5年後。
コンコン。
小さなノックの音がする。
「はいは〜い。」
酒井がドアを開けるが、人の気配がしない。
「ん?」
「こんにちわぁ。」
「ん?」
下の方から声がする。
「こんにちわぁ。」
小さい女の子が酒井を見上げている。
「こんにちわぁ。いろはです。」
「いろはぁ?!」
酒井の声に4人が一斉にドアに集まる。
「こんにちわぁ。」
「いろは!」
「あのね。きいてね。」
「ん?」
「♪さがしてたあしたが・・・いまここに、あるよぉ〜」
いろはが一生懸命歌詩を思い出しながら歌う。
5人は小さな歌い手の歌に聞き入った。
いろはは1番を歌い切り、「おわりです。」と言って頭を下げた。
「いろは〜!!」
「上手に歌えたな!」
「逢いたかったぁ!」
久しぶりの再会に5人はいろはを抱き上げた。
いろはもうれしそうな笑顔を浮かべた。
歌うことで多くの人々に夢と感動を与え続けてきた5人にとって、それは決して忘れることはない大切な歌となった。
Fin