ごすぺらぁず の ショートコント
≪ウブい男子高校生≫
☆登場人物
男子高校生(酒井)
転校生の女子(安岡)
(暗転〜溶明/ブリッジ:「♪もういいかい〜、ま〜だだよ〜ぉぉぉ〜」)
ステージ上手側に、下手を向くように学校の机とイス2セット。
その片方に学ラン姿の男子高校生が座っている。
男「(後ろ向きながら)今日さ、ウチのクラスに転校生がくるらしいぞ?どんなヤツかな?」
セーラー服の転校生、下手から登場。
女「はじめまして、安岡ゆた子ですっ☆よろしくお願いします!」
男「(後ろ向きながら)女子だったな。」
男子、後ろの席の生徒としばし雑談していたが、慌てて振り返り、転校生とその隣の教師の方を交互に見る。
男「・・・え、え・・・お、俺・・・?」
転校生、男子の方へ向かって歩いてゆき、男子の隣の席へ座る。
転「はじめまして安岡です☆わからないことがいっぱいあると思うから、いろいろ教えてね!」
男「あ、あぁ・・・うん・・・も、もちろんっ・・・」
転「うれしいっ☆ありがとう!これからよろしくね!」
男「あ、うんっ、こ、こちらこそよろしく・・・」
男子、いきなり挙手。
男「先生、ちょっとトイレに・・・ええ、すいません・・・」
男子、席を立ち、ステージ奥に向かっていく。
転校生、その様子を見送った後、教壇の方に向く。
男「がらがら、ピシャン。(擬音に合わせて、ドアを開け廊下に一歩出て、閉めるアクション)
・・・惚れてまうやろ〜!(叫ぶ)これは、青春マンガとかの第1回目でよくある、恋の予感を感じさせる、やつや〜!!(叫ぶ)」
転校生、教壇を向いたまま。
男「がらがら、ピシャン。(擬音に合わせて、ドアを開け教室に入り、閉めるアクション)」
男子、自分の席へ戻り、着席。机の中から教科書を取り出す。
転「ね、ね、酒井くんっ。」
男「どうした?」
転「まだ教科書がないんだよね・・・酒井くんの、一緒に見せてもらっていい?」
男「あ、あぁ、うんっ。」
転校生、「ありがと〜☆」と言いながら、自分の机を男子の机の方へ寄せ、くっつける。
そして男子の机の方へ身を乗り出すようにして教科書を覗き込む。
男子、教科書を丸めて持ち、机の上に立てて置いて、その教科書の“輪”に向かって「惚れてまうやろ〜!」と叫ぶが、音がこもって聞き取れない。
転「酒井くん?」
男「あ、いや、ちょっと発声練習。ごめんごめん・・・」
転「そっか☆なら、いいんだけど♪」
ふたり、ノートを取り出し、黒板の文字を書き写す動き。
男子、筆箱の中を漁る。
転「酒井くんどうしたのぉ?」
男「(筆箱を漁りながら)ちょっと消しゴムが見当たらなくて・・・」
転「(未使用の消しゴムを男子の机の上に置きながら)はい、コレあげる!私もう1コ持ってるから☆」
転校生、使用済みの消しゴムを筆箱から取り出して見せ、それを自分の手元へ置く。
男子、受け取った新しい消しゴムの紙ケースをはずし、それを口に当て、「惚れてまうやろ〜!」と叫ぶが、聞き取れず。
転「ごめん、大きなお世話だったかな・・・?(心配そうに)」
男「いや、ち、違うよ!こ、この消しゴム何のニオイかな〜と思って・・・」
男子、取り出した消しゴムを鼻のところへ持っていく。
転「なぁんだ、そういうことだったのかぁ。ビックリしちゃった♪」
ふたり、ノートに黒板の文字を書き写す動き。
男「あっ、は、はいっ・・・!(立ち上がる)え、えっと・・・えっと、あの・・・」
転「(小声で)・・・川端康成・・・」
男「あっ、え、川端、康成です・・・」
男子、安堵の笑顔(しかし引きつった笑み)で着席。
机の横にかかっている通学カバンの口を開け、そこへ顔を持っていき、「惚れてまうやろ〜!」と叫ぶが、聞き取れず。
男「(起立して)あっ、はいっ!す、すいません!すいません!・・・はいっ!・・・はいっ・・・」
男子、教師に注意され、うつむき加減でステージ奥(廊下)へ向かっていこうとすると同時に、転校生が机の引き出しから携帯をこっそり取り出し、操作。
転「(小声で)あっ、カレシからメール来てる〜☆(満面の笑み)」
男「(客席に向かって指差しながら)気をつけなはれや!(教壇の方に向き直して)・・・あっ、すいません、すいませんっ!もうしません!」
(暗転)
※Wエ●ジンのネタ。ただ単にS氏に「惚れてまうやろ〜!」を言わせたかっただけ(笑)