それいけ!あんぱんまん!! 4
あんぱんまんはばいきんまんが達したところでその手を戒める鉢巻を解き、木に背を預け座した己の腰の上を跨がせる。
そして片腕でその腰を支え、服が破られ露わとなっているアナルへ改めて唾液で濡らした人差し指をゆっくりと埋めていく。
「………っク……」
「苦しいですか?もう少しで気持ち良くなります故…」
未だそこに快感が無いのはばいきんまんの萎えたままの男根からして明らかであった。
先程放った精液の残骸が滴り落ちるだけで反応する兆しがない。
ばいきんまんは唇を噛み締め隻眼をぎゅっと閉じ、相手の肩へそれぞれの手を置いて内臓を弄られる苦痛に耐える。
その様子を見にあんぱんまんは後ろの指を円を描くように動かしながらごくりと喉を鳴らす。
そして薄く笑みを浮かべ視線で彼のペニスを示す。
「………お辛いのなら、ご自分でそれを触られたら如何です?」
「ばっ…か野郎!!そんな、事…!!」
ただでさえ今まで散々恥ずかしい真似をさせられたのに、これ以上はとんでもないとばかりにばいきんまんは声を荒げた。
そしてそこだけ破られ卑猥な様相呈する己の股間へと目を向けかあっと頬へ朱を上らせる。
堪らなく恥ずかしい。されてばかりで悔しい。
こんな風にされてしまって、どうやって帰れと言うのか。
―――けれど、早く目の前の男の欲を受け入れたい。
そういう気持ちも手伝って、反射的に後ろへ入ってしまう力を取り除く為だと己へ言い聞かせながら片手を萎れた雄へおずおずと伸ばす。
「…………ッ…いいか、見るんじゃねぇぞ。目ぇ閉じとけ」
「はは…、また無理を仰る」
「…っあ、……ッアホ………」
自分のものであるのだから当然、いいところはわかる。
軽く幹を握って裏筋を指の腹でなぞる。
すれば見られているということもあるのだろう、一人で自慰をする時よりも大きな快感が身体を走り抜けた。
あんぱんまんはその瞬間を見逃さず、第二関節程までしか入っていなかった指を一気に根元まで突き入れる。
「ひっ……ぐ!」
「…お上手だ。ほら、おちんちんの先の小さなお口がパクついておりますぞ?そちらも可愛がって差し上げねば」
「ん、ン………見んな、…っつってんじゃね、か…ぁ……」
与えられる恥辱に少しずつ眉尻を下げ困惑混じりの表情を浮かべつつも、ばいきんまんは親指の爪の先で鈴口を掘り下げる。
またじわりと先走りが滲み始め、指を濡らす。
前の快感へ意識が移ってしまえば尻穴を解す作業は格段に楽なものとなり、あんぱんまんは早速指を出し入れさせたり深い場所でぐるりと一巡させたりして前立腺を探す。
そしてその爪の先が多少の凹凸のある箇所を掠めた時、ばいきんまんの肩が大きく揺れた。
「ああっ…!!?あ、そ……そこ、触んな……!!」
「…しかしここを触らねばおまんこは中々気持ちよくなりませぬ」
「ひっ!!う、あぁ………、ッ…!!!」
反応のあった場所をぐ、ぐ、と押してやる度に腰が跳ね、陰茎の角度は見る見るうちに鋭いものへとなっていく。
感じたことのない種の強い快楽からばいきんまんは己の手を動かすことも忘れてあんぱんまんの背へ腕を回し強くしがみつく。
頭を左右へ振ったり顔をその肩へ埋めたりと悦感のやり所に困っているのは明らかなのに、あんぱんまんは指をもう一本足した後も容赦なくそこばかりを攻める。
爪の先で軽く引っ掻いては、指腹にて圧してやる。
しているとやがてばいきんまんの体が一層大きく跳ね、指を包む肉壁がきゅむ、と収縮した。
「っう、く……あ、……ぃあぁ───ッ…!!!」
その肩へ額を埋めたまま身を固くし、ばいきんまんは相手の腹へ向け精液を放つ。
白濁とした液体があんぱんまんの腹筋やジャケットを汚した。
びくん、びくんと身体を震わせ吐精し終えるも、あんぱんまんは指の動きを緩めることはしない。
今度は二本の指をまるでピストンのように動かして前立腺ばかりを狙って突き上げる。
指が内へ収まる度にくちゅ、ぷちゅ、と粘った音が響く。
「ンぁッ、あ、あ!それ、もう……やめろ…ぉっ…!!」
「何故です?とても気持ち良さそうではござらんか。処女にも関わらずおまんこだけで達せる程に」
「っく……ンうぅ…、あ、は……!」
先程最終的には後ろへの刺激のみで絶頂へ達したことさえ恥ずかし過ぎて記憶から消し去りたいことであるのに、そこばかりを弄られてばいきんまんのペニスは意思に反しまた痛いほどに勃ち上がっていた。
顔横のあんぱんまんからは見えないが、飲み込みきれない唾液を口端から一筋垂らし目も虚ろで、受け止めきれぬ快楽が苦しさへ変換されてきているのか眉間へは深く皺が刻まれ目にも涙が溜まっている。
ばいきんまんはなけなしの理性を以てどうにか正気を保ち、口許にあるあんぱんまんの首筋へがぶりと噛み付いた。
歯がきっちりと食い込んで、流石に痛みを覚えたあんぱんまんは少し動きを止める。
「痛ッ…!?………如何したので?」
「ゆび……なんかじゃなくて、ッあ、アンタの…でイかせろっつーのに……!!」
「………!……愛らしいおねだり有難うございます」
直接の刺激は受けていなかったも視覚的、そして聴覚的な刺激を多大に受けていたあんぱんまんの雄も実際は今にも暴発しそうな程どくどくと脈打ち着衣の内で膨張していた。
そこに目の前の素直でなくも愛しい人の要求を聞けば、挿入欲を押さえ込む理性を飛ばすには十分であった。
あんぱんまんは相手の腰へ添えていた側の手で己の腰周りの防具を取り除き、前を寛げる。
その手つきは性急で、いかにも余裕がないことを物語っていた。
ばいきんまんはその素早い手つきを見下ろし少々満足げに口端を持ち上げる。
「何だ、アンタもさっさと挿れてぇんじゃねぇか」
「……一方的に与える快楽でそなたが乱れ狂う様を見るのも捨てがたいのだが」
「……俺としちゃ大いに勘弁だな…ッ……」
奥への刺激がなくなったが故多少余裕が出来たのか、ばいきんまんは顔を上げ額同士をこつりと合わせる。
そしてまた唇同士を重ね、ちゅ、ちゅっと互いに啄むような幼いキスを繰り返す。
しながらあんぱんまんは相手のアナルからゆっくりと指を引き抜き身体の他の部位に比べれば幾分か細いとも思える腰を両手で掴んで、最早支えが無くとも天向きいきり立つ己自身の先端を尻穴へぴとりと宛がう。
しかし、ばいきんまんが不安と期待感からごくりと唾を飲み込んだところで思わぬ声が聞こえた。
つづく
また例によって分割です。
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