*Obedient You 俺はぐったりとなった恵子の身体を綺麗にふき取ってから抱き上げて一緒にベッドに横たわる。 その華奢な身体を強く抱きしめながら、頬や肩に軽くキスをする。 「・・・・・恵子?」 「ん?」 「お前さ、1年前に言ったよな。ちゃんと護ってよね。って遊びだったら許さないってさ。俺、ちゃんとお前護れてっか?幸せにしてやれてる?」 「クスクス。何よ、突然。充分護ってくれてるし、幸せよ?」 髪の毛を撫でると、気持ち良さそうに目を閉じて恵子がそう呟く。 「そっか・・・じゃあさ、俺の事好き?」 「だっだから、何でその質問に行くわけよ。さっきも言ったでしょ?直人と同じ気持ちだって。」 「・・・・・何で護ってくれてるとか幸せとか素直に言えんのに、『好き』って言葉を素直に言えねぇかなお前は。」 「いっ言ったでしょ?」 「いつだよ。」 「・・・・・・前に。」 「覚えがねぇ。」 「うわっひどっ!私が言った事覚えてないわけ?信じらんない。」 「信じらんないって・・・言った事ねぇって。じゃぁ、今言えよ。今度はちゃんと覚えとくから。」 「いっ嫌よ。ちゃんと言ったもん・・・覚えてない直人が悪い!!」 真っ赤になって俯くもんだから、余計に今恵子の口から聞きたくなる。 「あっそ。じゃあいいよ、お前が俺の事好きって言うまで俺もお前に好きって言ってやんねぇから。」 「やっやぁよ。そんなの・・・不安になるじゃない。ダメ、直人はちゃんと言っててよ。」 「んだよ、それ。俺だって不安になんだろぉ?なぁ、聞きたいぃぃ。」 「まっまた今度。」 ったく、なんでそう渋るかな。 俺がちょっとでも「好き」って言わねぇと、すぐに不安になって泣きそうな顔になるくせに。 俺だって多少なりとも不安になんだぞ? ちゃんと俺の事を好きでいてくれんのか?って。 だけど、まぁ好きって言葉を口に出せないでいるそんな恵子が堪んなく愛しくて仕方ないんだけど。 ほんと、気が強くて責任感が強くて・・・そのくせ好きって言ってねぇと不安になって俺に甘えてくる弱い恵子。 俺は1年前と変わらず・・・いやそれ以上に恵子に夢中になってる。 恵子を知れば知るほど惹かれて行ってどうしようもなくて。 だけど、いつかお前の口から言わせてやるから。 俺が好きだ。って素直な気持ちを――――。 『・・・ねぇ直人は・・・私の事好き?』 『・・・・・さぁ?』 『やっ!ちょっと・・・直人?』 『クスクス。何だよ。』 『もぅ、笑ってないで・・・ちゃんと言ってよ・・・。』 『ん〜?そんなの、すっげぇ好きに決まってんだろっ!!』 + + Fin + +
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