ショムゴ

 

「部長・・・例の極秘書類・・・どっかへなくしてしまいました・・・」
「黒沢くぅ〜ん!またぁ?これで何回目?!極秘書類なくしたら、全然極秘じゃないでしょうに!
しっかりしないと、長男なんだから!」
「・・・すいません・・・」

部長のデスクの前で深々と頭を下げる。
同僚も「いつもの光景だ」って感じでクスクス笑ってるし・・・情けない・・・

それにしてもどこでなくなったんだろ?
何でいつもいつもなくなるんだろ?

自分のデスクに戻り、そんなことを思っていると、内線電話が鳴った。

「はい、営業部黒沢でぇす。」

電話は人事部長からだった。
今すぐ会議室に来いと言う。

一体何の用事だろう?

 

 

会議室のドアを2回ノックする。

「どうぞ〜。」
中から声がする。

「失礼します。」
ドアを開けると、人事部長が立っていた。

「話というのは・・・?」
「話はすぐ済むよ。君、今日から庶務五課ね。」
「はい、わかりま・・・って、えぇ〜っ!?何ですか、その部署・・・聞いたことないですよ?」
「エレベーターで地下2階に降りて、真〜っすぐ進んだ突き当たりにあるから。じゃ、そういうことで。」

バタン。
俺を残し、部屋を後にする人事部長。

「・・・庶務・・・五課・・・?」

 

 

部署に戻り、早速部長に報告。

「部長。さっき人事部長から呼び出されて『今日から庶務五課』って言われました。」
「えぇ〜〜!?」
部長以下、俺以外の営業部社員が一斉にどよめく。

「黒沢くん!庶務五課に行っても、へこたれずに頑張って!」
「達者でな!」
「先輩のこと、一生忘れません!」

俺の周りに人垣ができ、励ましの言葉をくれる。

・・・一体ゼンタイ、どうなってんだ??


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