ペットにとってもセチガラいご時世
むかしむかし、ある国の片田舎の農家に、1匹のロバがいました。
主人である農夫は、このロバに農作物の輸送や小麦粉製造用ウスの稼動のために飼ったのですが・・・
「・・・オイ。」
「・・・・・・」
「オイっ、何ぼ〜っと突っ立ってんだ。早く歩いてウスを曳かんか。」
ほら、今まさに農夫が大声で話しかけていますが、返事すらしません。
どうしたロバよ。
「・・・って聞いてるのかキサマぁ〜っ!!」
「・・・ん?ああ、ごめんごめん。曲作りに没頭してたから。」
「仕事中に曲作ってるんじゃないよ!」
「できるだけ無重力に近い状態がいいんだけど。悪いけどこの毛、スキカルで全部刈ってくれないかなぁ?」
「するかバカモン!」
「ん?馬でも鹿でもないけど?ロバだけど?」
「やかましいわバ・・・ったく、お前はロクに働きもしないくせに『このエサはダメ』『これもダメ』とかワガママばかり言いやがって〜!
もうっ、お前にはエサはやらん!覚悟しとくんだな!」
農夫はプンスカして自分の仕事に戻っていきました。
どうやら相当のカンシャク持ちのようです。
さて、エサを与えられなくなったロバ、困り果てました。
そして導き出した結論は、
「・・・東京でも行って音楽でもやろうかな・・・。」
なんでそうなる?!!
というこちらのツッコミが届くワケはなく、ノンビリとした足取りで東京方向に向かって進んで行きました。