記事一覧

がっでむ。

『眠り姫』~01『はじめての召喚獣』


「……しるたーん?」

きょとんと瞬いて、少女は首を傾げた。

本当に何を言っているのか理解できない、といった反応を見せる少女に、今度はマグナが首をひねった。
少女の頭の先から、つま先までを見下ろす。
歳はマグナとそう変わらないが……少し下だろうか。いずれにせよ、10才にも満たない小さな体。
肩で揃えられた漆黒の髪。
白と赤の衣装は『着物』と呼ばれる独特のもので、確か『巫女』とか呼ばれる、特別な人間しかまとうことを許されないもののはずだった。

――――書物で読んだ『シルターン』の人間の特徴と一致する。

にも関わらず、少女は『シルターン』を知らないと言う。
これはいったいどうしたことか?
首を捻るマグナに、少女は言葉を足す。

「しるたーんって知らない。けど、おうちは『にっぽん』」

「『にっぽん』?」

首を傾げながらもにっこりと笑う少女の言葉に、マグナは記憶の引き出しをあさる。
毎日のように物覚えが悪いと養父が嘆いているが……これまではそんなに気にもとめなかった
が、今日は違う。
どう見てもシルターンの特徴を持った召喚獣が、自分は『にっぽん』から来たと言うのだ。
『にっぽん』とはシルターンの地方の名前か何かだろうか。
その聞き慣れない単語を足りない頭でさがすが、見つからない。忘れてしまった、覚えていないというよりは――――初めて聞く気がするだけ、まだましだろうか。

つまり、自分は『また』やってしまったのだ。

そう結論がついたところで、マグナは頭を抱える。
マグナが養父から学んでいる『召喚術』。
マグナはまだ知識を詰め込んでいる状態で、実践は許されていない。
が、力があるのならば試してみたいのが子ども心だろう。
養父の留守を狙っての召喚実験。
呼ぶこと事態は成功したが……どうやら、意図した世界以外から呼んでしまったらしい。
これでは自分では少女を元の世界に返すことが出来ない。

「『かみなりどっかーん』ですむかなぁ」

普段は優しい養父の『お仕置き』と称した召喚術の威力を思い出し、マグナは逃げ出したくなった。

「おにいちゃん、だいじょうぶ? どこか、いたいの?」

半泣きの情けない表情をしたマグナに、少女は驚いてマグナの手を握った。
濃い茶の瞳に下から見上げられ、マグナは背筋を伸ばす。

養父の雷が恐いと、震えている場合ではない。

自分より小さな目の前の少女は、自身の置かれている情況も知らずに、マグナを気づかってくれている。
雷の1つや2つ受けたとしても、養父に事情を説明して、少女を元の世界に返してやらなければならない。

「大丈夫だよ。えーっと……名前、言える? 僕はマグナ」

少女に握られていない方の手の甲で目尻に浮かんだ涙をぬぐい、マグナが少女に笑いかける。
少女はマグナの涙が引っ込んだことを確認すると、にっこりと微笑む。

「わたし、ゆうな。マグナおにいちゃん、ここどこ? わたし、おとうさんによばれてい……っくしゅんっ!」

可愛らしいくしゃみをして、少女はゆっくりと瞬いた。


■実は続いていた(笑)
前回の小話の続き~
書ききるのか、また放置するのかは謎。


■どうでもいいことですが。
セキュリティ切ればサイトめぐりができることが判明。
っていうか、私はどこをいじったんでしょうね(苦笑)
いじった場所が見つかるまで、とりあえずはネットお預け。
まあ、よし。
別にウイルスとかじゃないみたいだし。
それにしても、どこだ(笑)
兄よ、わかっているなら直して置け。
誰の金で貴様は某巨大掲示板が覗けると思うんだ。
おまえのその電話代は私が稼いでいるんだぞ。ってか、そろそろ就職しろ。

■150000hitおめでとうございます。
いや、自分でいうのもなんですが。
ってかまた掲示板にキリ番申告がありますね……キリ番制度やめようかと思います。(笑)

ってか、シンフォニアサイトの方みたく、リロード禁止に変えようかな……って、現在のはリロードできましたっけ?(おまえが聞いてどうする)でも、アクセス拒否かましてももぐりこむ人には無駄っぽいなぁ。

■さらにどうでもいいことですが。
海の檻歌夢、虫食い連載で書きたいなぁ(笑)
あれはいい。自己満足には(笑)
いや、サモ夢も自己満足なんですが。
きままに書きたいとこだけ描けるって素晴らしい(おい)

■夢を見た。
トリスになって、マグナと双子でアメルのご飯を食べる夢をみました。
なんでかブリの煮物をはんぶんっこ……のはずなんですが、マグナは一口しかわけてくれない(笑)
そんな夢。

コメント一覧

コメント投稿

投稿フォーム
名前
Eメール
URL
コメント
文字色
アイコン
アイコン一覧
削除キー