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何やってんだか。

シンフォニア連載ネタ。
いわゆる『プロローグ』部分。


 柔らかい風が少女の黒髪を揺らすたびに、優しい音色が辺りに響く。

 リーン、リーンと幾重にも連なる不思議な旋律。
 心を癒す音色の中、幼い少女はただ困惑の表情を浮かべていた。

 枯れかけた木の根元に腰を下ろす、一人の少年。

 蜂蜜色の髪と、背中に輝く翼を持った――――――天使。

「なかないで、なかないで、てんしさま」

 天使の涙を拭おうと、少女は短い手を懸命に伸ばした。
 が、その手が天使に触れることはない。
 少し長めの前髪と片手で顔を隠した天使が、空いている方の手で少女の手を捕まえていた。

 涙を止めることを拒絶され、少女は困惑を深める。

 自分は何故、こんなにも天使さまを悲しませてしまったのだろうか。

「なかないで、てんしさま」

 どうしたら天使さまの悲しみを止めることができるのか。
 幼い少女なりに考えてみたが、やはりその方法はみつからない。
 困り果て、自身の緩む涙腺に、少女は泣くまいと瞬きをくり返した。
 自分が泣くと、弟までが泣き出すのを経験上知っている。
 だから、自分が泣けば、天使さまはもっと悲しくなるのだ。
 涙をとめることができないのなら、せめてこれ以上悲しませることはしたくない。

 素直な言葉をくり返し、すんっと鼻を鳴らした少女を、天使は不意に抱き寄せた。

 ぎゅっと抱き締められて少し苦しかったが、少女は我慢する。
 自分を抱きしめ、頭を撫でる手が、肩が震えていた。

『          』

 耳元で囁かれる言葉に、少女は首を傾げる。

『                      』

 意味はよく解らない。

 それでも、しっかりとした意志のこもった言葉に、少女は安堵のため息をついた。
 だから少女もにっこりと笑って、天使を見上げる。

 蜂蜜色の髪のすき間から、天使の澄んだ蒼い瞳が見えた。

「……うんっ! やくそく。ぜったいに、ぜったいね」

 少女の答えに満足した天使は、もう一度少女の髪を撫でてから立ちあがる。それから枯れかけた木に手を伸ばし、わずかにみのった紫色の小さな実をもいだ。

『        』

 少女の小さな手には丁度良い大きさの実。

 手のひらに乗せられた実を両手で持ち、少女がそれを振ると涼やかな音色が聞こえた。
 リーン、リーンと響く、先ほどからずっと聞こえている音と同じ旋律。
 その涼やかな音に、天使の囁くような言葉は消された。

『           』

 ころころと実を転がし、聞こえる音に夢中になった少女。
 そのあどけない表情につられ、天使もまた微笑むと……そのまま風に姿をとかした。

「てんしさま、ありがとう」

 素敵なプレゼントのお礼を云おうと、振り返った少女の目の前には誰もいない。
 濃い茶の瞳をまるく見開き、少女は首を傾げた。

「てんしさま?」



 髪を揺らす風に、木の実の奏でる旋律。

 その中にまざって聞こえる、天使の言葉。





――――これが目印になるから。

――――約束の刻に、キミを見つけるための。



 リーンっと、ひときわ大きく音色が響いた。


■何やってるんだか、って自分に突っ込む。
ネタだしだけじゃ、満足できないのかしら?(笑)
まあ、よし。
色々ぼちぼちと。
こっそり日記利用して連載しようかしら(笑)
それをやるぐらいなら、小マグナネタを連載します(爆)

ああ、たぶんこの後……ゲーム冒頭のロイドが起こされるシーンにいくかと思われます(笑)

■今日の更新。
宣言通り、CG講座の更新です。
まだ途中までですが、明日あたりには全部開通するかと思います。
思ったままに描きましたが……たぶん、小学生向けなみなレベルのことしか描いてありません(笑)
や、使用しているソフトは小学生むけじゃないですが(写真屋は個人で買うには高い)

■次の更新…
連載夢の続きか、ひさかたぶりにミニ劇場更新したいなぁ…って、同盟の名簿が先か。忘れてた(死)

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