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ピーチなカレ

 

 

桃から生まれたのにカレー大好き桃太郎。

桃に入って南インドへ目指しているところをじいさん・ばあさんに拾われました。
(桃は香辛料の殺菌力によってインドへ着くまで腐らない安心設計です)

インドには着かなかったけど、ばあさん特製タケノコカレー(かぐや姫ですか?)のうまさに当初の目的を忘れた桃太郎。
じいさん・ばあさんの家に寄生します。(居候と言ってやれ。)

桃太郎は仕事もせず、じいさん・ばあさんのスネをかじってカレーばっか食っていました。
経済が逼迫し、困り果てたじいさん・ばあさん。
地主様がハローワークで募っていた「村の警備員」に勝手に応募し(ジャニーズか)、桃太郎だけが書類選考に受かったもんだからサァ大変。
ばあさんからわずかばかりに渡されたカレーパン3個・・・それをじいさんに無理矢理腰にくくりつけられ、桃太郎は家を放り出されました。

重い足取りで向かった地主様の家で、待ち構えていたのは村のお偉方の連中。
「じゃ、早速行ってくれる〜?」
「は?」
「これ地図だから。じゃ、鬼退治、頼んだよ〜。」
またも地主様の家を放り出された桃太郎、行く宛てもないので仕方なく鬼ヶ島へ行くはめになりました。

 

地図を縦に向けたり横に向けたり、そして下に向けたり、時には地面に置いて自分がその場でくるくる回ったり、舐めた人差し指を立て風向きを調べたり、そこら辺の草をちぎって投げてまたもや風向きをみたりしていると、犬がやってきました。

「・・・あのぉ〜・・・さっきから何やってるんですかぁ〜?」
桃太郎の奇行に見るに見兼ねたように、犬は甘い声で尋ねてきました。

桃太郎は満面の笑みで答えます。
「鬼ヶ島に行けって言われたんだけど、どっち行けばいいかわかんなくてね〜、困ってんるんだよぉ〜。」
「ボク、案内しましょうか〜?鬼ヶ島、場所わかりにくいんですよ。口では説明しにくいし。」
「ホぉント〜?!助かるよ〜!これ、お礼にあげる!カレーパン!」
「やった!ありあと☆」

カレーパンをうれしそうに食べる犬に連れられ、鬼ヶ島に向かってると、向こうから猿がやってきました。
「何だよ、うまそうなの食ってるな。それ、よこせ。」
「やだよぉ!ボクがもらったんだもん!あげないよ〜だ!」
「何だよケチ。なんとしてでも奪ってやるよ。」

いやはや、犬猿の仲、とはよく言ったもんですね。
なんて感心しながらも、桃太郎は基本的に面倒なことは嫌いな性格でした。
「君の分もあるから、喧嘩するなよぉ〜。」
猿にカレーパンをあげることにしました。
「あ〜!ずっこいなぁ!ボク、彼の道案内したからもらえたのに!アンタ何もしてないのにもらってるじゃん!」 
「あ〜あ〜、聞〜こ〜え〜ま〜せ〜ん〜!」

いやはや、犬猿の仲、とはよく言ったもんですね。(アゲイン)

「いや、ちょっ、喧嘩はよくないよ、ね、聞いてる?」
「何もしなくてももらえるんだったら、ボクもう道案内しない!」
「え〜!?」
「おい・・・こちらの御方が困ってらっしゃるだろうが。ちゃんと案内してやれよ。」
「そう思うなら自分が案内してあげればいいだろ〜?」
「めんどくせぇから、嫌だ。」
「いや、だからっ、俺は道さえ教えてくれたらいいんだけどぉ〜・・・」


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