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「ここがオレんち。今日からここがテツヤの家だよ。」
「知ってる。」
「へ?何で?!」
「学校でぶっ倒れてたろ?俺が家まで送ってやったから。」
「あ!あれ、テツヤだったの?!おかしいなと思ってたんだよ〜。」
「なんとかお前に恩返しがしたかったからな。」
「ありがとう。テツヤっていい奴だなぁ〜。」
「いえいえ、どういたしまして〜。」
「どうぞ、上がって〜。」
「お世話になりや〜す。」

ユタカは、早速家の中を案内した。

「ほぉ〜、こんなところに収納スペースがぁ〜。」
「『渡辺篤史の建もの探訪』のマネしなくていいから・・・。」

そしてテツヤを自分の部屋に招き入れた。

「寝たりするのはオレの部屋を使ってね。あと、ヨウイチ兄ちゃんの部屋には勝手に入らないでね。動物が入ったってだけで、パニくっちゃうかもしんないから。」
「へいへ〜い。りょうか〜い。」

テツヤは早くもユタカのベッドの上で寝る態勢を作り始めた。

「てっ、テツヤっ!ちょ〜っと待ったぁ〜!」
「は?なんだよ。」
「テツヤってさ、ずっと野良だったんだよね?」
「そうだけど?」
「オレの布団で寝る前に風呂入ってよ。」
「・・・え〜〜っ?!」
「布団汚れちゃうでしょ?はい、行った行った!」

ユタカはテツヤの尻尾を強引に引っ張り、風呂まで連れていった。

「めんどくさいなぁ、ったく。」
「これからは毎日入ってもらうからね。オレも兄ちゃんも綺麗好きなんだから。」
「毎日〜?!」
「はい、飼い主に逆らわない!言うこと聞かないと朝ごはん抜きだかんね!」
「お前、爽やかな顔して意外とキツイ・・・」

ユタカは不満タラタラのテツヤを半ば強引に説き伏せ、一緒に風呂に入って一緒に寝たのだった。

 

【つづく】


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