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カオルの碁

 

 

ボクは黒沢カオル。
人よりほんのちょっとだけカレーの好きな小学校6年生だ。

「くっそぉ〜、ないなぁ〜。あのジイサン、どこに隠したんだろ〜?」

ただ今、家の屋根裏を探険中なんだ。

何してるの、って?
さっきウチのじいちゃんがえっちな本を隠しに屋根裏に上がっていくのを見ちゃったんだよね〜。

さっきからずっと探してるんだけど、見つけにくいもので、かばんの中も机の中も探したけれど見つからないのに、ボクはまだまだ探す気マンマンだ。

まさに「とれじゃーはんてぃんぐ」って感じ!
ま、「とれじゃー=えっちな本」なんだけどね。

 

「・・・あれ?何これ?」

ほこりだらけの木の盤みたいなものが出てきた。

フゥ〜っと息を吹きかけ、ほこりを飛ばす。
その反動で息を深く吸い込んで、のどにほこりが入ってきた。

「うへっ、ごほごほっ!むせちゃったよ〜!」
ちょっとナミダ目になったのを手でぬぐって、盤を見た。

「あ!これ知ってる!たしかオセロだよな!?白と黒のコマおいて、はさまれたらひっくり返すやつだ!
・・・5番の角に白が飛び込んだ〜。次は、大事な大事な、あたっくちゃぁ〜んす!」
『あたっくちゃんす?』
「そう、こだまきよしって人がねぇ、こうやってガッツポーズするんだよ〜・・・って・・・さっき誰かの声がしたような・・・」

こわいけど、そ〜っと振り返る。


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