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一瞬の沈黙の後、拍手喝采を浴びた。
観客みんな立ち上がってスタンディングオベーションだ。

まさかこんなにうまくいくなんて。
まさかこんなに喜んでもらえるなんて。

オレは観客の様子をプールからぼ〜っと見ていた。

「先輩、やりましたね!」
安岡に握手を求められる。
握手を交わし、そして抱き合った。

3人もオレたちの元へ泳いでくる。
みんなで抱き合って互いの健闘を讃え合った。

“Team その他大勢”からもオレたち5人に拍手を送ってくれる。

拍手は止まない。

5人で外向きに小さな円形を作り、隣同士のヤツと手をつないで一斉に挙げた。
拍手と歓声が一際大きくなる。

「黒沢。」
背後から、ちょうどオレの真裏にいた村上の声が聞こえた。

「ん?」
「高校生活で最大の記念ができた。感謝してる。ありがとうな。」
「こちらこそ。ありがとうな、村上。みんなもありがとう。みんなが頑張ってくれたおかげだよ。」

自分たち5人にしか聞こえない声で感謝の意を伝えた。

 

頑張ればきっとスポットライトが当たる日が来る。
それはオレひとりの努力だけじゃ浴びることはできないんだな。

4人の頑張りと励まし、安岡のジイチャン、ジジババ軍団、“Team その他大勢”、美術部のみんな、すべての観客・・・
いろんな人たちの力があって初めてオレにもスポットライトが当たるんだな。

ひとりでくすぶってた昔がバカらしく思えるぐらいだ。

 

踏み出す勇気があれば、不可能が可能になることだってあるんだ。

輝く自分を・・・見つけ出すことができるんだ・・・。

 

 

END


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