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「フ〜。フ〜。フ〜。はい、将軍様。あ〜ん。」
「♪え〜いえ〜んの〜夢〜を願う〜、そ〜れがどんなに、はか〜なくてもぉ〜」
「てっちゃん、もうちょっと強めに。」
「へぇへぇ、かしこまりましたよ〜・・・それにしても黒沢遅ぇな〜。」
「雄二、歌もういいから黒ぽん探してきて。」
「へ?も、もうすぐ曲終わるからもう少し歌わせ・・・」
「はい、『将軍様の命令は』?」
「・・・『絶対』・・・」
「はい、いってらっしゃい。」
「・・・もうっ、行きゃあいいんでしょ、行きゃあ!!」
「うへぇ〜・・・た、ただいまぁ〜・・・」
「あ、帰って来た。危うく入れ違えになるとこだったな・・・」
「くろさぁーさんおかえり〜!」
「遅ぇよ黒沢〜・・・」
「だって店閉まっててさぁ、随分遠くまで行ったよぉ〜。」
「で?何買ってきたの?」
「あんまりいいのなかったんだけど(ガサゴソ)はい、これ。」
「・・・ヤマトの『味カレー』・・・」
「またカレーか!!」
「さ、酒は?!酒はちゃんと買ってきたんだろうな?!」
「酒屋が閉まってて、コンビニ・・・じゃないや“よろず屋”行ったんだけど、お酒の取り扱いしてなくて・・・これ。」
「・・・甘酒・・・」
「『味カレー』買った駄菓子屋にあったから、『え〜い!これでいいや〜!』なんちゃって。」
「『なんちゃって』じゃねぇよバカ〜!酒や酒や!酒買うてこい〜!」
「ねぇ、てつ、それ『浪花恋しぐれ』?」
「てっちゃん、手が止まってるよ。」
「・・・はいよぉ〜・・・」
「フ〜。フ〜。はい、あ〜ん。」
「・・・あ〜〜〜!北山もうカレー食ってるの?!俺もすっげぇ〜食べたかったのに!」
「じゃあ、黒ぽん、みんなにカレー配ってあげて。」
「うん!」
「俺、多めでお願いしますよ。」
「わかってるってば〜♪・・・北山はもういいよね?」
「うん。おかげさまで満腹だよ。余(よ)は満足じゃ。」
「あのさ〜、買い物の行き帰りに考えてたんだけどね、将軍様ゲームって女の子いる場でするもんだったよな〜って。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「いつか女の子いる場でもやろうな〜☆5対5とかの場で・・・あれ?カレー入れたよ?食べないの?」
「・・・今日はこれ食ったら解散な。」
「え?何で?続きしないの〜?俺、さっきは使いっぱしりだったから次は絶対将軍様やりたいん・・・」
「ん、解散で。・・・いただきます。」
「いただきま〜す・・・。」
「え〜・・・俺、将軍様やり・・・」
「黒沢・・・黙って食え。」
「う?・・・いただきます・・・。???」

 

何の違和感も抱かず男5人で将軍様ゲームをしてしまったという事実に、皆むなしさと気恥かしさを感じてしまい、カレーを食べ終わると早々に解散となった。
そしてなんとなくまっすぐ帰りたくなくて、彼女の家へ向かったのであった。
(ただし、黒沢だけはむなしさと気恥かしさを抱いてなかったけども、彼女の家にはちゃんと寄った模様。)

 

 

続く・・・


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