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【安編】

『Yutaka Yasuoka.…Japan.』

場内に響き渡るアナウンスをキッカケに氷上に駆け出していくと、観客から声援が沸き起こる。
俺は右手を胸に当ててお辞儀をし、感謝の意を表した。

リングの中央に立ち止まり、ポージング。
のっけから激しい調べのクラシックの名曲に合わせて、氷上でステップを踏み、スピンを加える。

スピードに乗ったカラダは、風を縫うように広いリング全面を駆け抜ける。
今日のコンディションはバツグンだ。

そろそろコンビネーションジャンプ。大技を固めたご自慢のゾーンに突入だ。

軸足で氷を踏み締め、ジャンプ、ジャンプ!

よし、成功っ!

ステップ、ジャンプ、スピン、スパイラル。
いろんな技を交えて、曲のテーマを演じていく。

そして曲はラストへ向けて更に盛り上がる。

リングの真ん中、眩しいライトを浴びて、スピンのスピードを徐々に上げて・・・
曲が終わると同時にスピンを止めてポーズを決める。

一斉に巻き起こる拍手と歓声。
登場時と同じく、胸に手を当てお辞儀。
その姿勢から、投げ入れられた足元の花を拾い上げ、その香りを嗅ぐ。
うん、いい匂い!

今日は今までで最高のスケーティングができたと自負している。
結果も期待できそうだ。

あ、ちなみにエキシビジョンはちょっとセクシーなノリでいくつもりだよ。


【解説】
・・・というワケでY氏はフィギュアスケート。
似合うよね!コレ絶対似合うよね!表現力豊かよね!

ユタカさんはエンターティナーである。(しつこい)

 


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