ふたりが特命係の小部屋に戻ると、酒井が待っていた。
「今回は、事件を解決していただきまして、ありがとうございました。」
酒井は深々と頭を下げた。
「陽一さんが頑張ってくれたからね。」
「黒沢さんは?」
「俺はあんまり頑張ってないよ。」
「言っちゃったコレ!」
酒井が呆れたように言う。
「そういえば陽一さん。マジシャンの男が犯人って言ってたのに、犯人は別の男だったじゃないですかぁ〜。」
「私は『殺人事件の犯人』だとはひとことも言ってませんよ?」
「・・・・・・あ〜!もしかして!あの男が盗作してたの?」
「ええ。おそらく。」
「くそぉ〜、そう来たかぁ!」
黒沢が悔しそうに喚く。
「また何か引っ掛かる事件があったらいつでも特命係に持ってきてくださいね。」
北山が酒井に紅茶を差し出しながら言った。
「はいっ、よろしくお願いしますっ!」
酒井は紅茶に入れた砂糖をスプーンで溶かしながら、満面の笑みで答えた。
「じゃあ、事件も解決しましたし、今夜はパァッと行きますか?」
「お前のおごりでな?」
ストップモーションになる特命係のふたり。
「コラ〜っ!それは『太陽にほえろ!』のエンディングだろうがっ!」
最後までツッコミ担当の酒井であった。
【終】
「ストップモーションはわかったからもう動けっての!!」