タクシー

 

☆登場人物
 タクシー運転手(酒井)
 客(村上)


(暗転〜BGM:『侍ゴ○ペラーズ』終了と同時に溶明)

 

タクシー運転手、運転席のシートに見立てた椅子に腰掛けている。
その後ろに後部座席に見立てた長椅子が置かれている。

運転手、声を出さず腹を抱えて爆笑。

上手からサングラスを掛けた客がふらりと現れる。
客、タクシーを見つけ、小さく手を上げ合図。

運転手、爆笑中で客に気づいていない。

客、後部座席の窓をノック。

運転手、客の存在に気づき、腹を抱えながらレバーを引く動作。
ドアの開くSEと同時に、運転手、声を出して爆笑する。

運「はぁっはっはっはっはっ!」

客、後部ドアの辺りから覗き込む。

客「・・・乗っていいの?」
運「あはっ、あ、はい、どうぞどうぞ。」

ヘラヘラしている運転手。
不愉快そうに後部座席に腰掛ける客。

運転手、レバー引く動作。ドア閉まるSE。

運「え〜っと。どちらまで?」
なおもヘラヘラ。

客「シーエック・・・お台場のフジテレビまで。」

運「はいっ。」
ギアチェンジ後、ハンドルを動かす動作。

客、乗車早々寝る態勢。

運「いやぁ〜、おもしろいっすよね!鶴光!」

客、黙ったまま眉をぴくりと動かし、運転手を威嚇。
運転手それに気づかず、引き続き満点の笑顔。

運「青梅国際マラソン!レマン湖のほとり!」
客「(遮るように)あの〜。眠たいんで。静かにしてもらえます?」
運「あは、すいませぇん。」
客「あと、ラジオも消していただけますか?すいません。」
運「あ、はい・・・。」

運転手、しょんぼりした表情でラジオのスイッチオフの動作。


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