【第2回戦/神経衰弱】
「・・・んもぅ、今度は怒んないでくださいよ?」
「・・・俺はまだ納得いってねぇ・・・」
「もう、ほっといて始めようよ、雄二・・・」
というワケで始まったゲーム。
テーブルの上には裏返しになったトランプで敷き詰められている。
それを順にひとり2枚ずつ開いていき、同じ数字なら2枚ゲットとなり、カードがなくなるまで続けられる。
「じゃ、安岡から、どうぞ?」
「あ〜い。・・・ま、最初だから・・・ほら、合うワケないよね〜。はい、次、酒井さん。」
「どこでもいいか。ほい。・・・ほい、あ・・・」
酒井の2枚目で、早くも安岡の開いた数字とカブる。
北山がそれを覚えていないはずはない。
「ここと、ここ。」
北山、早々に2枚ゲット。
その後の2枚はやはり数字が合わず、黒沢の番に。
「これさぁ〜、なんでキレイに並べないワケぇ〜?覚えにくいんだけど・・・」
「・・・キレイに並べたら覚えれるワケ?」
「いや、そういうワケでもないんだけどさぁ〜。」
「ないんかい!」
「ほら、『新婚さんいらっしゃい!』のペアマッチは得意だよ?」
「・・・あれは一定の法則で配置されてるからでしょ・・・」
「だいたい『タワシ』がハワイ旅行なんだよね〜。」
「黒ぽん家には『YesNoまくら』ないの?」
「ないよぉ〜!枕で今晩YesかNoか言わなくてもいいだろぉ?・・・♪Yes,No,Yes〜、って安岡、あの歌『YesNoまくら』の歌なの?」
「こら黒沢!早くしろよ!『新婚さんいらっしゃい!』の話はもういいっつの!」
村上に『新婚さんいらっしゃい!』話をシャットアウトされた黒沢は、渋々カードをめくる。
「あ、そこ、さっき北山さんがめくったとこだよ?」
「え、ホントぉ?!・・・しまった・・・『新婚さんいらっしゃい!』の話に気を取られている間にすっかり忘れてたよぉ〜・・・」
「・・・」
「・・・・・・パス。」
「神経衰弱でパスなんかあるワケないだろうがっ!」
〜ゲームがなかなか前に進まないので、中略〜
ゲームは終盤。
現在、北山の番である。
「・・・あのさぁ〜、さっきから全然順番回ってこないんだけど〜・・・」
「仕方ない・・・北山だから・・・」
驚異の記憶力と驚異の偶然で、ずっと北山のターン。
手持ちのカードの枚数は、ひとり飛び抜けている。
「じゃあこれが最後の2枚ね。・・・はい、終了。」
「・・・」
第2回戦、神経衰弱対決。
枚数を数えるまでもなく、北山の圧倒的勝利。