*君の あなたの 微笑に 「気持ちよかった?」 先生は私の体を抱き上げて、キングサイズのベッドに運びながらそう言って優しく微笑む。 「ん・・・よかった。」 真っ赤な顔でそう呟くと、よかった。って言って先生はにっこりと笑う。 私を静かにベッドに下ろすと、先生もバスローブを脱ぎ捨てて一緒にベッドに横になり、私の唇を塞いでくる。 先生は私と唇を重ねながら、腕を頭上に伸ばすと何かを手に取りそれを開ける。 「・・・ちょっと待ってね。」 一旦唇を離して体を起こすと、先生は何やらし始める。 ・・・・・なんだろう? 不思議に思って先生と同じように体を起こし、視線の先に映ったものに視線が固まる。 うわっ!なに、あれ?先生の・・・あんな形をしてるものなの?あれが私の中に? 「千鶴・・・あんまり凝視されると・・・ちょっと恥ずかしいんだけど。」 「え?あ、うわっ!ごっごめんなさいっ!!」 ちょっと私ったら、すっごい凝視してたよ。わぁー、恥ずかしー。 慌てて視線を逸らせてベッドに伏せると、先生が苦笑を漏らす。 「さて、と・・・準備もできたし・・・。」 先生はそう言って私の隣に体を横たえると、再び軽く私にキスをしてくる。 「・・・痛かったら言ってね。」 「・・・うん。」 唇を離して私の体に覆いかぶさってくると、ゆっくりと中に入ってくる。 「・・んっ!!」 途端に大きくなる存在感に私の眉間にシワがより、顎が上がる。 「千鶴・・・っ痛い?」 「ん・・・だい・・丈夫。」 最初少し違和感を感じたものの、最初の時程の痛みもなく自然に彼を受け入れられる自分がいた。 ゆっくり、ゆっくり先生と繋がっていく。 その嬉しさと先生からの優しさを感じ取りながら、私は腕を彼の首にまわす。 「千鶴、痛くない?動いても・・・大丈夫?」 「うん・・大丈夫だよ?」 先生は私の声を確認すると、ゆっくりと動き始める。 初めてした時よりも感じる先生の存在。 あの時は痛みの方が大半を占めてたけど・・・。 「あっあっ・・やっ・・センセッ・・んんっ!!」 「ち・・づるっ・・・。」 以前には感じられなかった快感が私の大半を占める。 どうしよう・・・すごく、気持ちいい・・・。 徐々に大きくなっていく彼の動き。 それに翻弄されながら、私の意識が白く霧がかってくる。 「今日は・・・ちょっと激しくなっちゃうかもっ・・・。」 「・・・センセっ?」 ――――だって、すごく気持ちいいから。 そう切なそうな少し掠れた彼の声が耳元から微かに聞こえて、きゅん。と自分の中でも反応を見せる。 先生は言葉どおり、徐々に律動の速度を早めてくる。 「あぁんっ!センセッ・・・あっ・・あんっ!んっ!!」 「千鶴っ・・・こういう時はっ・・・名前で呼んでって言ったでしょ?・・っく!!」 「はんんっ・・きょっ・・いちさっ・・恭一さんっ!気持ち・・いいっ。」 「俺もすごくっ・・・ごめんっ、千鶴・・・ほんとに激しくなっちゃいそっ・・・。」 先生は私の両膝を抱え上げると、更に深くを突いてくる。 最初の時とは比べ物にならない程、奥を攻められ激しく体を揺さぶられる。 それに自分を見失わないように必死に彼にしがみ付き、徐々に意識が登って行くのを感じていた。 「恭一さんっ・・もうダメっ・・・わたし・・私っ!!あぁぁぁんっ!!!」 「千鶴っ!!っっく!!」 完全に意識が白い霧に覆われた頃、先生も奥深くで動きが止まり色っぽい声を吐きながら、私の体の上に倒れこんだ。 「もーっ!先生、さっきから何ニヤニヤしてるの?」 帰り道の車の中、すっかりと景色は暗くなり所々山間から街の明かりが遠くに見える。 私は先生と手を繋いだまま、ぷくっ。と頬を膨らます。 だって、先生ったらホテルから出てからずっとこの調子でニヤけっぱなしなんだもん。 もー。何、笑ってるのよ。 「ニヤニヤって・・・失礼だなぁ。ニコニコって言ってくれない?」 「どう見てもニコニコ顔には見えませんー。」 「あはははっ。そぉー?」 「だから、何笑ってるの?って聞いてるの!」 「千鶴がね、女の子から女になっちゃったなぁって思って。」 「なっ?!そっそれは今日じゃないもん、この前だもん。」 先生の言葉に真っ赤になってそう呟くと、クスクス。と先生はおかしそうに笑う。 「んー、そうなんだけど。今日は更にそう思ったから。」 「なによー。」 「だって、『気持ちいいー。』って千鶴の口から出たもんね?」 その言葉に更に、ぼっ!と顔が赤くなる。 「やっ!なっ!!そういう事を口に出して言わないでくださいっ!!!先生のエッチ!」 「うん、エッチだもん。」 そうあっけらかんと言ってのける先生に、言葉が詰まる。 「・・・でも、初めての時から2回目まで随分と間があいてたよ?」 先生の言葉に面食らいながらも、自分でもこんな事を言ってるなんて・・・。 ・・・私の方がエッチなのかも。 私の言葉を聞いて、先生は、ぎゅっ。と繋いだ手に力を入れる。 「俺だってずっと千鶴を抱きたかったよ?だけど、夏休み明けてからテスト作ったり採点したりしなきゃダメだったし、千鶴だってその為の勉強をしなくちゃいけなかったでしょ?受験で大事な時に成績を下げるわけにもいかないし・・・だから、我慢してたの。千鶴にも少し寂しい思いをさせちゃったね、ごめんね。」 「・・・先生。」 「こういう時期だから、まだまだ千鶴に寂しい思いをさせちゃうかもしれないけど・・・俺はずっとずっと千鶴の事が好きだから。ずっとずっと傍にいるからね。」 「うん、私も先生の事が大好き。先生の為にも勉強頑張るね。」 「クスクス。うん、頑張って・・・特に英語をね?」 「ぬぅっ。」 ・・・そこで話を落とさないで欲しい。 ガクン。とうな垂れる私を見て、先生が、あははっ。と声に出して笑う。 「・・・もう少しで着いちゃうな。」 暫く車を走らせて、先生が少し寂しそうな声で、そうボソッと呟く。 あぁ、もうすぐ家に着いちゃうんだ・・・先生といるとあっという間に時間が過ぎちゃう。 やだなぁ、まだもうちょっと一緒にいたいな。 私がしゅん、としていると、先生が急に手を離す。 「今日はちょっとは遅くなってもいいってお許しが出てるから・・・。」 先生は道路わきに車を停めて、私に向かってニッコリとそう言って微笑んでくる。 「・・・もうちょっとだけ夜のドライブを楽しもうか。」 俯き加減だった私は、その言葉に頭を上げて満面の笑みを浮かべると、うん!と大きな返事を返す。 「クスクス。いい返事。」 先生は微笑んだまま私の肩を抱き寄せて軽くキスをしてくると、私の視線に合わせてくる。 「じゃぁ・・・」 お互い顔を見合わせて、一緒に息を吸い込んだ・・・ ――――Let’s go !!
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