早朝バトル
≫戻る≪
ここは某街の某宿屋。 今日も今日とてある一室ではバトルが繰り広げられようとしている・・・ AM6:00 「スタンさん・・・?」 控えめなノックとともに開いたドアの隙間から顔を出したのは、 ストレライズ神殿神官、フィリアだ。 「スタンさ〜ん」 老人並みに朝の早いこの少女は日課である『スタンを起こし』にきたのである。 「起きてください〜」 ベッドの中央でシーツに包まっているスタンを揺すってみたが身動ぎ一つしない。 「スタンさんってばぁ・・・」 「・・・・・・くぅ〜」 泣きそうな声で呼んで見たが返事はない。 おとなしい彼女にスタンを殴ってでも起こすなどという芸当出きる筈も無く、 今日もすごすごと部屋を去っていった。 ・・・本日で通算30連敗である。 AM6:30 「ちょっとスタン起きてる・・・訳ないわよね」 遠慮もへったくれも無い様子で部屋に入ってきたのはレンズハンター、ルーティ。 仮にも妙齢の女性なのだから堂々と男性の部屋にノックも無しに入ってくるのは勘弁して欲しい。 「・・・すか〜」 「相変わらず緊張感も何も無いわねぇ」 緊張感のある寝顔って一体・・・? 「ちょっとスタン」 ゆさゆさと揺すってみたが反応は無い。 「ちょおっとぉ〜〜この田舎者!!」 さらに激しく揺すってみても罵倒してみても同じ。 スタンは平和な顔をして眠っている。 「しょうがないわね」 呆れたような溜息をついたルーティはおもむろにアトワイトを取り出した。 「起きないあんたが悪いんだからね・・・」 独り言を言いながらルーティはアトワイトを高く掲げた。 そして・・・ 「アイストーネード!!」 狭い宿の一室に吹きすさぶ雪嵐。 視界をさえぎるほどの白が止んだ後、部屋の中は真っ白な雪で埋め尽くされていた。 『ちょ、ルーティ!!やりすぎじゃないの!?』 もっともな意見を出すアトワイト。 だがそう言うならやる前に止めて欲しいものである。 「なぁにいってんのよ、これくらいやればこの鈍感男も起きてる・・・」 「す〜・・・」 はず無かった。 辺り一体雪で真っ白な中、それにもめげずスタンは眠りこくっていた。 ここまで来ればいっそ天晴れなものだと誉めたくなる。 「サイテ―・・・」 『・・・何かの病気じゃない?医者として治療してみたいわね』 「モー、いいわ、ほっとく!!」 ざかざかと雪を掻き分けながら扉の前まで来ると、 「この田舎者!そうやって一生寝てなさい!!」 今だ夢の中にいるスタンに罵声を浴びせると鼻息荒く部屋を出ていった。 (明日はアイシクルでもかましてやるわ!!) ・・・密かに命の危機が迫っているスタンであった。 AM7:30 コツコツというノックのあと半開きの扉から顔を出した一人の女性。 ルーティの相棒、マリーだ。 「おかしいな、今日はいい天気なのに」 部屋の様子を見てマリーは首をかしげた。 それはそうだろう。 何せ部屋の中はルーティのおかげで雪まみれとなっていたのだから。 しかも時間がたって雪は殆ど解けている。 あとでこの部屋を掃除する事となる宿の住人に心から同情したくなる。 「くぅ〜」 「なんだ、スタンはまだ寝てるのか」 そう言うとマリーはあっさり部屋を出た。 「寝ているものを無理に起こすわけにもいかないな」 ひょっとしたらこのまま一生寝ているという可能性は思いつかなかったのだろうか? マリーの出て行った後、水浸しの部屋でそれでもスタンは眠っていた。 リリスの苦労が伺える・・・ AM8:15 「何だこの部屋は・・・」 それがセインガルド王に仕える若干16歳の剣士、リオンの第一声だった。 部屋の中は水浸し。 風に飛ばされ壊れた家具があたりに散乱している。 くるぶし辺りまで浸透してきた水が朝の光を浴びきらきらと光っていた。 そしてその部屋の左端。 窓に最も近い位置にあるベッドの中では、 スタンがくーすか呑気に眠りをむさぼっていた。 「どうせあの馬鹿女が何かやらかしたんだろう・・・」 さすがリオン。鋭い洞察力だ。 というより、こんな事をするのはルーティ以外考えられないからか? 「ひょっとしてまだ起きてないのか?こいつは」 ひょっとしなくてもまだ起きていない。 そして一生起きないかもしれない。 「オイ、起きろ」 そんなことで起きればルーティ達は苦労していないだろう。 「しょうがない」 端整な眉を顰めたリオンはおもむろに行動を起こした・・・ 「のわあぁ〜〜〜〜〜!!!」
|
あとがき
TOD初小説です・・・
稚拙、稚拙すぎる!
おまけにタイトルがあぁぁぁぁ〜〜〜!!
スタンもここまで起きないわけ無いだろう!
あとなんか説明っぽいし。
つーか微妙にリオン×スタン風味・・・
ほんっとうに微妙だけど。
この地点で動かしやすいのはスタンでもリオンでもなくルーティである事が判明。
あれれ?
≫戻る≪