*Secret Face ☆★ 新一Side ★☆ 情けねぇ・・・3日ともたないなんて。 会いたくて、声が聞きたくて・・・どうしようもなくって。 気が付いたら雨の中傘もささず、俺は姫子のマンションへと来ていた。 さすがに部屋に入るのは気が引けて俺は階段に腰を下ろし、携帯を握り締めた。 こんな情けない男なんて、嫌われちまうかもな――――俺の口から苦笑が漏れる。 どれくらい待っただろうか。もうそろそろ姫子がバイトから帰ってくる時間。 今日は雨が降っているから歩いて行ってるんだろうけど・・・大丈夫だろうか。 そんな事を考えていると、突然携帯が鳴った。 姫子・・・・・。 俺は即座に携帯に出る・・・『っめんね。ごめんね、新一。私・・・やっぱり・・』・・・耳に届く 愛しい声。 姿を見せた姫子に俺はたまんなく抱きしめたくて、キスをしたくて抱きたい衝動に駆られる。 家の中に入るまでは何とか抑えたけど、もう自制が効かなかった。 ずっと触れたかった肌に唇に、俺はまだ玄関だと言うのに無心に貪りついていた。 まだ3日しか離れてなかっと言うのに、随分と抱いてなかったような気がしてくる。 姫子を欲してた俺は繋がったまま、最後まで止めたくなかった。 本当の意味で俺のモノにしたい何モノにも邪魔されずに・・・そんな欲望が渦を巻く。 このまま・・・このまま姫子の中で。 安全日だと言う事は承知の上。明日か明後日が生理だって大体把握してたから・・・だから。 「・・・このままっ・・・っこのままイカせて・・・一度だけ。」 「んっ!!・・・安全・・日だからっ・・・・だからっ一緒に・・。」 「一緒にイクからっ・・・くっ・・・愛してる・・姫子。お前だけっ・・・。」 「私も・・愛してるっ・・・あぁぁぁぁっ!!!」 「・・・・ぅっぁっ!!!」 俺はそのまま欲望を姫子の中に解き放った。 この上ない達成感が俺を包む。 唇をついばみながら、しばらく姫子の中から抜け出せないでいた――――心地よすぎて。 「もうしばらく会わないなんて絶ってぇ言うな。」 マジで、金輪際こんな思いをするなんてごめんだ。 「俺、マジで死ぬかと思ったぞ。」 会えなくなったらマジ死ぬ。俺が俺でなくなってしまう。 それぐらい今の俺は姫子なしではいられない・・・・・マジで中毒だな。 あの後2人で一緒に風呂に入り、そこでも俺は自制が効かなくて・・・もうダメだ。 今日は離せそうにないな――――そんな事が頭をよぎる。 風呂から上がってもやっぱり離れたくなくて、ローソファーに座り膝の間に座らせてずっと抱きしめながら 至るところにキスを落とす。時々紅い印をつけながら。 そしたらまたムクムクと本能が呼び起こされて・・・俺ってサル? いや、サル以下かも。 今の俺に理性なんて言葉は無いんだから。本能の赴くまま・・・・・。 マジ、バカだ。・・・・・誰か俺を止めてくれ。 ま、誰に止められようがこのバカは治りそうにないけれど。 事が終わってベッドの上で姫子を抱きしめながら余韻に浸っていると、ねぇ。と言って俺を見上げてきた。 「会わなかった時間、何考えてた?」 「ん?姫子の事。」 「ずっと?」 俺は姫子の綺麗な髪の毛を撫でながら、「ずっとお前の事ばっか考えてた。」と囁く。 その言葉に、はにかみながら微笑むと、私と一緒だ。と呟いた。 あぁ。何か俺、今すっげぇ幸せかも。 ふと付き合う前に言われた姫子の言葉を思い出す。 『遊びで付き合うのって、藤原君はそれで幸せ?・・・・・本気の恋は見つけようとしないの?』 あの時の俺は自分の幸せなんて事深く考えてなかった。 誰かを好きになって、自分が幸せになれるかなんて――――こんなに幸せな気持ちになれるなんて。 「俺、今すっげぇ幸せだわ。」 ふと、そんな言葉が自分の口から漏れる。 「どうしちゃったの、急に。」 「ん〜?何かそう思ったから・・・お前は?」 「すっごくすっごく幸せだよ?新一を好きになって、こうやって一緒にいられる。この上なく幸せ。」 「俺も。もう離れないから。離れてなんてやらねぇから・・・前にも言ったけど。」 「クスクスっ。それは私のセリフだよ。」 私が離れない。って言いながら抱きついてくる姫子の体に腕をまわす。 小さくて華奢な体。触り心地の良い白くキメ細やかな肌。黒く澄んだ瞳。真っ直ぐで綺麗な髪。ぷっくり とした形のいい唇。すべてが俺を狂わす。 そのすべてが俺を変えてしまった。 見つけた俺の本気・・・手放したくない。 絶対離さない――――そう心に誓い、俺は姫子の体を強く抱きしめた。 今度しばらく離れるなんて言ってみろ、是が非でも止めてやる。 そんな事も固く誓いながら・・・・・。 + + Fin + +
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