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女性店員、お盆にグラス5つ乗せ、下手から現れる。

 

女性店員「お待たせいたしました〜。美少年のお客様〜。」

5「は〜い。」

5人、同時に挙手。

 

女性店員、グラスをひとりひとりの前に置き、酒井の横で片膝をつく。

女性店員「お料理のご注文伺いま〜す」

村「店長オススメ 水菜と大根の甘酸っぱいパリパリ和風サラダ」
黒「茶美豚と有機白菜の激辛豚キムチ 青ネギ山盛り仕立て」
北「新鮮活魚の刺身5種盛り合わせにイカ塩辛とたこわさを添えて」
酒「日向地鶏とたっぷりキノコずくしのチーズフォンデュ風パスタ」
安「本場名古屋コーチン手羽先唐揚げ コッテリ味噌煮込み風味。とりあえずそんなもんで」

女性店員「かしこまりました〜。失礼いたしまぁ〜す。
オーダー通しま〜す。ぱりサラ、ぶたキム、刺身5種、チーズパスタ、手羽、以上で〜す!」

女性店員、下手に去りながらオーダー通す。

男性店員(声のみ)「はいよぉ〜!」

 

安「ったく!端折ってオーダー通すんなら長い料理名つけんなよ!」
村「手羽先なんて、“手羽”だぞ?もはや手羽先か手羽中か手羽元かもわからなかったぞ!」
酒「つぅか、そもそも何故店員は毎回毎回片膝つくんだ?」
北「実は忍者なんじゃないの?」
黒「・・・くのいち?」

5「エロぉ〜・・・」

黒「水とんの術も、くのいちがやるってだけでエロいもんな。」

黒沢、顔を上に向け竹筒をくわえるゼスチャー。

村「逆に、エロくないとくのいちじゃないだろ。」
安「『カブト虫は昆虫であるが、昆虫はカブト虫じゃない』。
『くのいち、イコール、エロい』っていうのはいいけど、『エロい、イコール、くのいち』じゃないっしょ。」
酒「たしかに“くのいち”という言葉はエロいが、エロくないくのいちも少なからずいるだろ。」
北「例えばどんな?」
酒「ストイックに修行しすぎてボディビルダー並にムキムキだったら・・・?」

5「う〜ん・・・微妙・・・」

北「色仕掛けされたのに脱がせたらムキムキ、っていうのはやだなぁ。」
安「詐欺だよね。」
黒「色仕掛けで敵が油断したところを殺すんじゃなくて、ただ単に精神的ダメージを狙ってるだけだったりして。」
酒「恐るべし、くのいち!」
村「・・・って、くのいちのことはどうでもいいんだよ!乾杯するぞ!」

5人、グラスを軽く掲げる。

5「Cincin!(チンチン)」

安「イタリア語で“乾杯”って“Salute!(サルーテ)”とか他にもいろいろ別の言葉があるのに、よりによってなんでこの言葉・・・」
北「ま、いいんじゃないの?“乾杯”っていう意味で使ってるんだから」
安「この顔ぶれで言うと乾杯には聞こえないじゃん!」


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