Love of triangle

Love of triangle


Love of triangle ...01

『まなみぃ、起きてる?薫(かおる)クンと忍(しのぶ)クンも起こして降りてらっしゃい。朝ごはん出来たわよ!!』

カーテンから差し込む朝の日差しに目を細めながら、私はぼんやりとする意識の中、おぼろげに母親の呼ぶ声を理解し、んー。と、ベッドでひとつ伸びをする。

大抵の人間って特別なことがない限り、目覚めて早々行動に移せるものじゃない。

中でも特に私は朝が苦手な人間。

ただ学校に行くためだけの、至って特別なことなどなにも無い日に私がすぐに行動に移せるはずもなく。

ぼーっ。と、暫く天井とにらめっこをしていると、

『ねえ、起きてるの?まーなーみっ。お母さん、もう仕事で出なきゃいけないんだから、起きてないなら知らないわよ!!』

再び聞こえる、先ほどよりも少し大きめの急きたてるような母親の声。

「はいはい、起きてるって!」

何故かその言葉にムッとして、若干キレ気味に返事をする私。



いつも朝はこんな感じ。

母親の声に起こされて、それに対してムッとして、少し不機嫌になりながら渋々ベッドから這い出る。

そして毎日の日課の如く、眠い目を擦りながら兄と弟を起こしに部屋を出る。

多分、こんな光景ってどこの家庭にもあると思う。

ごく普通の、一般家庭にみる光景。

だけど、うちの家庭はそれとは少しだけ状況が違ったりすることがある。

家族関係もそうだけど…

誰にも言えない、親にさえも内緒にしておかなければならない秘密が、私たちキョウダイの中にはある。



私の両親は、再婚者同士。

私が母親の連れ子で、兄と弟が義父の連れ子。

高校1年の時、初めて彼らを紹介されたときは正直びっくりした。

だって、兄の方は同じ学校の先輩だったんだもん。

しかも彼はカナリの有名人。

背が高くて頭が良くて、通り過ぎた子がみんな振り返って行くような容姿の持ち主。

『綺麗な顔の男性(ひと)』って言葉が、ぴったりと当てはまると思う。

優しくて、温かい雰囲気を纏っている兄、薫。

そしてこの時点で、当時中学3年生だった弟の方も、うちの学校ではカナリの有名人だったから存在自体は私も知っていた。

麻生(あそう)先輩の弟も、雰囲気は全く違うけどカナリの男前らしいよ。って噂。

実際、実物を見て、納得。って感じだった。

雰囲気的には、兄が優等生って感じなら、弟はちょっぴりやんちゃが入った感じで。

まだその頃は、中学生という雰囲気が残っていたけど、すでに私よりも背が高かったし、体格もしっかりとしたもの。

『男前な顔』って言葉が、弟の忍には当てはまると思う。

凛々しくて、芯が強そうなのが表情(おもて)に出ている弟、忍。

その弟が私たちの高校に入学してきた時には、それはもう凄い騒ぎになった。

兄と弟、誰がどっちを落とすか…なんて。

私が彼らとキョウダイとなったことで、羨ましがられたりもしたけれど、専らの私の役目は彼らの情報屋だった。

そう。2人を狙う女の子達からは、キョウダイとなった私はライバル視されることは無く、2人の情報をより正確にサーチできる恰好の人間と位地されたってワケ。



対照的に見える2人と、戸籍上のキョウダイとなって。

みんなに羨ましがられつつ、新しい生活をはじめた私。

父とも、彼らともすぐに打ち解けて仲良くなれた。



そう…仲良くなるだけなら何も問題はなかったのだけれど…




麻生家で新しく生活をはじめてからの、私の日課と化した朝の役割。

それは兄弟2人を起こすこと。

最初は躊躇いながらだったことも、1年を過ぎようとしている今では慣れたもの。

トントン。と、隣りの部屋のドアを軽く叩いてから、ノブを回して中に入る。

「ねえ。お兄ちゃん、起きてる?」

モノトーンで統一された、シックな雰囲気の落ち着いた部屋。

整理整頓されたすっきりとした空間は、兄の薫らしいな。と、いつも思う。

そしてこれもまた、兄らしいな。と思うところ。

寝相のいい兄は、殆ど布団が乱れることは無い。

そこで気持ち良さそうに寝息を立てているように見える兄の姿を視界に捉えながら、そっとベッドの脇に跪く。

「起きてるでしょ…お兄ちゃん」

いつもそうだ。

きっと私よりも早く目覚めてるクセに、私が起こしにくるまで寝たフリをする。

毎度のことなので少々呆れ気味にそう声をかけると、兄の形の良い唇が少し上がる。

……やっぱり。

「もー。やっぱり起きてる。ほら、朝ごはんだって。早く下に行かないと怒られちゃうよ?私、忍を起こしてくるから先に下に降りてね」

そういい残して立ち上がろうとしたら、腕をグッと掴まれた。

そして、穏やかな心地の良い兄の声が耳に届く。

「コラ。何か忘れてない?なんの為に僕が毎日愛美が起こしに来るまで寝たフリをしていると思ってる?」

まあ、毎日のことだからこう言われるだろうとは分かってはいたけれど…

「やっぱりダメ?このまま忍を起こしに行っちゃ…」

「ダメに決まってるだろ?」

「んー、もう。朝はあんまり時間ないんだよ?それでなくても、忍は寝起きが悪いから起こすのに悪戦苦闘するっていうのに…」

「その忍のところへ行くから先にって言ってるんだけど?」

そう言って、兄は綺麗な茶色い瞳をジッと私に向けてくる。

私は、その綺麗な瞳に囚われたように暫く見つめ返し、はぁ。と、少しため息を漏らした。

ダメだぁ。この綺麗な顔には勝てない…。

そう思いながら、私はそっと引き寄せられるように体を屈めた。

「おはよう、お兄ちゃん」

「おはよう、愛美」

そう言葉を交わしたお互いの唇が、そのままそっと重なる。

自分の唇に伝わる、兄の柔らかい唇の感触。

それにうっとりとしながらも唇を離そうとしたら、やんわりと後頭部を押さえられてそれを阻止される。

「まだ、ダメ…」

そんな言葉のあとに、唇を割って口内に入り込んでくる兄の熱い舌。

口内を蠢き、私の舌に絡みつき、優しくそのままそれを吸われる。

絡まった舌を伝って兄の口内に流れ込む私の唾液。

兄はそれを飲み込み後頭部にまわした手で私の頭を引き寄せると、更に奥深くに舌を滑り込ませてくる。

「んっ…おにぃ…ちゃっ…」

「まなみっ…まだ、ダメ…だよ…」

朝からこんなに…キツイ…。

そう思っても、これから逃れられない私。

互いに唇を吸いあう音を響かせながら、暫く兄とのキスに酔いしれる。



そうして、いつものように朝からたっぷりと濃厚なキスを堪能した兄は、忍とは程々にして早く降りてきなよ。と、言葉を残して先に下に降りて行った。

それを見届けてから、ふぅ。と、一息吐くと、今度は兄の向かい側にある部屋にノックもせずに中に入る。

兄の部屋とは打って変わって、バンドのポスターが壁に貼ってあったり物が乱雑に床に散らばったりした、何の統一性もない賑やかな部屋。

これこそ、高校男子の部屋って感じもする。

窓辺に位置するベッドの上では掛け布団を股に挟んで、横向きに気持ち良さそうに寝息を立てている忍の姿が視界に映る。

……完璧眠ってる。

血の繋がった兄弟でもこんなにも正反対なんだろうか。と思うぐらい、薫と忍とでは性格が違う。

几帳面な兄と、大雑把な弟。

面白いなぁ。と、思う部分。

「忍?起きて!朝だよ!!」

私はベッドに近寄り、声をかけながら忍の体を軽く揺さぶる。

だけど、こんな程度じゃ微動だにしない忍。

何の反応もなく、彼からは規則正しい寝息が漏れている。

何が疲れるってこれが一番疲れる。

毎日毎日こうして全然起きてくれない忍を起こすのが、私の朝の最大の敵。

だって女の子にとって、おしゃれに費やす為の貴重な時間を削られてしまうのだから。

私は、はぁ〜。と、大きくため息を漏らすと、顔を近づけて更に大きな声を出す。

「忍ってば、起きてよ!早く起きないと、朝ごはん食べられないよ?遅刻しちゃうよ!」

そう立て続けに声をかけ、今度は大きく体を揺さぶる。

「ん〜…も…うるせぇ…」

忍は目を閉じたまま眉間に思いっきりシワを寄せて、迷惑といわんばかりの表情を見せる。

「うるさいじゃないってば。起きてよ、もう。しのぶぅ〜」

「あ〜?…なに…愛ネエか…ナンのよ?」

私の事を「まなみ」ではなく、上の漢字だけとって「アイネエ」と呼ぶ忍。

どうやらみんなとは違う愛称で呼びたいらしく、彼だけが私のことをそういって呼ぶ。

そんな彼は今、何の用?と、言いたいらしいけど、半分寝ぼけてて最後まで言えてない。

だけど、もう半分の覚まされた脳で、声をかけているのが私だということは理解できたらしい。

顔を歪ませ少しだけ開けた片方の目で私だと確認すると、先ほどの眉間にシワが寄った表情が若干和らぐ。

「もう。寝ぼけてないで、起きてってば。朝だよ?」

「あさ?…なに…もう朝?無理…俺、まだねみぃ…」

忍は半分掠れた声で再び眉間にシワを少し寄せると、ゴソゴソと布団の中に潜っていく。

「無理とか言ってないで、早く起きて。お兄ちゃん、もう起きて下に行ったよ?」

その言葉に忍がピクン。と反応し、数回瞬きをしてからゆっくりと両目が開く。

忍の脳内がゆっくりと活性化しはじめたらしい。

「アニキ…もう起きてんの?」

「うん。もう、とっくの昔に」

「な…んだよ。なんで、いつも愛ネエはアニキを先に起こしに行くんだよ」

「そんなこと言われても……えっ、ひゃっ!?」

隣りの部屋だし、近いんだもん。と、口にする前に、グィッと腕を引っ張られてベッドの中に引きずり込まれる。

「またアニキの次かよ…」

「またって…」

「そういうことだろ?アニキが何もせずに起きるなんて思えねえし」

忍はガバッと2人一緒に頭から布団を被せると、上体を起こして両肘を私の頭の両脇につく。

そしてそのまま私の頭を抱えるように両手を添え、コツンと額を合わせてくる。

凛々しく整った顔と真っ黒な瞳が目の前に映り、ふわっと忍愛用の香水の香りが鼻を擽る。

「まあ…ねぇ?何もなくは…ない」

「やっぱり。なぁ…明日は先に俺を起こしに来てよ。たまには朝一の愛ネエがいい」

「朝一の私って…なに、それ」

「アニキの唾液が混じってない愛ネエの唇がいいってこと…」

「んっ…」

兄よりは、少し硬い感触の忍の唇。

上唇と下唇を順に挟むように啄ばむキスを繰り返してから、唇を割って忍の舌が口内に滑り込んでくる。

「アニキも…こんなキス…してきた?」

「ん…」

「こうして…触ったりとかは?」

「んっ…やん…ダメぇ…」

忍はキスの合間に言葉を発しながら、手をトレーナーの裾から中に滑り込ませてじかに肌に触れてくる。

「愛ネエ?一回ヤってから下に降りよっか」

「もうっ…朝から何言ってるのよ」

「だってヤバイんだって、朝勃ちで。すぐにイキそうだから、愛ネエの中に出させてよ」

「朝からそれはヤダぁ。それにそろそろ降りないと、怪しまれちゃうって」

そんな会話を交わしながら、忍は私の脚の間に体を割り込ませて覆いかぶさってくる。

その間も忍の手の動きは止まらなくて。

肌を滑り、指で撫で回し胸の膨らみに添って手を添えてくる。

「愛ネエもヤリたくなってきたろ?ホラ…乳首が勃ってきた」

「やっ…んっ…だって…それは、忍が触るからっ」

知り尽くされた私の弱い部分。

その中でも最も弱い右胸の乳首を指先で弾かれ摘まれると、ぞわぞわっと肌に痺れが走る。

きっとそこは、私を淫らにさせてしまうスイッチのようなものだと思う…

ここを弄られると、理性に反して体が勝手に反応をしはじめてしまうから。

だからいつも忍は一番にこの部分を攻めてくる。

そして、兄の薫も…

「愛ネエ…お願い…」

「んんっ…しのぶ…っ」

忍は唇を塞ぎ口内深くで舌を絡め合わせながら、衣服の上からでもわかるぐらい硬く反り返った塊を私の一番感じる部分に擦り付けてくる。

私の秘部が、刺激を受けるたびに愛液で濡れそぼっていくのがわかる。

どうしよう…体が勝手に反応を…

いつしか自らもせがむように両腕を忍の首にまわし、引き寄せて深くキスをしている私。

そして忍の腰の動きに合わせるように、自分の腰も微かに動く。

布が擦れて刺激となり、更に秘部から愛液が溢れてくる。

「愛ネエ…俺の…出して、触って…」

唇を離し顔を私の首元へと埋めた、忍の切なそうな掠れた色っぽい声。

それを耳元で聞きながら、その声に誘われるように手が忍の下半身へと伸びて行く。

言われたようにズボンを少しずらし、熱の篭った忍のモノを握って外に出すと、掌の中で、ドクン。と脈打ち更に太さが増した。

「あ…また大きくなった?ねえ、もう先が濡れてる…」

「だからヤバイって言ったじゃん。入れていい?愛ネエ…」

忍はそう囁きながら私の腰の下に手を差し入れ、ズボンと下着も一緒にズルッと太ももの中間辺りまで一気にずらす。

空気が直接肌に触れ、愛液で濡れた秘部をヒヤッとした風が撫でていく。

「あんっ…しのぶ…」

忍のあらぶったモノの先が私の秘部をスッと撫でると、それを受け入れるように腰がフッと軽く浮く。

私の中からどんどん込み上げてくる淫らな感情。

すぐにでも中を満たして欲しくて、一気に身体の芯が熱く火照る。

それを肌で感じ取ったのか、忍が私の耳を甘噛みしながら色っぽい声で囁いてきた。

「愛ネエも、入れて欲しくなった?」

「ぁっ…ん…でもっ…バレちゃう…」

「大丈夫。親は2階に上がってこないって約束になってっしさ。すぐに済むし、愛ネエが声を我慢すればバレないって。だからさ、言ってよ。入れて欲しいって」

耳に熱い息を吹きかけるように囁いてくる忍の艶のある声。

体が疼きはじめている私は、その甘い誘いに乗らずにはいられなかった。

「あ〜…うぅ〜……忍………入れて?」

そう言って顔を上げた忍を見上げると、少し彼は意地悪く笑って見せる。

なんとなく嫌な予感がする…

「俺の何を入れて欲しい?」

…やっぱり。

「……言わせるの?」

「言ってよ」

「恥ずかしいから…ヤダ」

「ダメ。言わなきゃ入れてやんない」

忍は楽しそうに笑みを浮かべながら、その先っぽを熱い蜜で潤った私の秘部の割れ目に沿ってソレを撫で付けてくる。

何故か急に形勢逆転。

忍がねだってきていたはずなのに、いつの間にか私がねだらなきゃいけなくなってる。

だけど、腑に落ちないながらも身体は忍を求めてるわけで。

それを満たすためには、忍の要求する言葉を言わなくちゃいけないのも分かってる。

私は若干渋りつつも、忍から少し視線を外すと徐に口を開いた。


「忍の…………私の中に入れて?」


兄とこの忍に、何度も言わせられた言葉。

だけどどうしても未だに慣れなくて…そこだけごにょごにょと口ごもる。

大体、女の子が口にする言葉じゃないと思うんだけど、この兄弟はこういう所は似ていて何度も私に言わせたがる。

どうやら口にした時の私の様子がお気に入りのようで。

似なくていい所が似ている兄弟…それもちょっと困りものだと思う。

案の定、頬を紅く染めて小さく呟く私に対して満足そうに忍が笑みを見せた。

「すっげ。マジ可愛いよ、そういうとこ。堪んない…入れるよ?愛ネエ」

「ん…」

「こんなに可愛くて綺麗な愛ネエを、アニキと分け合ってるなんてさ。いっその事、俺一人のモノにしちまいたい…っ」

「あンっ…」

熱く潤った秘部に硬く膨張したモノがあてがわれ、グッとそこに圧力がかかる。

欲していたものが私の内壁をかき分け、少しだけ中に入ったところ。


「それは約束が違うだろ、忍」


突然、この空間に割って入ってきた、穏やかで心地の良い兄の声。

ハッとして視線をそちらに動かすと、ドアを肩幅分だけ開け、壁に体を預けて腕組みをしている兄の姿が視界に映った。

「中々降りてこないから、もしやと思って来てみたら案の定コレだ。忍…朝に愛美を襲うのはルール違反だろ?そういうのは、帰ってからのお楽しみだって決めたハズだよな」

「あー、もうっ。なんでこのタイミングで入ってくんのかなぁ。いいじゃん、一回ぐらいさぁ。アニキはいつも愛ネエの唇を一番に堪能してんだから、これでご破算だろ?」

忍は、はぁ〜。と、諦めたように長いため息を吐くと、私から体を離してズボンを元に戻す。

体の疼きを感じながらもそれにつられるように私もズボンを元に戻し、ゆっくりと体を起こして2人の会話に耳を傾けた。

「なるわけないだろ。愛美を一番に堪能したいなら、お前が寝起きを直せばいい話。お前の寝起きが悪いから後回しにされるんだぞ?」

「昔っから寝起きが悪いのはアニキが一番良く知ってんじゃん。大体、俺が頑張って寝起きを直したところで、俺のとこに先にこさせまいと邪魔するだろ?」

「邪魔するだなんて人聞きの悪い事を。別に、お前が頑張るなら先でもいいよ?ただし、僕より先に起きられればの話だけどね?」

クスクス。と小さく笑いながら言う兄に対して、それを邪魔するって言うんだよ。と、ボソッと忍がそう洩らす。

「ぜってーさっきのもタイミングを見計らって入ってきただろ…。ったく、いい性格してるよ」

それを聞いた兄は肯定するかのようにまた小さく笑うと、視線を今度は私に向けてくる。

少し、意地悪が入った視線。

これもまた嫌な予感がする…

「大体、愛美も愛美だ。忍とは程々にねって言わなかったかな?」

「う〜…言われたような気も…する?」

「まなみ?」

「あぅ……言われました。ごめんなさい…」

蛇に睨まれた蛙のように小さく肩を竦めていると、おいで愛美。と、兄が私を呼ぶ。

私はそれに素直に従い兄のもとへと足を運ぶと、クイッと指先で顎を掬い取られる。

「やらしい子だね、愛美は。いつからそんな女の子になっちゃったの?」

「んっ…おにぃっ…」

言葉を発する前に塞がれた私の唇。

少し強引に、荒々しく兄の舌が口内を蠢く。

兄はキスをしたまま一歩部屋の中に足を踏み入れると、後ろ手にドアを静かに閉めた。

「アニキ。かあさんは?」

この様子をベッドの上から見ていた忍が、すかさず兄にそう聞く。

「もう仕事に行った。お前が暴走してんのが分かったから、気付かれないようにさり気なくフォローしといたよ。まったく…苦労するよ。お前みたいに状況の見境も無く暴走する弟を持つと」

「仕方ねえだろ?愛しの、愛ネエが起こしに来るんだもんさ。襲いたくもなんだろ。アニキが毎朝キスだけで終わらせられんのが不思議」

「お前と違って、理性が働くもんでね」

「あー、そうですか。さすがはデキたアニキだな」

「それはそれは、どうも」

2人してそんな事を言い合いながらも、お互いの間で意思疎通が出来ているようで。

仲が悪そうに見えて、実際この兄弟は仲が良かったりするからクセモノだ。

だから、こういう状況が生まれたワケなんだけど。


兄はキスをしながら私を再び部屋の奥へと進ませると、ちょうどベッドの上に腰掛けている忍の前に背を向けて立たせる。

そして、自分は忍の勉強机から椅子を引っ張ってくると、私の目の前の位置で向かい合うようにそこに腰掛けた。

「愛美?さっき中途半端でやめられたから、体が疼いてるだろ」

「お兄ちゃん…」

「かあさんも出かけたことだし…さっきの続き、3人でしようぜ?愛ネエ」

そんな忍の声も背後から聞こえ、スルッと秘部を指先でひと撫でされる。

「あんっ…忍…」

息が合っているというかなんというか。

こういう時の2人って、私では敵わない。

されるがまま、なすがまま。翻弄されながら、快楽に溺れるのみ。

さっき兄が、いつからこんな女の子になったのかって言ってたけど。

2人に会ってからに決まってる。

こんな淫らな女の子にしてしまったのは、他でもないこの2人。

それを分かってるクセに、いつもこうして意地悪な事を言ってくる。

サディスティックな兄弟と、マゾヒズム的な私。

だからバランスが取れてるのかな。


「愛美…服、脱いで?」

目の前に座る兄が口元をニヤリとあげながら、そんな言葉と共に意味ありげな視線を投げてくる。

「え…自分…で?」

「そ、自分で。僕と忍が見てる間で脱ぐなんて、ヤラしい愛美にはうってつけの興奮剤だろ?」

「あー、いいねぇそれ。俺もさんせー。愛ネエ、早く脱いでよ」

「そんなっ…こんな状況でなんて、恥ずかしいよ…」

朝の日差しが差し込む明るい部屋。

目の前には椅子に座って私を見る兄の視線と、背後のベッドから見上げる忍の視線。

そんな2人の視線に挟まれながら、自ら脱ぐだなんて恥ずかしすぎる。

頬を紅く染めて渋っていると、目の前の兄が意地悪く笑みを見せた。

「僕の言いつけを守らない悪い子だからね。そんな子にはお仕置きをしないと。気持ちよくなりたかったら、自分で脱いでおねだりしておいで?」

「だって、あれは忍が…」

「もちろん、約束を破った忍にも同等のバツを課すよ?愛美の乱れる姿を見て、自分で扱いてもらう」

「えーっ!そりゃないっしょ?アニキと愛ネエのヤってるのを見ながら、オナれってか?」

「どんなAVよりもヌケると思うけどね」

「そりゃそうかもしんねえけど、アリかよそんなのぉ」


一番のサディストは兄だと思う。

優しく微笑みながら、とんでもなく意地悪な事を言ってくる。

しかも何故か私も忍もそんな兄に逆らえない。

学校では絶対に見ることのできない兄の裏の顔。

こんな兄を知ってしまった私は、得をしているのか損をしているのか。

温厚で優しい兄しか知らないみんながこの姿を知ったとしたらどう思うんだろう。

たまにそんな事を思うときがある。

まあ、この部分を除けば素敵な兄には違いはないんだけどね…

「ほら。早くしないと気持ちよくなる時間がなくなっちゃうよ?愛美」

「でもぉ…」

「可愛いよ、愛美のそういうとこ。仕方ないなぁ。恥ずかしがりやの愛美が脱ぎたくなるように、少し手伝ってあげようかな」

兄はそう言って私の視線と絡め合わせたまま、スッと腕を伸ばして服の上から両胸の乳首を摘んでくる。

そして、指先で弄びながら時折優しく全体を揉みしだく。

「ぁっ…ん…おにいちゃ…」

「愛美は乳首を弄られるのが好きだもんね?ねぇ、僕に愛美の乳首を舐めさせてよ。それとも吸ってしゃぶる方がいいかな?」

「俺も、愛ネエの綺麗な肌が見たい。ほら見てよ、愛ネエの裸を想像しただけでまたでかくなった」

その言葉に誘われるように、顔を後ろに向けて視線を忍に移す。

そこには立派に反り返っているモノをズボンから引っ張り出し、指先で弄んでいる忍の姿があった。

弄られる胸。

視界に映る赤黒い物体。

一気に燃え上がる私の中の淫らな感情。

鼓動が激しくなり、体が疼き出すのが分かる。

あぁ。もう…ダメ…

私は耳までも火照らせながら兄に向き直り、ゆっくりと自らトレーナーをたくし上げた。

「…お兄ちゃん…な…めて?」

「舐めるだけでいいの?」

「吸ったり…とかも…」

服をたくし上げたまま、言った言葉に恥ずかしくて俯くと、視界に兄の大きくて綺麗な手が差し出されたのが映った。

「その顔、すごく可愛い。いいよ、おいで愛美。全部脱ぐのもいいけれど、こうやっておねだりされるのもクるものがあるね」

兄はそういって私の体を引き寄せると、舌先を尖らせ露になった乳首をチロチロと転がす。

「ぁっ…」

ビクッと小さく体を震わせ漏れた声に兄はニヤリと口角をあげると、今度はそれを口に含む。

チュクッ、チュクッと、音を立てて乳房を吸い上げながら口に含んだ乳首を舌先で弄ぶ。

くすぐったいような、何ともいえない痺れが肌を走り、私の脳内を刺激する。

「あぁっ…おにぃっ…ちゃっ…」

無意識に動く私の体。

顎をあげ、鼻から抜けるような甘い声を漏らしながら、兄の頭を抱え込んでいた。

強く吸われる右の乳房。

時折歯を立てて、軽く乳首を甘噛みされる。

脳を更に刺激され、これだけで私の思考回路は完全に犯されてしまう。

兄は、乳首を唇で挟みこみ、時折キュッと力を加えながら刺激を与えつつ、私の体から着ているものを全て取り払った。

完全に2人の視界に晒される私の裸体。

だけどもう、恥ずかしいだなんて気持ちはなくなっていた。

代わりに、もっと触れて欲しいと思っている私がいる。

「愛美…気持ちよくなってきた?」

「んっ…いい…」

「もっと気持ちよくして欲しい?」

「ぁっ…ん…して…欲しいっ…」

「どこを気持ちよくして欲しいの?僕に教えてよ…愛美」

兄はそう言って、少し意地悪く笑みを浮かべながら私を見上げてくる。

わかってるクセに…

少しだけ非難めいた視線を兄に向けつつ、私は兄の手をとると自分の愛液で濡れそぼっている秘部へと導く。

「ここ…」

「ここを?」

「さわっ…て?気持ちよく…して欲しい…」

頬を赤く染めてポツリと小さく呟くと、兄は満足げに笑みを浮かべ、その私の頬を反対の指先で撫でてくる。

「よくできました。いい子だね?愛美は。可愛かったからご褒美にキスしてあげる…おいで」

そう言って引き寄せられ、兄の唇が重なる。

体が火照り、先ほどよりねっとりとした舌が絡みつく。

兄は舌を絡めあわせながら胸を弄り、秘部に添えた指をゆっくりと動かす。

「すごいね、愛美。もうこんなに濡れちゃって?さっき、忍のモノを最後まで入れて欲しかったのかな?」

「んんっ…ぁっ…」

「ほら、見て?忍も余裕がないみたいだよ。愛美のココに入れたい〜って顔してる。見せてあげてよ…忍に愛美の綺麗なココを…」

そう言って、兄は私の体の向きを反転させると自分の膝の上に座らせ、後ろから私の脚を抱えあげて大きくそれを開かせる。

忍の目の前に晒される、愛液で濡れそぼった私の秘部。

「やぁっ…恥ずかしっ…」

「あぁ…も、すげっ…たまんない。愛ネエのソコ、すげえ綺麗…あぁ、もう!入れたくてたまんねえよ」

忍はそう零しながら私の秘部に熱い視線を注ぎつつ、切なそうな表情を浮かべて自身を扱く。

そして兄は、その忍を触発するように私の秘部に指を這わせ指先でそこを押し開いた。

「ほら、愛美。忍がココに入れたいって…どうする?」

「あっ…やっ…おにぃ…ちゃっ…」

「どうしようか、愛美。先に、愛美がイク姿を見せてあげる?」

そう、意地悪く私の耳元で囁きながら片方の指を中にねじ込ませ、悦によって膨らみ始めた突起部分をもう片方の指の腹を使って細かく擦ってくる。

徐々に痺れ始める私の肌。

中で兄の指が蠢く度に、熱い蜜が溢れ出すのがわかる。

「あっ…あっ…ああっ…やぁっ…あぁぁっ…」

私の鼻から抜けるような甘く響く声が大きくなるのと比例して、クチュッ、クチュッ、クチュッ、クチュッ…。と、秘部から漏れる独特の水音が増す。

「あっ…愛ネエ…すげっ可愛い…もっと…もっと聞かせてよ、その声…っぁっ…」

「まなみっ?…もっと聞かせてって…忍に聞かせてあげて?その可愛い声っ…」

更に兄の指の動きが激しくなる。

次第に霞みはじめる私の意識。

高波に…攫われそうな予感……

「あぁぁっ…あぁんっ…あっ…やっ…ダメっ…いあぁあんっ…」

「ん?…ダメ?なにがダメなの、愛美?」

「いやっ…あぁっ…だって…もうっ…」

「もう、イきそうなの?」

「んっ…ああんっ…いっ…イクっ…イっちゃうっんっ!!」

「あーっ、もう無理!我慢できねえ!!…アニキ…いいだろ?愛ネエに…触れさせてよ…」

懇願するように忍がベッドから身を乗り出してくる。

それに兄は、仕方ないなぁ。と、小さく呟くと、先に服を脱ぐように指示してから、いいよ。と許可を出す。

服を脱ぎ捨て、引き締まった肉体を曝け出した忍は、私の胸に吸い付いてくる。

右の乳房を口に含み、舌先で乳首を転がす。

そして左の胸を掌で覆うと優しく揉みしだき、親指の先で硬くなった乳首を弾く。

下では、相変わらず兄が刺激を与え続けている。

水音が更に増し、その音が段々激しくなってくる。

背中を兄の唇が滑る。

胸から首筋を伝って、忍の唇が肌を這う。

あらゆる部分を2人に攻められ、狂いそうなほど乱れてしまう。

「愛ネエ…んっ…愛ネェ…っ」

「んっ…しのぶぅっ…んんっ…」

口から漏れる甘い声を吸い取るように、忍が私を呼びながら唇を塞いでくる。

糸を引いて忍の唇が離れたかと思ったら、今度は兄に塞がれて口内を舌でかき回される。

両胸の乳首を摘まれながら、また忍の唇が肌を這う。

舌で口内を犯されながら、秘部を蠢く兄の指が激しさを増す。

もう、ダメ…もう、いっちゃう…

「んっ…ああぁっ…あぁぁっ…イクッ…イクぅッ!いや…いやんっ…あぁあっ…」

「いいよ…愛美…」

「イって?…愛ネエ…」

「あぁぁっ…あぁぁんっ…あぁぁぁぁっ!!!」

2人の甘い囁きに見送られ、私は大きく体を仰け反らせながら一度目の果てを迎えた。



果てたあとの気だるい体をぐったりと預けるように、荒く息を吐き出しながら兄にもたれかかる。

「気持ちよかった?愛美…」

そんな穏やかで心地よい兄の声が耳に届き、優しく唇を啄ばまれる。

「ん…気持ち…よかった…」

「愛ネエ…俺にもキスしてよ…」

甘えるような忍の声と共に、彼の凛々しい顔が近づいてくる。

私は忍の頬に両手を添えると、愛しむように唇を重ねる。

「さて…今度は僕たちも一緒に気持ちよくさせてもらおうかな?」

そんな声と共に兄は一旦私を立たせると、自ら服を脱ぎ始める。

2人とも、どうしてそんなに綺麗な体なんだと女の私が思うほどに、彼らの体は引き締まっていて綺麗だ。

忍の男らしく鍛え上げられた逞しい体と、綺麗で色っぽさを漂わせている兄のしなやかな体。

どちらもそれぞれに魅了させられて、いつも見惚れてしまう。

「愛美?僕の準備が済むまで忍を口で愛してあげてよ…」

兄は忍の部屋に常備してあるスキンの箱を取りに行きながら、そう声をかけてくる。

「愛ネエ…してくれる?」

私よりも随分と背の高い忍が私の髪を両手で撫でながらそう囁いてくる。

「ん…してあげる…」

微笑みながらそう答えると、嬉しそうに笑って忍がベッドの脇に腰をおろす。

私は床に膝をつき、忍の太く反り返ったモノに手を添えるとそっと口に含み愛撫をはじめた。

「はぁっ…いいっ…すげ…気持ちい…」

ジュルッ…クチュッ…と、忍のモノを吸い上げるたびに、自分の口から卑猥な音が漏れる。

口の中で脈打つ忍のモノ。

先の割れ目から渋みのある液が漏れはじめる。

「あぁっ…いいよ、すげえいい…愛ネエ…もっと吸って…んっ…あぁっ…もっと、強くっ…」

「んっ…んっ…」

忍の要求に応えるように、強く吸い上げながら手も使ってそれを扱く。

私の肩を掴んだ忍の手に力が入る。

私の頭に添えられた手がもっと奥へと促してくる。

「ぁっ…いっ…あぁっ…あぁっ…愛ネエ…あぁっ…」

普段聞くことの無い忍の切なそうで艶のある声。

それは果てが近いという証拠。

徐々に忍の腰が妖艶に動き始める。

私がその忍の様子を窺いながら行為に専念していると、不意に両脇に手が差し込まれ、スッと体を持ち上げられた。

「忍…愛美の口の中に出す気?」

「あぁっ…そうだ…悪い…ついつい気持ちよくてそのままイキそうになった…」

少しバツが悪そうに、乱れた息を整えながら忍が零す。

この兄弟の決め事のうちの一つ。

私の口の中ではイかないこと。

なぜそう決めたのかはわからないけれど、とりあえずは私が可哀想だから…ということらしい。

良く分からないけれど、彼らなりの気遣いなんだろうと私は勝手に解釈してる。

「愛美…忍が準備をしている間、僕を気持ちよくしてくれるかな?」

先ほどまで座っていた椅子に再び腰掛けると、兄が綺麗な笑みを見せる。

「うん…私も…一緒に気持ちよくなりたい…」

「……ホント、愛美は可愛いな。そんな可愛い顔をして可愛いこと言われるとめちゃくちゃにしたくなるだろ?」

兄は私の腕をとって引き寄せると唇を塞いでくる。

私も、兄の脚を跨ぐようにして距離を縮めると、彼の頭を抱え込んでキスに応えた。

兄の腕が私の体にまわり強く抱きしめられ、直(じか)に触れ合う肌と肌。

その温もりを感じるだけで、再び自分の体が熱く火照り出すのがわかる。

「んっ…おにぃっ…ちゃっ…」

「まなみっ…んっ…ココに…入れて欲しい?」

キスを交わしながら、兄の指が私の秘部を弄(まさぐ)る。

乾き始めていたそこが、瞬く間に湿り気を帯びて潤ってくる。

「ん…欲しい…」

「じゃあ言って?いつもみたいに、何を入れてほしいのか」

「やっん、もう…」

「まーなーみ?言ってよ…じゃないと入れないよ?」

絶対意地悪だ…。

もう入れて欲しくてひくついているその部分に、自身の先をあてがいながら意地悪く微笑んでくる兄。

この瞬間もたまらなく好きらしい…兄も、忍も。

私は真っ赤に頬を染めながら、先ほど忍に対して言った言葉を兄の耳元で繰り返す。

「お兄ちゃんの……れて?」

「クスクス。もう一回…」

「お願い…お兄ちゃんの……を、入れて欲しいの…」

2度目は少し大きめに、でもやっぱり少し控えめで。

恥ずかしくなって兄の首元をギュッと抱きしめそこに顔を埋めると、可愛い。と小さく笑われながら、兄が優しく髪を撫でてくる。

「じゃあ、一緒に気持ちよくなろうか。反対向いて、愛美。忍に、僕が愛美の中に入っていくのを見せてあげなきゃね?」

なんて言いながら、スキンを箱から取り出し指先で弄んでいる忍のほうへと私の体を向けさせる。

ベッドに腰掛けている忍は、いつでもスタンバイOKというように私たちを見た。

「愛ネエ?自分で入れてよ…アニキのぶっといソレ。美味そうに咥えこんでいくとこ見といてあげる」

「なっ、もう!そういう下品な言い方しないでよぉ」

「クスクス。結構好きなクセに?」

「好きじゃないもん!!」

その言い方がおかしかったのか、可愛いぃ〜。と、2人から笑われてしまった。

なんか…面白がられてるよね、絶対。


若干腑に落ちないまま、それでも後ろから兄の手が伸びてきて胸を弄られはじめると、次第にどうでもよくなってくる。

「愛美?早く入れて…」

「あんっ…お兄ちゃん…」

兄の声に促され、私は頬を染めながらも自らの手で兄のモノを自分の秘部へとあてがう。

そしてゆっくりと腰をおろしながら、内壁を押し分け中に入り込んでくる兄のモノの存在感にうっとりと声を漏らす。

「ふぅっん…あぁ…」

「クッ…相変わらず…愛美のココは締まりがいいね…」

「愛ネエ…すげえよ。ここから丸見え…ウマそうに咥えてる。気持ちいい?アニキのモノ」

「んっもう…その言い方…やだぁ…」

「クスクス。気持ちいいよね?愛美…っ」

「あぁっ!…んっ!!」

腰を持たれてグッと置くまで突き上げられると、脳にピリッと電流が走る。

お互いに艶のある息を吐き出してから、ゆっくりと下から突き上げる律動がはじまる。

リズミカルに下から突かれ、兄のモノが心地よく内壁を擦る。

「あっ…あっ…いいっ…気持ちいいっ…お兄ちゃんっ…あぁっ…」

「気持ちっ…いい?…僕もっ…気持ちいいよっ…まなみっ…」

「あぁ…ヤベぇ。興奮してきた…ガマン汁出まくってんだけど…」

「クスクスッ…先走んなよ、忍?クッ、あぁっ…いい…中がまた締まってきた…」

そう色っぽく呟きながら、忍?と、兄は彼に何かを促す。

それを聞いた忍も、オーケー。と、意味ありげにニヤリと笑みを浮かべると、ベッドを降りて私たちの前に屈みこんだ。

律動の速度があがりはじめる。

体を激しく揺さぶられながら、それに乗って私の声も高くなる。

「あぁぁっ…やぁぁっ…おにいちゃっ…あぁあっ…」

体全体に痺れが走り始める。

頭の中が白く霞みだす。

与えられる刺激に翻弄されている私の両脚を、兄は後ろから抱えあげると、繋がった部分を屈みこんだ忍に見せ付けるかのように大きくそれを広げる。

クチュックチュッ、といやらしい音を漏らして兄のモノが出入りしているそこを、忍がニヤリと笑みを浮かべながらじっと見つめる。

羞恥心と快感が複雑に絡み合って、変に私を刺激する。

「やぁあっ…そんなっ…見ないでぇっ…」

「どうして?いつもこうして見てんじゃん。それにほら…見られてるほうが愛ネエも興奮すんだろ?」

「だって…だってっ…恥ずかしいもっ…」

「まだ理性が残ってるみたいだな?愛ネエ…何も考えられないくらい気持ちよくしてあげる。俺と、アニキとで…」

忍はそんな言葉を聞かせると、快感で膨らんだ突起部分を指の腹で強めに擦りあげてきた。

瞬間、ピリッと全身に電流が走る。

悲鳴にも似た声が漏れ、思わず眉間にシワを寄せて目を閉じてしまう。

兄のモノが私の中を攻め立てる。

忍の指が、私の花芽を刺激し蜜を更に誘い出す。

もう、何も考えられなくなっていた。

狂いそうなほど快感の波に押し流されそうな私。

いつの間にか、胸に吸い付いてきた忍の頭を抱えていた。

自分の力では支えきれなくて、背中を兄の胸に預けるとグッと顎を持ち上げられて唇を塞がれた。

なにがどうなっているのかもうわからない。

私はただ…2人から与えられる快楽に身を任せるだけ…

兄の唇が離れると同時に襲い掛かってくる果ての波。

「いやぁぁっ…もうっ…ダメッ…いっちゃうぅぅっ…」

「あぁぁっ…僕も、もうっ…」

「愛ネエ?今のアニキ、すげえ色っぽい顔してるぜ?こんな顔をさせるのは愛ネエだけだな」

忍の助けを借りて、兄と向き合った体位に変える。

目の前に映るのは、いつもの優しい兄ではなく、艶めいた男の顔をした兄の姿。

それだけでも胸の奥がキュンとなり、愛しさが溢れ出してくる。

「お兄ちゃん…んんっ…おにいちゃんっ…」

「まなみっ…あぁっ…ああっ…まなみっ…僕の、なまえ…呼んでっ…」

「かおっ…かおるっ…あぁっ!いいっ…気持ちいいっ!!」

「僕も気持ちいいよっ…まなみっ…」

お互いを呼び合いながら、舌を大きく出して絡めあう。

その兄の舌が私の首筋を伝って胸にたどり着くと、今度は忍の舌が私の舌に絡み付いてくる。

「アニキの次は俺のな…愛ネエの中で気持ちよくさせて…」

そう言って、舌をしゃぶり取りながら忍は自身を私に握らせる。

兄からの律動に酔いしれながら、意識が朦朧としつつ忍のそれをぎこちなく扱く。

そして再び訪れた果ての予感。

「あっ…あっ…もっ…もうっ…あぁぁっ…あぁぁぁっ!!」

「あぁっ…まなみっ…あぁあっ…イク…っくっ…あぁぁっ」

ギュッと私の体を抱きしめ熱いしぶきを解き放った兄の頭を片腕で抱え込み、私も同じように果てた。


荒く息を吐き出し、兄と濃厚なキスを交わしながら少しだけ体を落ち着かせる。

普通のカップルならここでまどろむところだろうけど…

「ごめんな、愛ネエ。キツイと思うけど…俺もう我慢できねえから…んぁっ!!」

「あぁぁっ!!」

私はまだ休ませてもらえない。

グイッと腰を高く持ち上げられたかと思ったら、兄が抜けてもまだひくつきが残るその場所に後ろから忍の荒ぶったものが一気に中を貫いてきた。

これ以上無理というほど腰を密着させて奥を攻めてくる忍。

兄とはまた違った場所に先があたる。

「あぁっ…すげえ気持ちいい…程よく中が動いてて…っく…やべえ…我慢しすぎでもうイキそ…」

「あぁあっ…しのぶっ…あぁっ…」

私は兄の首元に腕をまわし、そこに顔を埋めながら自分の体を支える。

激しく忍が後ろから中を突いてくる。

再び自分の肌が痺れてくる。

兄は私の首筋に舌を這わせながら、律動に乗って揺れている私の両胸の乳首を指先で摘んでクリクリッと転がす。

「あぁっ、いいねアニキ…愛ネエの中がまた締まってきた…愛ネエ?アニキに胸を触られて気持ちいいの?」

「あぁっ…んっ…気持ちいい…」

「忍に突かれてるから気持ちいいんだよね?」

「あぁぁっ…んんっ…どっちも…全部っ…気持ちいっ…あぁぁっ!」

「クスクス。やらしい子…愛美、言ってあげたら?忍にさ。忍の気持ちいいよって」

私の耳を甘噛みしながら、兄は意地悪くそう囁いてくる。

理性をなくした私は、言われるがままにその言葉を口にしていた。


「あぁぁっもう、無理っ!愛ネエにそんな可愛いこと言われたらっ…」

更に忍の腰の動きが激しくなり、私の体が揺さぶられる。

「いやっ…いやっ…あぁっ…しのぶっ…あぁぁっ」

「愛美?イヤじゃなくて、いいって言ってあげないと?」

兄は私の体を起こし、胸に吸い付きながら含み笑いを漏らす。

そして、口に含んでいないほうの乳首を指先で転がし、もう片方の指を使って突起部分を腹で擦ってくる。

忍の腰が打ち付けてくるたびに、卑猥な水音が部屋に響く。

兄の指の動きが激しくなるにつれて、中から溢れ出す蜜が増す。

「あぁぁっ…ヤバイっ…すぅぅっ…あぁっ…あぁあっ…」

「ああンっ…忍っ…あぁぁっ…あぁぁあっ…」

「もう出るっ…あぁっ…出そう…あぁぁっ…ヤバイッ…出そう、出そうっ…いい?愛ネエ…出して…ああぁっ」

「あンッ…忍っ…すごいっ…あぁあっ…もうイッチャウっ!!イクイクッ…あぁぁんっ!!」

「あぁっ、もっ…もっ…出るっ出ルっ…あぁぁっ!っくぁっ…あぁぁぁっ!!」

この上なく激しく揺さぶられる体。

肌が痺れ、頭の中が真っ白になると同時に私は体を仰け反らせる。

ぎゅぅっと忍のモノを締め付けるように、私の中が大きく伸縮する。

実際感じることは出来なかったけれど、忍のモノが波を打って熱い液を吐き出したのがわかった。


体全体から力が抜けて、倒れこむ私の体を兄が優しく抱きとめ髪を撫でる。

「愛美、気持ちよかった?」

「はぁ…はぁ…んっ…よかった…」

「極上の女の顔だね…そんな顔をして、どこまで僕たちを虜にさせる気?」

「んっ…お兄ちゃん…」

「他のヤツには絶対触れさせねえから。愛ネエは俺たちだけのモノだからな?」

「あんっ…忍…」

ベッドに寝かされ、代わる代わるにそう言って優しくキスをされる。

そして、暫くの間その2人に挟まれて、心地よい空間に酔いしれていた。


対照的な兄の薫と弟の忍。

学校でも有名なその麻生兄弟と戸籍上のキョウダイとなった事がキッカケで。

私たちの中には、誰にも、親にさえも内緒にしておかなければならない秘密ができた。


「愛美…好きだよ…」

「俺も、愛ネエが好きだ」


そう、私はこの兄弟に愛されている。

キョウダイとしてではなく、一人の女の子として。

そして私も、彼らを兄弟として見ていない。


「うん。私も…2人とも大好き」


それは誰にも言えない私たちの秘密――――Love of triangle



- end -

2009-07-07 メルマガ先行公開

某サイトを作って、某H.Nでアップしていたものなんですが……
なかなか続きを書くことが出来ず、これ一作品だけではサイトとして成り立たないと思ったもので
若干、表現を修正して (え、出来てない? 汗) こちらに置くことにしました。

こちらは「あい*あむ☆ますこっとがーる」以上にハードな内容?なので、どうしようかなぁと悩んだんですけどね(^_^;)
中には、こんなの大好き♪って言ってくださる方もいらっしゃるのではないかとか思ったりして。
少々受け入れがたいシチユかもしれませんが…割り切って読んでいただけると御の字です(苦笑)
たまにこういうエロ系も書きたくなっちゃうもので。 読みたくなる方もいるかな?とか(あくまで勝手な想像)

結構尻込みしつつアップしているので、ドキドキした〜!なんて言っていただけると喜びます^-^

神楽茉莉