Bienvenue!(ビアンヴニュ)

 

ここは幼稚園の給食室。
お昼の給食が終わり、園児達が給食の空き容器を返却に来ている時間だ。

「ごちそ〜さまでした〜ぁ!」
「はぁ〜い、綺麗に食べたね。また明日もおいしい給食作るからね〜。」
「うん!」「やったぁ!」
「またね。」
「はぁい、ばいば〜い!」
白い作業着・エプロンと帽子を身につけ、ニコニコと園児達に手を振る“管理栄養士兼給食のお兄さん”の横で、大柄な男性がハンカチで汗を拭いながらペコペコと頭を下げている。

「・・・そんなこんなでですねぇ、あなたのチカラ貸してもらえませんかね?」
「嫌です。」
「いやいやいや、即答しすぎですよ!そう言わずに!ね?!お願いしますよぉ〜!」
「どうせダメ店なんでしょ?あなたの店。
子供たちは素直で可愛気があるからいいけど、どうせ言うこと聞かない大人ばっかりなんでしょ?」
「・・・ん〜、まぁ〜、そう・・・そうかもしれないんですけどぉ、そこを何とか・・・」
「嫌です。」
「お願いします!ウチの店の再建を手伝ってください!」
「・・・あなたもしつこい人ですね・・・わかりました・・・。」
「ホントですか!ありがとうござ・・・」
「ただし。幼稚園が夏休みの間の期間限定ですが。それでもいいですか?」
「はっ!はい!もうこの際何だっていいです!」

男は“給食のお兄さん”の右手を両手で握り、ブンブンと上下に振った。


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