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「さすがは俺の愛用品だな。百発百中だよ。俺の・・・クロサーP38〜♪」
「何だそれ!?だっせぇ名前だな!」
「うっさいな〜!いいだろ別にぃ〜!」

カオルはクロサーP38という名の銃をポケットに入れた後、その手でポケットを探り、隣にいたヨウイチにも宝石を手渡した。

「ヨウイチ、助けてくれてありがとう。これあげる。・・・あ、赤だね。『命の炎』っていうんだって。」
「・・・ありがとう。」
ヨウイチは受け取った赤い宝石を、月光に透かすようにして見つめた。

同様にテツヤにも宝石を渡した。

「テツヤも、ありがとう。・・・テツヤのは青か。これは『竜の涙』だよ。」
「・・・サンキュ。」
テツヤは受け取ると、それをちらりと見てすぐにポケットに収めた。

「ユタカ〜!」
カオルはポケットから残りふたつの宝石を取り出しながら、車の少し前を走るユタカを大きな声で呼んだ。

「ん?何?」
ユタカはスピードを落とし、車と並走する。

「ユタカ、お疲れさま。お前にはやっぱり『春の風』だな。はい。」
カオルはユタカにピンクのダイヤを投げた。

ユタカは片手でうまく受け取ると、「おかえり☆」と言ってその石にチュッと口付けた。

「俺は残り物・・・黄色、『陽の光』だな。ま、カレー好きだし、ちょうどいいな♪」
そう言いながら、カオルは黄色い石を手のひらの上で転がしている。

「あ〜、いっぱい動いたから腹減ったな〜!・・・なぁユタカ〜。」
「ん?何?」
「帰ったら『大地の盃』貸してよ。それにカレーを盛って食べるから。」
「ぜっっっ・・・たい、イヤ!!」

ユタカはそう言い残し、逃げるように街へ向かって走り去って行った。

 

 

fin


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