必殺!しゴス人

 

 

「っだぁぁぁぁ〜っっっっ!!暇だなぁオイ!」
「・・・暇だねぇ。」
「んだ。暇だ。」
「暇すぎて暇だよ〜。」
「いや、それ意味わかんないから。」

 

ここは江戸の下町。
長屋の一室に青年5人が集う。

小さい卓袱台を囲み、皆で時間を潰すのが毎日の恒例行事である。

「なんか面白いことねぇかなぁ〜。ほら、ガツンと儲けて、パ〜っと遊べて・・・」
「そんなうまい話、あるわけないよ〜。」
「ないない〜。」

このやりとりもお約束となっている。

「ぐわぁぁぁ〜っ!!もう暇はイヤだ〜!けど働きたくねぇ〜!けど金欲しい〜!」

ちょっと長めのボサボサ頭を掻き毟りながら喚き散らす男―――村上てつや。
この同士を取り纏める「長」のような役目を担っている。
しかし無謀な言動が多く、他の4人を振り回してしまうこともしばしばである。

「あ!今、頭の中の電球がピカーンと光った!名案発見ですぞ!」

長い髪を後ろに束ね、猫を胸に抱っこしている男―――酒井雄二。
本来は皆の歯止め係であるが、稀に皆を煽ったり、自らが暴走してしまったりする。
そしてそれを楽しんでいるフシがある。

「何?何?早く教えてよ〜!」

目をキラキラさせながら身を乗り出す男―――安岡優。
好奇心旺盛で面白そうなことがあると我先にと参戦し、周りの人間を巻き込んでしまう。
それが大騒動に発展したとしても、笑顔を武器に皆から許されてしまう、言うなれば「確信犯」である。

酒井が皆に向かって小さく手招きする。
卓袱台を中央にして頭を突き合わせる5人衆。

「・・・仕事人です。」

「仕事人〜〜〜っっっ!!?」

長屋中に響くような馬鹿でかい高音をあげ、皆から口を押さえられる男―――黒沢薫。
本人はいたって大真面目だが、本人の意に反して皆の人生をも狂わせる。
後先考えない言動で知らず知らずのうちに事態を大きくしてしまう影響力の持ち主である。

「ダメだよ〜、今から『仕事人、します』って人が周りに聞こえるように宣言しちゃあ…」

黒沢の突拍子もない言葉に大爆笑して床を転げ回る男―――北山陽一。
持ち前の説得力で暴走する4人を食い止めることができる「5人衆最後の良心」であり、「最後の砦」。
が、笑いのツボに入ってしまうともうお手上げ。
酒井の提案が行動に移されるのも時間の問題である。


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