*恋は突然に… 次に私が目覚めたのはキングサイズのベッドの上だった。 「智香さん・・・大丈夫?」 目を開いた私を微笑みながら覗き込む秀の顔が目に映る。 「秀・・・私気を失ってたの?」 「クスクス。イクのと同時くらいに意識も飛ばしてた。そんなによかった?夜景見ながらのエッチ。」 「・・・・・バカっ。何言ってるのよ。」 秀は私の髪を優しく撫でながら真っ赤になる私に、かわいい。と呟いて額にキスをする。 「せっかくだからさ、シャンパンにフルーツ食べる?」 「ん。いただこうかな。」 「了解。ちょっと待ってて、今取ってくっから。」 ぽんぽん。と軽く頭を叩くとドアの向こうへと歩いていく。 もぅっ・・・どっちが年上なんだか。 秀にかかれば、3つ年上の私だって敵わない気がしてくる。 ――――俺がもう少し『立派な男』になったら結婚しよう? 先程言われた秀からの嬉しい言葉。 改めて思い返し、自分は秀とつり合いの取れた女になってるだろうか。と不安が過る。 秀を見ていると、彼との3年のブランクを無駄に生きてきた気がする。 何事にも前向きで自分の事も私の事も仕事の事もきちんと考えている彼。 眩しすぎるよね・・・・・。 「お待たせ〜。ほらっ、智香さんの好きなメロンもあるよ?」 「あっ!ほんとだ。美味しそう。一個しかないじゃない・・・・・もらってもいい?」 「クスクス。どうぞ?何てたって今日は智香さんの誕生日だからね。」 「私達の記念日でしょ?」 そう微笑むと、グラスにシャンパンを注ぎながら嬉しそうに微笑み返してくる。 「じゃ、まぁ智香さんの誕生日と俺らの記念日って事で乾杯しましょうか?」 「クスクス。うん、そうね。」 秀からグラスを受け取ると、かんぱ〜い。と2人で声を揃えてグラスをカチンと鳴らす。 「・・・・・秀?」 「ん?どうした?」 「私も・・・・・愛してる。」 一瞬驚いたような表情を見せたけど、すぐに嬉しそうにはにかみ、聞こえてたんだ。と 少し恥ずかしそうに鼻の頭をかく。 だって、お互い1年付き合って口に出して言った事がなかったんだもん。 改めて言葉にするとすごく照れるわね、これって。 だけど・・・『愛してる』って彼だけに伝えられる言葉。彼だけに伝えたい言葉。 その言葉を噛み締めながら秀と歩んできた1年を振り返り、私も秀に相応しい女になろう。 そう心に誓ってシャンパングラスに口を付けた。 + + Fin + +
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