
「君がなぜ戦場に飛び込んできたかは、彼から聞いたよ」
促すようにヒックスを見るウェインに、はつられて視線を移す。
よりも先に天幕へ呼ばれ、ウェインと話をする機会に恵まれたヒックスは、これまでにが見たこともないような神妙な顔つきをしていた。
「それで、君の旅はハイランドを目指していたようだけど……
その理由を、『君の口から』聞かせてくれるかい?」
「え?」
お互いに視線をヒックスから戻し、見詰め合う。
ヒックスから聞いたのでは? と微かに首を傾げたに、ウェインは微笑みを隠す。
確かに、事情はヒックスから聞いた。が、やはり本人の口から聞かなければ意味がない。
「彼からも聞いたけど、改めて君の口からも聞いておきたいんだ」
「あ……」
どうやらがヒックスを置いて治癒を行っている間に、あらかたの事情はヒックスが説明してくれていたらしい。
ただその内容から、『決意表明』の意味を込めて、ウェインは『に』語らせたいのだろう。
まっすぐに自分を見つめてくるウェインに、は目を閉じて深呼吸を繰り返す。
自分が言おうとしている言葉の重要性は、ヒックスに教えられている。
本来ならば『異邦人』であるは、口を出してはいけない問題でもあった。
でも、黙ってはいられない。いたくない。
ネノフとヒックスに背中を押されるまま、ここまで着てしまったのだから。
は最後にもう一度深く息を吸い込むと、ゆっくりと目を開く。
じっとウェインの緋色の瞳を見据え、『選択』した。
の望みは、イグラシオの安寧。
荒れるトランバン領内に、イグラシオが心を痛めていることは知っていた。
個人としては、孤児院での暮らしには満足している。あそこでは満腹とはいえないが食事も取れていたし、寝る場所も新しい家族もいた。
が、他の人間はそうではない。
領主に吊り上げられた税金が払えず家を奪われた者、食い扶持を減らすために捨てられる子どもがいる。中にはミューのように孤児院へと預けられる例もあるだろうが、彼らとて本当は産みの両親と別れたくはなかったはずだ。
そして、一番避けたい例は――――――イオタとデルタだ。
彼らの両親はすでにこの世にはいない。
デルタの言うことには無理心中だったらしい。兄弟がベッドに入った後、寝静まるのを待った母親が子ども部屋へと侵入してデルタの喉を切り、次にイオタを手にかけた。母親は最初に傷つけたデルタでは躊躇い、2回目のイオタには迷いが消えていたらしい。その時の影響だろう。デルタは傷が治癒した後は普通に話せているが、おそらくイオタは一生声が出せない。イオタの喉を切った後、自分の胸へとナイフを突き立てた母親からイオタを奪い、家を飛び出し、デルタはイグラシオに拾われた。イグラシオに預けられた場所で適切な処置を受けられた為、イオタとデルタは今も生きている。両親は、イグラシオが家へ行った時には事切れていた。
イグラシオのおかげでイオタは生きている。ネノフにも感謝していると言うデルタは、孤児達から『ママ』と呼ばれるには母親への怨嗟を吐いた。
その小さな体に秘めた大きな嘆きに、逆にデルタがどれほど両親を愛していたのかが解る。
イオタが自分にすぐに懐いたのも、デルタの黒髪から察するに母親とは特徴が重なるのだろう。傷つけられた当初眠っていたイオタには、母親が自分に凶刃を向けた記憶はない。ただ覚えのないままに母親から引き離されて、特徴の似たに母を重ねて甘えていたのだ。
孤児院を出る際に見せたデルタの翡翠の瞳が忘れられない。
訳のわからぬままビータを慰めていたイオタのきょとんっと瞬いた顔が忘れられない。
これ以上領主を放置してイグラシオを苦しめ、デルタやイオタのような子ども達が増えるのは、嫌だった。
ハイランド領へと向かう旅の途中、立ち寄った村では見た。
一日二食の食事すら取れていない者が多く、飢えた子どもも多い。
それらを改めて目の当たりにし、自分が甘えていた。甘えを許される幸運な場所に預けられたのだ、と再確認もした。
イグラシオと子ども達を想い、はそっと目を伏せる。
自身の行いを振り返ることは大切だが、それは今するべきことではない。
今がすべきことは、トランバンまでウェインを『動かす』ことだ。
「……我が自治領トランバンは、領主ボルガノの圧政により、
市民は家を失い、職を失い、街には飢えた子どもが溢れております」
たっぷりと間をおいて、はようやく言葉を口にのせる。
「最近では個々の村で暴動を起こし、
領主の圧政に異を唱え始めてはいますが……」
続けるはずの言葉を、は一瞬だけ言い淀んだ。が、すぐにウェインの目を見つめて続ける。
「領主の『護衛隊』に阻まれ、それらの全ては失敗に終わっています」
領主の一方的な搾取に農民ですらも飢え、中心地であるトランバンの街は盗賊が跋扈する無法地帯と化している。
自治領トランバンは、少しずつではあるが確実に内部から腐り始めていた。
飢えた農民と職を失った市民は、ある者はトランバンから逃げ出し、またある者は領主へと反旗を翻す。このままの状態が続けば、いずれトランバン領内からは領民がいなくなってしまうだろう。領民のいなくなった領地には、さすがの領主も生きてはいけない。税金を搾取する相手そのものがいないのだから。そして、領主のいなくなった領地など、他国からの侵略を待つだけの『土地』だ。
切々とトランバンの現状を語るが、一瞬だけ『護衛隊』という単語に緊張をみせた。
それに気がついたが、ウェインは気づかない振りをしての口から聞こえる言葉に耳を澄ませる。
時々揺れる瞳に、にまだ迷いがあることが判った。それは『自分が何を言おうとしているのか』を理解している証拠だ。
「……個々に力だけでは、ダメなんです」
わずかに躊躇いは口を閉ざすが、迷いながらも口を開く。
「どうか、お力をお貸し下さい。『ハイランド王』」
『ウェイン』ではなく、『ハイランドの王』には願う。
「……それは、『ハイランドに』ボルガノを討って欲しい、という事かい?」
「はい」
緋色の瞳に射竦められながらも、はそれを真っ向から受ける。
今目を逸らしてはいけない。
それが戦う力を持たないにできる、唯一示すことのできる『誠意』だった。
「軍を率いてトランバンを攻めるとなると、
トランバンの市民にも、ハイランドの兵にも『犠牲』が出る」
「はい」
そして、それを『引き起こそう』としているのは自身だ。たとえ遅かれ早かれ『そうなる筋書き』であったとしても、今それを引き起こそうとしているのは自分だとは受け入れる。
おそらくは、が『それ』を誰かに押し付けようとしたら、『ハイランド王』は動いてはくれない。
「そして、トランバンは自治領だ。
その領主を玉座から引き摺り下ろすために他国の力を借りる。
……その意味も、君は解って言っているのかい?」
「……その後のことは、ウェイン様に全てお任せいたします」
一国の力を借りての領主討伐。
それはつまり、理由はどうあれ対外的には『ハイランド王国によるトランバン侵略』に他ならない。
はウェインに、侵略者の汚名を着せ、兵と市民の尊い命を犠牲にしろと『願って』いるのだ。その報酬として『ハイランド王』に与えられる物は、領地としてのトランバン『しか』ない。
「トランバンがハイランド王国に吸収されようが、
属国として扱われようが……全てウェイン様に……」
「……それで、いいんだな? お嬢ちゃん」
少しだけ遠慮がちに聞こえるヒックスの声に、は振り返らないまま小さく頷いて答える。
ヒックスの確認事項は、ウェインの物とは少し意味が違う。
ウェインへの領主を討てという依頼は、つまりその護衛を勤めるイグラシオを討てと言っているに等しい。
「市民の……子ども達の生活を守れるのなら、
どの国が支配者であっても構いません」
「あたしも同じ意見だよ」
不意に聞こえた『この場にはいないはずの声』に、は瞬く。それから声のした方向へと顔を向けると、天幕の入り口に『捕縛されているはず』のヒルダが立っていた。
「おまえはっ!」
腰の剣に手を添え、今にも鞘から抜き出さんと構えるソマリオンとリンクを、ウェインが片手を挙げて制する。
見事に王に御された番犬2匹に、ヒルダは堂々と天幕の中央へと進み出た。
「あたしら一般市民にしてみりゃ、上の人間がどこの国であったって関係ない。
毎日を汗水たらして働いて、日々の糧を得ながら生きるだけさ」
「……為政者選びは重要な課題だ。
万が一、僕がボルガノのような圧政を布いたら、どうするつもりだい?」
静かなウェインの言葉に、ヒルダはすっと緋色の目を細める。
勝手な話だが、相手を試すのは好きだが、相手に試されるのは好きではない。
ロック以外の仲間達の治癒までしてくれたの顔を立てて大人しくしているつもりであったが、相手が自分を試すのならば、こちらも――――――とヒルダが隠し持つナイフに手を伸ばすと、その隣でがきっぱりと言い捨てた。
「それは、ありません」
迷いなく綺麗にそう答えたに、ウェインとヒルダは揃って瞬く。
二人どころか、その場全員の視線を集めながらも、は臆することなく続けた。
「……本当は、ハイランド王の人柄を確認した後で、
このお話をするつもりでした」
本来の『本当』は、『ハイランド付近まで行って、王が誰か、いつ頃トランバンへ着そうか』を『確認』したかっただけなのだが。
予想外に首尾良くウェインで出会えてしまい、この機会を逃してなる物かとなし崩し的に全てを話してしまっていた。
「ウェイン様は、『戦いをやめろ』という旅人の言葉に耳を傾けてくださいました。
そんな方が、ボルガノ以上の圧政を布くはずがありません」
本当は、『ゲームをやったから』ウェインの人となりを知っているのだが。
そんな事を、今この場でバラす必要はない。
先程まではまだ迷いを見せていた娘に、自分の『人柄』についてはきっぱりと太鼓判を押されてしまった。
ウェインにはそれがほんの少し照れくさい。が、『民』に寄せられた全幅の信頼には、つい応えたくなってしまう。
それでなくともトランバンの実情を聞いてしまえば――――――『侵略戦争』のための行軍ではなかったが、放っておくこともできない。
まだ見ぬトランバンの民とハイランドの兵を想い、ウェインは眉をひそめる。
ハイランドへトランバンを『差し出す』事について、は十分に理解していた。が、一つだけの話には引っかかる箇所がある。
「……護衛隊というのは?」
先ほど僅かにが緊張を見せた単語を挙げて、ウェインはに問う。
聞かれたくない話題であったのか、は一度俯くが、すぐにウェインの問いに答えようと口を開き、その言葉をヒルダが遮った。
「閃光騎士団っていう、ボルガノの犬どもさ。
やつらがいるせいで、市民がどんなに力を合わせようと
ボルガノまで届きやしない」
代わりに答えたヒルダに、はそっと目を伏せる。
居た堪れなさそうに俯くに、ウェインは何かあると悟った。
「ボルガノを討つには、その閃光騎士団を倒さなければならないようだけど、
……君はそれでいいのかい?」
「……全て、ウェイン様に……」
お任せします、と続けようとしたの言葉を、ヒックスが遮った。
「お嬢ちゃん!?」
ヒックスとしては、はトランバンの命運をハイランドに任せようとも、イグラシオの命乞いだけはするものと思っていたのだが。はあっさりと任せた。ハイランドという国の若き王に、イグラシオの命までも。
「ちょっと待て、お嬢ちゃん!
お嬢ちゃんはそれでいいのかっ!?
いくらなんでも、団長の命までハイランドに任せんのか!?」
「……団長?」
それまでは大人しく事態を見守っていたヒックスの言葉に、ウェインは眉をひそめる。
ようやく『護衛隊』という単語にが緊張を見せた理由が解った気がした。
つまりは、という女性と『団長』と呼ばれる人物には、なんらかの関わりがあるのだろう、と。
「閃光騎士団を預かる、イグラシオという男です」
僅かに語尾の上がったウェインに、ヒックスは答える。
閃光騎士団としてのイグラシオならば、に語らせるよりも自分が語った方が詳しい。
「どんな人物なんだい?」
「……勇気があって、義に厚い……
騎士の中の騎士とは、ああいう男を言うんでしょうね」
ボルガノの支配に我慢ができず、騎士団を辞してはしまったが。
ヒックスにも多少ではあったが、イグラシオへの憧れはある。エンドリューのように解りやすい好意ではなかったが、イグラシオの元でなら騎士として仕えたいとすら思っていた。
「そんな男が、なぜボルガノのような領主に……?」
ヒックスの評価は主観を大いに含むものであったとしても、騎士として申し分ない。その騎士の中の騎士と称された男が、なぜ市民に圧政を布き、子どもを飢えさせるような領主に仕えているのか、とウェインは首を傾げる。
その疑問に答えたのは、だった。
「あの方は……、騎士道を重んじるあまりに人道を見失っています。
それが間違っていると、ご自身でも薄々気がついているのか、長く悩んでおられました。
ですが、やはり自分ではどうしようもないらしく……
圧政に苦しむ市民ではなく、市民から搾り取った税金で贅沢に暮らす領主を守っています」
誰かが……と言葉を区切り、は深呼吸をした。
この先は、イグラシオ本人にが伝えたい言葉でもある。
「誰かが『それはおかしい』って、教えてあげないと……」
「お嬢ちゃんが言えばいい!
お嬢ちゃんが言えば、団長だって……」
耳を傾けるはずだ。
頑固なイグラシオを動かせるはずだ、と口を開くヒックスに、は視線を移して苦笑する。
「イグラシオさんは、わたしには何も話してくれません」
あの寒い雨の日。
深夜にも関わらず孤児院を訪れたイグラシオは、とても疲れた表情をしていたが、を気遣うだけで自分のことは一言も話さなかった。
はイグラシオに『関わること』を『許されてはいない』。
それが少しだけ寂しく、悔しい。
だがそれは、お互い様だ。とて、イグラシオに『関わること』を『許してはいない』。未だに自分の出自について、誤解が解けるまでじっくりと話せていないのも、そのためだ。『拒絶されるのが怖い』のではなく、イグラシオに対して『深入りする』こと、自分に対して『深入りされる』ことを恐れていた。
「ヒルダさんに聞くまで、わたし……
イグラシオさんがトランバンで何をしているのかすら知らなかった」
関わることを許されていないに、イグラシオに対してできることは少ない。
そして、騎士として悩むイグラシオに向き合ってやれるのは、同じ騎士だけだとも解っている。
「わたし『だから』だめなんです。
騎士としての悩みは、同じ騎士にしか本当の意味での理解ができません」
の言う意味では『同じ騎士』であったにも関わらず、ヒックスは騎士を辞めることでイグラシオと向き合う機会を永遠に逸してしまった、との言葉にヒックスは悟った。
ヒックスに出来る『イグラシオのために出来ること』は傭兵団を率いて村々を歩き、領民による蜂起を煽ることではない。騎士団に残り、その場でイグラシオを向き合うことだった。
「……それで、団長が死ぬことになってもいいのか?」
静かになったヒックスの声音には逡巡するが、迷いを振り払うように小さく首を振る。
「大丈夫です。
イグラシオさんは頑固で鈍くて融通が利かない人だけど、
きっかけさえ与えられれば、自分でちゃんと気づいてくれます」
「僕にそのきっかけになれ、と?」
ウェインの問いに、は振り返って緋色の瞳を見据え――――――頷く。
「……はい」
ずっと心に蟠っていた物が、言葉として外に出してしまった途端にどこかへと飛んでいってしまった。
そして、その『どこか』はきっと『ウェインの元』だ。
ウェインの双肩へと押し付けてしまった『イグラシオの命運』に、不安はあるが悔いはない。許された時間全てを使って悩みに悩み、自分で『選んで』そう決めた。
迷いを振り切ったにまっすぐ見据えられ、ウェインは苦笑を浮かべる。
それから、のような娘にここまでの信頼を寄せられるイグラシオという男に興味が湧いた。おそらくはウェインが何年何十年かけて民から『立派な王』と呼ばれる存在になったとしても、の信頼は全てイグラシオという男へと捧げられる物だろう。のイグラシオへの『信頼』には敵う気がしない。
「強いな」
「……恋する女の子ですから」
苦笑を浮かべたウェインに、ニーナがそう囁く。
それはその場だけの小さな囁きではあったが、しっかりとの耳にも届いた。
「こ、恋って……わたしは、別に……」
イグラシオに恩を感じてはいるが、愛だの恋だのと口にした覚えはない。
ニーナはいったい何を言い出すのか、とは眉を寄せ――――――ほんのりと頬を赤く染める。
「頑固で鈍くて融通が利かないってのは、お嬢ちゃんも一緒だな」
「だからっ!
……なんでそんな話になるんですか? わたしはただ……」
背後で笑うヒックスの声に、は眦を吊り上げて凄んでみたが、効果はない。むしろ、頬を染めて拗ねる娘など、微笑ましい以外の何物でもなかった。
なにやら先程までの深刻な相談はどこへやら。のイグラシオへの『恩』を『恋』に変換させて冷やかしモードに入ってしまったヒックスとニーナに、は戸惑って唇を尖らせる。第三者の立場であれば多少は好む話のネタではあったが、事実はどうあれ自分がそのネタにされるのは気恥ずかしかった。
むっと眉を寄せてニーナとヒックスを睨むに、ウェインが口を開く。
「……」
「はい?」
また何か弄られるんですか? と少し拗ねた視線でに振り返られ、ウェインは3人のやり取りに緩めていた頬を引き締める。
「……約束するよ。必ずボルガノを倒すと」
ウェインはそう改めて宣言する。
それを受けて、は一瞬だけまたたいた後、ホッと息をはいて微笑んだ。
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